理学部へようこそ
理学部長 大川 尚士

 理学部に入学された諸君に心からお祝いを申し上げます。

 理学は自然界に潜む真理を明らかにすることを目的としますが,実用につながる原理を提供する点において社会と深く関わっています。今世紀初めにアインシュタインらが提唱した'量子'の概念は,量子力学として体系化され,トランジスターの発見やエレクトロニクス素子の開発につながりました。ワトソンとクリックによる核酸二重らせん構造の発見は,分子生物学の発展を促し,遺伝子工学の基礎を築きました。これ以外にも,理学の多くの研究が科学・技術の発展に寄与してきました。理学部は,大学院理学府及び数理学府と併せて西日本で最大規模を誇る理学の教育研究拠点であり,諸君は21 世紀の我が国の理学を担う研究者として,あるいは社会に貢献する専門家として活躍されることが期待されています。

 一方で,これからの学生生活は人間形成のうえでも重要です。充実した学生生活を通して,他人を思いやり,責任をもって行動できる大人に成長されることを願っています。

(おおかわ ひさし)

医学部へようこそ
医学部長 桑野 信彦

 ご入学おめでとうございます。

 学部をあげて歓迎します。九州大学医学部は慶応3年,黒田藩の藩校として設立された「賛生館」を前身とし,明治36年(1903)京都帝国大学福岡医科大学として誕生以来,2003年には創立100周年を迎えます。

 医学部の使命は社会に役立つ,病める人の気持ちになって医療を進める立派な医師を育成し,さらに生命現象を把握して,人類の健康と幸せに貢献することです。

 わが医学部は,特徴のある高水準の独自性を国内外に発信できる教育・研究・診療を新しい目標として歩みはじめています。諸君が活躍する21世紀は,ヒトゲノムを基盤にしながら生命を考えていく一方で,各々のヒトを全体的に把握し,“医の心”を最も大切なものとした医学を育んでいく必要があります。諸君には,地球上の他の生物(植物,動物など)や空気や水との調和と対話を大切にしながら,ヒトの健康とは何か,また病気とは何かを絶えず問いかけて欲しいと願っています。

 特に魅力あふれる多様性を示す医学を九州大学で発展させるために,諸君の若いエネルギーと向上心が要求されています。諸君のこれからの努力に大いに期待しています。

(くわの みちひこ)

教育学部 伊藤 匡史

 九大はふところが深い,とても自由なところである。法を犯さない限りは,どんなことでもやらせてくれる,そう感じている。大学3年次に私は1年間休学をして,岩手の小さな町でボランティア活動に従事していたことがある。自分自身どうしてもやりたかったことなのだが,こんな私を認め,休学させてくれた大学と先生方には今でも感謝している。おかげで貴重な経験ができた。

 そして,九大の窓は様々な所に広がっている。研究室の人脈を利用して,面白い活動をしている人に数多く出会うことができ,面白い話もたくさん聞くことができた。様々な人との出会いは,自分自身を大きく成長させてくれた。

 大学時代に経験したボランティアをはじめとする様々な活動,様々な出会いを糧にして,社会に出ても大きくはばたきたいと思う。大学時代,時間はたくさんある。それを生かすも殺すも自分次第。自分のやりたいと思ったことは積極的に行い,有意義な学生生活を送ってほしい。

(いとう まさし)

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