健康科学センター長
峰松 修
みねまつ おさむ

 峰松修先生は,わが国における学生相談のリーダーの一人であり, 九州大学の学生を相談によって支援されてこられました。 また,健康科学センターの第2部門においては,心理部門と医学部門を一体化し, 学生の健康支援のための組織を構築されてこられました。

 峰松先生の提案された支援方法に「微分健康行動修正法」というものがあります。 「微分健康行動修正法」とは,その人にとって実行が容易であると評価され, その人がより楽しく“いきいき”と生きることができると評価された行動を実践することによって, 健康状態を改善させる方法です。 これは心の疲れた学生に問題を解決するよう努力させるよりも, 結果的に問題が解決できるようなことを一緒に考えていくことを重視している 先生の相談活動のあり方をよく表現しています。 また,精神疾患や身体疾患のために医療のケアが継続的に必要な者が 学業と療養を両立させながら生活できるような, ソーシャルワークやデイケアーを含めた生活全般にわたる生活臨床的援助をおこなう「療学援助」や 対人緊張や精神疾患などで学内での人間関係がとぎれがちな学生への「とまり木」として機能させる 「サイコ・リトリート(オープングループ)」の提案などは わが国の相談活動および健康管理に大きな影響を与えてきました。

 健康科学センターは,健康に関する研究,教育,業務を行う機関であり, 舵取り役はこの三つのバランスをとるという責任があります。 また,現在,健康科学センターは研究院問題をはじめとして多くの問題を抱えております。 さらに,学生のメンタルヘルスの悪化が学内でも話題になっており, メンタルヘルス専門委員会の立ち上げも予定されています。 この困難な時期に健康科学センター長になるということは大変なことだと思われます。 しかし,この時期だからこそ峰松先生にセンター長になっていただいたのでもあります。 健康科学センターにとって実行が容易であり,スタッフが一丸となって, より楽しく“いきいき”と研究,教育,業務を行えるための“健康処方”が 峰松先生に期待されています。
(A.B.)


大学教育研究センター長
高木 誠
たかぎ まこと

 高木先生のご専門は,分析化学です。 先生が20年前に発明された, 色素分子とクラウンエーテルが結合したTakagi's Reagent(高木試薬)は, アルカリ金属イオン(ナトリウムイオンやカリウムイオン)の濃度を色で判定することのできる 画期的な分析試薬であり,今でも国際会議などでたびたび引用されています。 先生はまた,化学分野において遺伝子研究を最も早い時期に始められたことでも有名です。 生命科学とは別の視点から,新しい遺伝子診断法(先生の言葉で表現すれば遺伝子の分析法) の開発を続けておられます。 最近話題のDNA チップについても,先生の斬新かつ先導的な研究が 内外の注目を集めているところです。 これらの業績から,次期の日本分析化学会・会長への就任が決まっています。

 先生は,誠実なお人柄ゆえ,初対面の方から堅物であると誤解されることが少なくないようです。 先生もご自身の性格を誤解している節があります。 先生は「飲みごとは好きではない」とおっしゃいますが, 実は懇親会などで最後まで会場を離れないのは先生です。なにより話好きです。 話題も豊富です。しばしば気の利いたジョークで座を盛り上げられます。 研究以外の部分でも,かなり幅広い潜在能力をお持ちです。 なお,お休みの楽しみは庭いじり,とか。

 今回のお役目では, 文理を問わず多士済々の先生方とのお付き合いがますます重要になると思われますが, 潜在的なマルチタレント性をいかんなく発揮され,大学教育ならびに全学共通教育の改善を通じて, 九州大学の発展に貢献していただきますよう,心より願っております。
(M.M.)


医療技術短期大学部部長
上田 一雄
うえだ かずお

 上田一雄先生は医療技術短期大学部部長として,本年4月から2期目を迎えられることになった。 2回目の登場であるから,御本人にはいささかお気の毒ではあるが, 短期大学部は4年制への昇格や大学院重点化などの問題をかかえた重要な節目の時期であり, 従来の経験を買われて再選を果たしたものと認識している。 短大の輿望を担って,先生自身がよくいわれるように“老骨に鞭打って”頑張って貰わねばならない。

 風貌に一見春風駘蕩の趣があるから,あまり物事にこだわらず,人生に悩みが無いようにみえるが, 最近は一向に進まぬ短期大学部の改組に,苛立ちを隠されない。 どうも短期大学部が九州大学の一組織として認知されないことに,その遠因があるらしい。 皆,わかってますよ。ストレスを貯めずにのんびりといきましょう。 もともと内科の医師であり,循環器系(特に脳卒中)の臨床疫学を手法として, 老年医学,循環器関係,予防医学関係の学会に結構頻繁に顔を出していられる。 その経験に基づいて,医療技術者教育にも一見識を持っておられるが,多様な価値観の時代, それを普遍化するのが難しいと仰せられる。さもありなん。(低頭・黙想)。 短期大学部は小さいながらも,教育機関として独立独歩であり, そのための多彩な行事が一年間を通して散りばめられている。 部長はその大部分に関与せねばならないから,さぞ大変であろうと拝察する(同情)。

 看護学科を中心に教鞭をとられてる。 学生の評判は“途中で飛んでくるギャグがおもしろい”との事(なんたる寂寥)。 御本人の弁“雑学やってますよ,これでいいのかな−。アルツハイマー病の講義が特に疲れる。 学生の名前を憶えないから,アルツハイマーといわれる”(残酷の極み)。 お酒は大好き,カラオケは大嫌い。 高校時代に沢山の女の子に囲まれて,コールユーブンゲンを歌って, クスクス笑われたんだって(呵呵,哄笑)。
(T.U.)


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