行幸啓と「お手植え」の銀杏
折 田 悦 郎
(大学史料室専任講師)
写真1 |
石炭採掘ニ関スル作業ノ順序 |
教授工学博士 永積純次郎 |
日本刀鍛錬ノ順序 |
教授工学博士 金子恭輔 |
罌粟花色ノ遺伝ノ実験成績 |
教授医学博士 石原 誠 |
本邦ニ持息セシ犀ノ化石 |
教授医学博士 進藤篤一 |
九州ニ於テ著述セラレタル天文及物理ノ古文書 |
教授理学博士 桑木 雄 |
写真2 |
根元に石柱の囲いが見える 写真3 |
写真4 |
本部前に“フェニックス”一本十二万円也これらの記事から「お手植え」の銀杏は,少なくとも昭和35 年6 月以前には移植されたものと推測してよかろう。
。 六月二十一日,九大本部前のロータリーに,熱帯植物「フェニックス」が植えられた。… 本学の庭園委員会が造園計画の一つとして,はるばる鹿児島から輸入したからで,中心にある大きなフェニックスは一本で十二万円…。
(昭和35 年7 月10 日号)
南国スタイルのシュロ並木
第一期造園計画完成。
…庭園は加藤退介農学部助教授の設計によるもので…これは庭園計画委員会がかねてから計画中だった本学庭園建設の一部が完成…用度掛の話だとゆくゆくは福岡の新名所となるような素晴らしいキャンパスにするため九州独得の植物を沢山植えたいとのこと。
(昭和35 年3 月25 日号)
注
〔昭和24 年5 月 展示品目録〕
(1)大正9 年(1920)〜10 年。皇太子妃に内定した良子女王の血統に色盲の遺伝があるとして長閥の山県有朋らが暗躍。10 年2 月に変更無しの発表で落着。女王が島津家の血を引くことから薩長の派閥抗争があったといわれる。
(2)九州大学大学史料室『九州大学大学史料叢書』第2 輯,84 頁。
(3)但しこの工学部本館は現在の建物(昭和5 年11 月竣工)ではなく,大正12 年12 月に焼失した旧本館である。また,現在の本部事務局は大正14 年3 月に建築された。
(4)農学部附属演習林の薛孝夫助教授の御教示による。その外,本文の作成には本部管財課松尾佳彦,人事課村上正範両氏の御教示を得た。記して謝意を表したい。
学部 番号 品 目 解説者名 医学部 1 ベクトル心電図法
一,ベクトル心電計
二,ベクトル心電図
三,心臓ベクトル模型助教授 木村 登 2 ヒトスジシマカとネツタイシマカ 教 授 操 坦道 3 1 肺結核のレントゲン治療
2 胃潰瘍のレントゲン治療教 授 入江英雄 4 フグの中毒学的研究 教 授 福田得志 5 JK 膜関節成形術 教 授 神中正一 6 呼吸生理より見たるシヤミセンガイ血色素の立場 教 授 瀬尾愛三郎
助教授 棚橋陽吉工学部 7 地形図の新しい表示法 教 授 田中吉郎 8 鋳肌の研究標本 教 授 谷村 熈 9 歯車噛合試験機 教 授 和栗 明 農学部 10 組織粉末機械 教 授 小島 均 11 菌核菌の特殊成分 教 授 山崎何恵 12 メイタガレイの変態
マアナゴの変態教 授 内田恵太郎 理学部 13 九州諸炭田地質図 助教授 松下久道 14 九州著名鉱物 講 師 岡本要八郎 15 炭坑内メタン瓦斯計 助教授 田村次雄 図書館 16 大隈言道歌集 貝原益軒書翰 事務官 長沢由次郎
*平成7 年(1995)12 月25 日,『昭和天皇紀』編纂の史料調査のため,宮内庁書陵部より来学があった。本文はその際に説明した史料をもとに補筆したものである。