平成12 年度の開学記念行事は,5 月11 日の記念式典や学内開放,5 月27 日の筑紫地区キャンパス開 放とともに,5 月20 日(土)には天神の都久志会館ホールで記念講演会が催されます。ここに興味深 い講演の要旨を掲載して,皆様への御案内とします。


「韓国における日本語教育―日韓文化交流史の一側面―」

 今日,諸外国の中で日本語学習人口の最も多いのが韓国である。 しかし韓国の人々は,日本語を単なる外国語のひとつとして, なんのこだわりもなく学んでいるわけではない。 いうまでもなくそれは,35年間にわたって日本語が植民地支配者の言語であったという 厳然たる歴史があるからである。 1972年7月,高校第二外国語として,すなわち学校教育の正規科目として 日本語を再登場させるにあたり当時の朴正煕大統領が, 「過去の韓日関係の故に日本語を忌避する傾向があるが, 精神さえしっかりしていれば,日本語を学んだからといって日本人になるものではない。 したがって,民族の主体性および闊達な大国民の度量が必要である」旨の談話を発表, 敢えて国民の説得にあたらねばならなかったことが,その間の事情を端的に示しているであろう。 日韓国交正常化(1965年)後の政治・経済関係の緊密化が 日本語学習促進要因として強力に作用していることは事実であるが, 前世代から引き継がれた痼りは依然として消えていない。

 本講演は,このような韓国における日本語教育の複雑な意味合いを理解するために, その歴史を簡単にふりかえってみようとするものである。

人間環境学研究院教授
稲葉 継雄
いなば つぎお

海が気候を左右している

 大気中の二酸化炭素の濃度が増加して地球の大気と海が温暖化し, 南極大陸やグリーンランドの氷が溶けたり海水が膨張して, 世界中の海水面が上昇するのではないかと心配されている。 二酸化炭素濃度の増加の主な原因は, 人類の産業・社会活動における化石燃料の燃焼によって解放された二酸化炭素である。 ところが実際に大気中で増えている二酸化炭素の量は,人類が放出している量の半分程度で, 残りはどこかに消えている。 この行方不明のかなりの部分が海洋に吸収されているのではないかと言われている。 また,海は大気に比べてけた外れに大きな熱容量をもっており, 大気の急激な温度変化を抑えて,マイルドな気候を作り出している。 さらに,海は大気とともに赤道地方から極地方に熱を運び地球全体の気候を和らげている。 このように海は地球の気候を維持する上で極めて重要な役割を果たしている。 ここでは,海が地球規模の気候変動にどのように関わっているのかを考える。

応用力学研究所教授
今脇 資郎
いまわきしろう

 平成11年4月から開始した「財団法人九州大学後援会(仮称)」設立に向けた 学内募金の寄附申込み状況は次のとおりです。
申込み者数 1,700名(全職員の36.6%)
申込み総額 62,280千円
 寄附の申込み,お問い合わせは各部局の庶務掛又は 後援会準備室(電話092-642-4493)で随時お受けしています。

シリーズ糸島紀行G

―福岡市海づり公園―
国土地理院発行地勢図


 このシリーズでは,九州大学新キャンパス用地の福岡市西区元岡・ 桑原地区がある糸島半島周辺の,景勝地や施設を紹介しています。

 博多湾に面する糸島半島東岸の小田(こた)地区には,福岡市海づり公 園が整備されています。週末ともなると多くの釣り人や家族連れ,そし て最近ではカップルが思い思いに釣りを楽しみにやってきます。


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