国際交流

世界の若者と語る

 八月三日(金)、香椎浜の国際交流会館を、「国際青年の村 2001 in福岡」の参加者のうち教育をテーマとする二十六名が訪れ、会館に住む九州大学留学生と各国の教育事情について話し合いました。

 九州大学の留学生からは、留学生の目から見た日本事情の説明がありました。例えば「普通、教官と学生の関係は、ジョークを言い合ったりファーストネームで呼び合うものではなく、敬語を使うなど上下関係を意識していなければならない。」「学生はシャイな人が多くなかなか友だちになれないが、一緒に飲む機会が多くあり、それで親しくなる。」また、日本での生活に不便はないのかとの質問には、日本人の親切であることや、ボランティアの熱心さを評価する意見が出ていました。(注)

 (注)「国際青年の村」事業は、同時代に生きる国内外の青年が、共同での生活や多様な交流活動を通じて、相互理解と友好促進を図り、国際性を備えた青年リーダーの育成、国際社会への参加促進、外国青年の正しい日本理解に資することを目的として実施されている。「国際青年の村2001 in 福岡」は、内閣府、福岡県、(社)青少年育成国民会議の主催で7月30日から8月6日の間、日本を含む17カ国、261名が参加して行われた。

十ヶ国十二人の研修生を迎えて

 八月二十日(月)、五十周年記念講堂において、国際協力事業団(JICA)が実施する一般特設研修「地熱エネルギーと環境科学コース」の第二回開講式が挙行されました。

 事業団の集団型研修には集団研修及び一般特設研修があり、このうち一般特設研修は、発展途上国が共通に抱える問題をテーマとした講座を異なる国から集まった研修員が同時期に一斉に研修を受けるものです。今回、九州大学が実施する研修は、一般特設研修として、国際協力事業団が発展途上国から招致した十ヶ国十二人の研修生に対して、日本における地熱利用とその環境問題に関する先端技術を用いた訓練を行ない、各国における地熱探査や環境調和型の開発に充分対応できるようにするための研修で、約四ヶ月間にわたり実施されます。

 開講式は、梶山千里工学研究院長及び伊坂潔国際協力事業団九州国際センター所長の挨拶に引き続き、ユーゴ・フェルナンド・ナバス・アロンソ氏(グアテマラ)が、研修生を代表して研修への抱負を交えて挨拶しました。

 引き続き、ファカルティクラブにおいて、牛島恵輔コースリーダーの司会で学内外の講師陣等と研修生による懇親会が開催されました。

ソウル大学校と協定締結

 八月二十一日(火)、大韓民国ソウル大学校の李基俊(リー キ・ジュン)総長と九州大学の杉岡総長が「九州大学とソウル大学校との間の学術交流協定」並びに「学生交流に関する覚書」に署名しました。これまでは、九州大学の農学部、機能物質科学研究所、附属図書館、人文科学研究院が部局間の交流協定を締結し、ソウル大学校との交流の成果を上げてきましたが、今回大学間の学術交流協定が締結され、ますます交流実績が積み重ねられていくものと期待されます。

 調印式で杉岡総長は「アジアの中でも一番近い隣国である韓国を代表するソウル大学校との学術交流協定締結は、本学のアジアへの取組みに鑑みても、実に重要で歴史的意義がある。」と述べました。

 また、記者からの質問に答えて、李総長は次のように述べました。「協力と平和の東アジアを次世代に伝えていかなければならない。我々知識人には社会の過ちを正すという役割もある。この協定締結が、政治や社会の困難を解消する契機となれば、それは喜ばしいことだ。」


前のページ ページTOPへ 次のページ
インデックスへ