1日目  5月13日(土)

オープニング・セッション

開会宣言(中田 稔 実行委員会委員長)

開会挨拶(杉岡 洋一 九州大学総長)

「人類の英知は,人類共通の財産です。 今回の会合の意義は,大きな変革の時代にあって, 各大学が直面する問題を私たち共通の問題として,その対応を協議することになります。
 日本には胸襟を開くという言葉があります。 ここに,懐かしい友人たちと胸襟を開いて新しい話ができることを,感謝しております。」

来賓挨拶

(本間 政雄 文部省大臣官房総務審議官) (麻生 渡 福岡県知事)

Part 1 「研究と教育について」

議長:柴田 洋三郎 九州大学副学長

 「各大学のお話を伺っていると,九州大学の問題を解析されたのではないかと思えるくらいに, 共通した問題点や将来に向かっての課題があるようです。」

基調講演

パク・ジェユン 釜山大学校学長

 「大学の経済基盤を支える国や企業の求めにより応用研究に重きを置かざるを得ない一方で, 基礎研究や教育が軽視される恐れも生じています。 大学は努力して,教育と研究,基礎研究と応用研究, 人間中心の教養的教育とビジネスにつながるような教育との最適なバランスを 図っていかなければなりません。」

Session 1

発表者

ダニエル・アレクサンドル ロベール・シューマン大学副学長

 「EU の15 カ国が参加する欧州単位互換制度(ECTS)によって, 我々の大学学生の16%が他大学へ移動しています。」

グァン・ツィチェン 清華大学副学長

 「中国国家の基幹研究所150 のうち10%が清華大学にあります。] 広東,雲南などの地方政府との協力,アメリカのGM が我が大学内に研究所を作るなど, 産学連携も強力に進められています。」

Part 2 「大学の経営と運営について」

議長:矢田 俊文 九州大学副学長

 「社会の変化によって,大学に求められるものも多様化してきました。 社会の要請に大学は対応する必要があるでしょうが, 一方で,社会の変化を見据えつつ大学の価値を,柔軟で強靱な価値を, 繰り返しディスカッションする必要がありましょう。」

基調講演

アンドレアス・ヘルドリッヒ ミュンヘン大学学長

 「大学に対する社会の期待は急激に変化しています。 ユニバーシティという言葉に含まれているように,大学には多様性がなくてはなりません。 総合的・包括的な教育,職業倫理,異なった教授間の橋渡し, 変化に対応する能力を養成するなどというようなことは, 大学が果たすべき役割だと思います。 また大学経営は,例えば,庭そのものの良さを生かす, 英国式ガーデニングの手法を参考にすべきではないでしょうか。」

Session 2

発表者

杉岡洋一 九州大学総長

グリーム・ディビース グラスゴー大学学長

マイケル・ケネディ ミシガン大学副学長

 「国際的な活動の多様性を認識すること,文化についての研究を支持すること, 国際的な協力を大学間の協力を通しておこなうこと。 国際化について,我々はこの三つの原則を掲げています。」

ナリス・チャイヤスット タマサート大学学長

 「タイの大学は今官僚主義から脱しようとしていますが,タマサート大学は, 自分たちの改革もきちんとやりながら,時間をかけて教育の質を高めようとしています。 10年後,私たちの大学職員は皆公務員でなく大学のスタッフになります。 今働いている人たちには調整期間が与えられますが,50%がその間に退職するでしょう。 給料を50%以上上げることも考えています。」

ウー・ジョンチュン ソウル大学校大学院長

 「1年半前に新しい総長が就任し,ソウル大学校は, 世界レベルの統合研究型の大学へとレベルアップするという目標を設定しました。 そのために,国際協力,広報の充実,教官の活動をオープンにすること, 様々な経営資源や文化的背景の最大活用,すぐれた大学との連携などを進めています。 そして最終的には,人類を含めた全ての生命に貢献するという 教育の究極目的に忠実であらねばならないと考えています。」

討議のまとめ及び共同宣言発表

議 長:吾郷 眞一 法学研究院教授

発表者:杉岡 洋一 九州大学総長


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