新任部局長紹介

歯学研究院長

山本 健二(やまもと けんじ)

 山本健二先生のご専門分野はタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)に関する機能と病態です。特に動物細胞におけるエンドゾーム・リソゾーム系プロテアーゼであるカテプシン群と歯周病原性細菌の産生するプロテアーゼについてのご研究を進めておられます。また学部教育では歯科薬理学を担当されておられます。

 先生は大変お忙しいにも関わらず、講義の後、学生との勉強会を精力的になさっておられます。毎週月曜日には研究室に集う4−6年生の学部学生とともに、細胞生物学に関する本や論文を輪読しておられます。非常に教育熱心でいらっしゃる先生を、私も少しは見習わなくてはいけないと反省させられます。個々の学生達の性質などもきちんと把握されていて「あいつはよく勉強している」とお話されることも少なくありません。

 先生はスポーツがお好きで、野球、テニス、ボーリングがお得意だそうです。さすがに、現在ではスポーツをされる時間がない様です。しかしエレベーターを使われないで、階段を使っておられますし、万歩計も携帯しておられると聞いています。国立大学が独立行政法人化される時期での研究院長の職は多忙を極めると思われますが、健康には充分留意されて、ますますのご活躍を祈念しています。

(T. T.)

農学研究院長

江頭 和彦(えがしら かずひこ)

 江頭和彦先生のお人柄を表すキーワードは、明朗、シンプル、速攻ではないかと思います。1971年に本学農学部農芸化学科土壌学講座に助手としてご就任以来、助教授を経て1992年より教授を務められています。ご専門は土壌学、土壌の基本的特性を規定する粘土鉱物に焦点を置いて研究され、1973年から1年間米国テキサス農工大学に滞在された経験もお持ちです。

 何より最近ではアジアに入れ込まれて、ここ10年間でバングラデシュ、ミャンマー、タイ、ラオス、ヴィエトナム、中国、台湾、韓国と精力的に回られ、土地利用や、農業での水と土壌の汚染の実態について調査し、人材育成・教育研究指導に当たっておられます。先生と海外旅行をご一緒された方は、ハードなスケジュールを喜々とこなす姿、相手国研究者とのカラカラと笑いながらの論議、レストランでの食べる前にまず料理を写真に撮る姿、広告紙の裏でつくったメモ用紙にサラサラと記録する姿、などエネルギッシュな活動に圧倒されます。私としては長靴姿でモンスーンアジアの水田の畦に立つ姿が強く印象に残ってるのですが、興味の対象の幅広さは農学研究院学芸雑誌に掲載された「ミャンマー紀行」に垣間見ることができます(江頭, 2003,九大農学芸雑誌, 57: 177-221)。

 また、記憶力にすぐれ、XX年にはどこを訪問し(ここまではよい)、しかもX月X日に誰と会ったとか、XX先生はXX年生まれで(ここまではよい)、しかも奥さんはXXの出身であるとか、一体その頭脳にはどこまでデータが収納されているのか恐ろしいものがあります。即断即決も有名で、先生が司会する議論の場はたいがい短時間で話がまとまり、「よしっ」といって最後に両手をポンと打ち合せ、会議は終わるのです。何事に対しても前向きな姿勢と国際性に富んだご経験は、農学研究院の将来を託するに十分なお人柄といえるでしょう。

(K.O.)

医学研究院長

原田 実根(はらだ みね)

 原田実根先生は、福岡の六本松生まれの北九州育ち、東筑高校を経て、九州大学医学部を卒業された頃はまさに学生紛争たけなわで、15年間は、金沢大学医学部に在職されました。

 日本の骨髄移植療法の発展に尽くし、九州大学に戻られてからは末梢血幹細胞移植療法をいち早く基礎から臨床に導入されるなど、常にその強靱なエネルギーで、日本の血液学をリードされてきました。7年間の岡山大学医学部教授時代を経て、平成13年、九州大学医学部第一内科に教授として再度戻られてからも、そのエネルギーは少しも衰えることなく、まさに炎のように燃え続けています。

 見かけによらずスポーツもお上手で、野球、テニス、卓球、バレーボールなど、若い医局員に交じって、まだまだ現役で活躍されています。お酒も強く、放っておけば夜中まで議論しながら飲まれていることもまれではありません。「教授室のドアはいつも開けているので、気軽に入って来なさい」といわれつつ、その気難しそうな顔につい入るのがためらわれます。しかし、話を始めるとそのきさくさについつい興にのっていつまでも話し続けてしまいます。

 この激動期、将来に対する確かなヴィジョンをもったリーダーが必要なことは医学研究院も例外ではありません。「俺、そんなこと言った?」という場面に出くわすこともあるので注意が必要ですが、必ずやその行動力で、難しい時代を乗り切られるものと期待しております。

(K.M.)

歯学部附属病院長

古谷野 潔(こやの きよし)

 新歯学部附属病院長の古谷野潔さんを紹介します。彼は47歳、国立大学の病院長としては異例の若さです。たぐい稀な実行力を買われて、病院長に推されたのですが、医学部附属病院との統合(今年の10月)という大改革が目前にひかえている今、能力プラスアルファのものが、彼に要求されています。彼には、人をひきつけ、動かす、カリスマ性みたいなものが、生まれもって備わっているようです。彼ならきっと、この難しい局面を乗り切ることができると、みんなが信じています。 古谷野さんは、平成9年に本学の教授に就任しました。専門は「歯科補綴学」という歯学の分野で、入れ歯、インプラント、噛み合わせ、あごの運動や機能、顎関節症などが彼の得意分野になります。また、再生医療に関する研究にも携わっています。

 現在の彼の最大の悩みは、自分のための時間がほとんどなくなってしまったことでしょう。今までも、講義、実習、研究指導、診療に加えて、学会(専門分野の研究者の集まり)のお世話、地域医療への協力などなど、多くの時間を他人のために使ってきました。さらに、今回の病院長就任で、自分のための時間は吹き飛んでしまいそうです。

 このように、生まれ持っての奉仕の精神が着実に実を結んでいるようで、彼の職業はと聞かれたら、「ボランティア」といった感じでしょうか。みんなから頼りにされています。病院長がんばってね。でも、時には息抜きをしてほしいものです。

(後輩のY.T.)

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