新キャンパス造成着工へ
九州大学副学長  矢田俊文
第T工区の造成基本設計決まる

 平成12 年3 月21 日,九州大学評議会は,新キャンパス第工区造成基本設計を審議,了承しました。 これにより第工区の造成工事が近く本格着工されることになり, 2000 年度末にも予定されるマスタープランの策定,それを受けての他工区の基本設計作成と, 移転開始に向けた動きが見えてきました。

全学的取り組み

 平成10年5月26日の評議会において, 「新キャンパスの土地造成基本計画」が審議・決定された(「九大広報」創刊号既報)。 これをもとに,同年6月23日,九州大学の杉岡洋一総長は福岡市の桑原敬一市長に, 「造成基本設計案」の作成を依頼した。 九州大学では,「造成基本計画」の決定ののち,平成10年6月に, 新キャンパス計画専門委員会のもとに設置していたワーキンググループの再編を開始し, 5つのワーキンググループ及び5つのサブグループを結成し, 延べ150名強の教職員の参加のもとで,造成基本設計,環境影響評価書,及びマスタープラン作成 に不可欠な課題について,それぞれ専門分野から検討を進めてきた。

●ワーキンググループとサブグループ

A 施設計画
  (ワーキンググループ長:竹下輝和教授)
 α1 農場計画
  (サブグループ長:福山正隆教授)
 α2 福利厚生施設
  (サブグループ長:押川元重教授)
B 未来型キャンパスづくり
  (ワーキンググループ長:太田俊昭教授)
 β1 情報通信基盤
  (サブグループ長:松尾文碩教授→廣川佐千男教授)
 β2 地域水循環
  (サブグループ長:神野健二教授)
Γ 環境
  (ワーキンググループ長:島田允堯教授)
 γ緑地管理計画
  (サブグループ長:小川 滋教授)
Δ 地域連携・交流
  (ワーキンググループ長:森淳二朗教授→藤田昌也教授)
E 文化財
  (ワーキンググループ長:有馬 學教授)

ゾーニングと移転順序

 農場の面積及び土地利用について,農場計画サブグループを中心にして一層の検討が深められ, これに基づき平成10年10月20日の将来計画小委員会で 「新キャンパスにおける農場ゾーンについて」が, 平成11年2月19日の将来計画小委員会において 「農場用水に関する地元及び開発協議方針について」が了承された。 これを基に関係機関及び地元との協議を行い,原則的な合意を得て, 平成11年4月16日の評議会において,農場ゾーンの取扱いに関する 「造成基本計画の一部修正について」が決定された。

 また,各部局の部局長及び新キャンパス計画専門委員会によるワークショップ方式等により, 文系・理系ごとのゾーニングについて真剣な意見交換がなされ, 「アカデミックゾーン内のゾーニング案」と「移転順序案」が 平成11年3月11日の将来計画小委員会で仮決定された。 これに基づき移転順序案の実行可能性を確認する作業を行う 「移転シミュレーション検討プロジェクトチーム」が設けられ, 3ケ月に及ぶ作業の結果の報告を受けて,平成11年7月27日の将来計画小委員会において, 「アカデミックゾーン内のゾーニング」と「移転順序」を正式に了承した (「九大広報」第8号既報)。

環境・遺跡

 「造成基本計画」に基づく環境影響評価については, 環境ワーキンググループ及び緑地管理計画サブグループによって鋭意検討が進められ, これを基に平成11年10月22日の将来計画小委員会において 「九州大学新キャンパス統合移転事業環境影響評価準備書」が了承され, 11月1日から11月30日まで閲覧されるとともに, 11月11日に西区元岡小学校において現地説明会が開催された。 市民からの意見書は15名32項目にのぼり, これに対する大学側の見解を付して福岡県知事等に提出し, これに対する福岡県知事の意見を踏まえて,平成12年2月18日の将来計画小委員会に 「九州大学新キャンパス統合移転事業環境影響評価書(案)」を提出し, 了承を得るとともに,2月25日より3月24日まで一般閲覧に付した。

 「造成基本計画」決定後,新たに明らかになった古墳等の取扱いについては, 平成12年1月21日の将来計画小委員会において「元岡古墳群E 群の取扱いについて」が了承され, さらに,「元岡遺跡群(第7,12 ,15次調査地)の取扱い,古墳の保存方法について」が 平成12年2月18日の将来計画小委員会に報告された。 九州大学新キャンパスマスタープランは,こうした報告を原則的に取り入れる方向である。


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