新任部局長紹介は、新たに部局長に就任された方々を、近くにおられる先生や学生 さんから紹介していただくコーナーです。
田中輝男先生は一九七三年に九州 大学歯学部を卒業された栄えある 第一期生のおひとりです。しかもそ の後、同期の先陣を切って九州大学 歯学部教授(一九八八年)、さらに歯 学研究院長(二〇〇一年)になられま した。先生の肩には同窓生からの多 大な期待が寄せられているものと思 われます。
先生はその堂々たる体躯に似ず 実に細やかな気遣いをされる方です。 これは、歯学部への学士入学(九州 大学薬学部卒)やNew York City University への留学などの多様な学 習経験、さらには京都大学医学部、 関西医科大学、福井医科大学など 異分野での勤務経験によるところが 大きいと思われます。国立大学の独 立行政法人化、学位授与機構によ る大学評価の導入など厳しい外圧 を目前にして、どこまで血の通った組 織運営ができるのか、その期待の重 みを感じておられることでしょう。

実習風景
さて、先生の御専門は解剖学です。 研究を始められた頃は免疫組織化 学の第一人者として高名な小川和朗 教授のもとで腎臓のレニン産生に関 する免疫組織化学的研究に従事さ れ、その後は歯肉炎発症機構の解明 やインプラント(人工歯根)の開発に 繋がる基礎歯学からの解析に多数の 業績を残しておられます。講座スタ ッフや院生への教育は厳しく、一糸乱 れぬ統制のもと多くの研究業績を ものにしてこられたように見えます が、実は若手から先生への痛烈な反 撃もあるのです。そしてこの丁々発 止の雰囲気を横目でうらやましげに 見守る同僚教授もいるようです。
(T .I .)
高田先生の国際関係論ゼミは、今 年は日・韓・中・露の四カ国バトルの場 になっています。毎週月曜午後、報告 をめぐる討議が激しくなされますが、 テーマは多数の参加者それぞれで異 なるので実に多様です。その場を取り 仕切る先生の博識には驚くばかりで、 「何でも知っている」ようです。そもそ も先生の「専門」なるものが良く分か らないのです。国際関係論、ロシア近 代史、平和研究の三本柱が僕の学問 体系を支えているなどと言われる時 もあるのですが、まあ、何か想像もつ かないような新しい分野を切り拓こ うとしているみたいです。しかも既存 の各分野について、例えば、すでに北大 スラヴ研究センターの外部評価委員な どをされているのですから、内外で高 い評価を受けていられる様子です(こ んな書き方をすると怒られそー)。

本館とモニュメント「青陵の泉」
先生は東京生まれの東京育ちで、 九大に就職して初めてそこを離れら れたそうです。どうもその語り口や 言葉使いが少し乱暴に聞こえたりす るのは(スミマセン)、そのせいなのだろ うと思います。しかし、すごく気遣い される人であることはすぐに分かる はずです。御本人はなんとなく勤め が長くなって気付いたら一番前に出さ れてしまったような感じだなどと言 われていますが、比文のように教育研 究における学際性を看板に掲げる所 では「何でも屋」で抜群の処理能力が おありの先生が院長には適任ではな いかと思われます。なんでも九大就 任当初は学生を連れて北アルプスま で山歩きをされていたそうですが、私 たちとしてはそこまで期待しなくても、 学生との付き合いのほうもよろしく お願いします。 (X )

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