2日目  5月14日(日)

高校生との対話集会

議長:稲葉 継雄 人間環境学研究院教授

司会:河野 俊行 法学研究院教授

【テーマ1 】

「躍動―地域に生き世界を変える大学」

「皆さんのお国の大学入試制度をお教えください。(香住ヶ丘高校)」

「統一試験がありますが,競争率の高い大学や学部では面接で,なぜここで勉強したいのか, 何を勉強したいのか,大学にその生徒は何を持ってくることができるのか, そういったことを聞きます。(ディビース グラスゴー大学学長)」

「2002 年に,推薦と面接を重視する方向に,大きくシステムが変わります。 (ソウル大学校,釜山大学校)」

「日本では志望大学を決める際,大学の名前やランキングが物を言います。 先生方のお国でもそうですか。(修猷館高校,福大大濠高校)」

「大学のランキングより,その大学のあなたが志望する分野の内容を しっかり見ることが大事だと思います。(シェンツレ ミュンヘン大学副学長)」

「その大学を選んだあなたが,その大学のランクを上げてやるんだという 意気込みを持ってください。(ウーソウル大学校大学院長)」

「日本に関する教育は,伝統文化と現代の科学や技術と,どちらに重きがありますか。 (明治学園高校)」

「それは私に聞いてほしいと思っていました。ミシガン大学では,日本の歴史的な分野, 現代的な分野両方を,誇りを持って教育しています。学生の交換留学によっても, お互い多くを学ぶことができています。(ケネディミシガン大学副学長)」

「釜山大学校では,約30 人の教官がいて100人を越える学生に日本について教えています。 (パク 釜山大学校学長)」

「学生が事業を興したり新たな技術を開発しようとする場合に, 人材や施設などの面で支援が受けられますか。(城南高校)」

「ソウル大学校には,遺伝科学などの分野で230ほどのベンチャーが起こり 1,000 万ドルほどの投資が行われました。(ウー ソウル大学校大学院長)」

「日本では,司法試験に合格するために大学のほかに 予備校にも通う学生が多いと聞きます。どう思われますか。(佐賀西高校)」

「ドイツでも,大学に行きながら予備校へも通う学生のいることは事実です。 ゲーテもそんなところに通っていたという話です。 (ヘルドリッヒ ミュンヘン大学学長)」(笑)

「国際的な文化の違いについてお話をうかがえますか。(宗像高校)」

「サッカー日本代表のトルシエ監督は,興奮するとよく選手にキスしますが, フランス人は皆そうですか。(司会:河野教授)」

「いつでもだれにでもキスするわけではありませんよ。 (アレクサンドル ロベール・シューマン大学副学長)」

【テーマ2 】

「挑戦―果てしない夢と無限大の可能性を信じて」

「先生方は若いときどんな夢をお持ちでしたか。(城南高校)」

「夢は何回も変わりました。本当はプロゴルファーになりたかったのです。 (ケネディ ミシガン大学副学長)」

「私も学者になろうとは思っていませんでした。経済学を教えていますが, 学位は理学博士です。自分に正直でまじめであれば, その時々の刺激で人生の判断を変えていいと思います。 私自身これから新たな展開があるのだろうと思っています。(矢田 九州大学副学長)」

「世界中を回っていろいろなものを見たいと思います。(小倉高校)」

「まず語学を習得しなさい。留学プログラムを利用するのもいいでしょう。 (アレクサンドル ロベール・シューマン大学副学長)」

「どんな分野に進んでも今できることに全力を尽くせとのことですが, 勉学以外で何かアドバイスをいただけますか。(明善高校)」

「ほかの人の助けになるよう努めてくだい。友人,隣人,社会,国家そして世界にとって 助けになる人に。(パク 釜山大学校学長)」

「何かをやろうとしてつまづいても,それは自分に対する試練だと思って, これで自分は強くなると,プラス思考で人生を送ってください。(杉岡 九州大学総長)」

クロージング・セッション

閉会挨拶:杉岡 洋一 九州大学総長

閉会宣言:中田 稔 実行委員会委員長


参加した高校生からの手紙

「大学サミット・イン・九州」に参加して

朝倉高等学校3 年井上亜樹菜

 私は、大学サミットに出席して、本当に良かったと思っています。 なぜなら、日ごろお会いする事の出来ない海外の大学の先生方や、 海外の大学の制度を知る事が出来たからです。 中でも印象的だった事は、先生方の友好的な姿勢でした。 国際関係の仕事につきたいと思っている私には、とても参考になる意見ばかりでした。

 私は、今、韓国に興味を持っているので、昼食会のときに、 ソウル大学校の先生とお話する機会を得て、 現代の韓国の人々の日本に対する考え方や思想について聞かせていただいたりと、 本当に有意義な時間を過ごす事ができました。 ソウル大学校をはじめとする多くの海外の大学の入試制度、 先生方の考えなどを聞くことができて、サミットに参加して良かったなあと つくづく実感させられます。海外の先生方とお会いし、先生方とお話できた事が、 私の一番の思い出となりました。 これからの国際化社会に向けて、 このような機会を与えてくださった九州大学の先生方に深く感謝致します。 非常に有意義な時間をありがとうございました。(いのうえ あきな)

明善高等学校二年池上慈子

 このような機会はそうそうあるものでなく、参加できたことを大変嬉しく思います。

 各国の方々それぞれが、御自分の大学に誇りを持ってお話なさっていると感じました。 私は今、将来の目標というものは持っていません。 ですから、学長方の元々の夢はプロゴルファーだったり、 いろんな事をやってきた結果が今であるというのは、今後の大きな参考となりました。 但し、その時々におけるでき得る限りの努力をすることを前提としますが。 今までは指針を決めなければ動き出せなかったのですが、 ふと振り返ったら後ろに道が出来ていた、そういうのもいいなと考えるようになりました。

最後に、同年代の人達の発言を、例えばジョークを交えて、思いもしなかった点から、 聞く事ができ、貴重な体験となりました。このような会を設けていただき、 本当にありがとうございました。 (いけがみよしこ)


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