文化系・体育系の部やサークルの他にも、九州大学には様々な学生の団体があり、自主的かつ積極的に活動しています。学生の団体があり、自主的かつ積極的に活動しています。ここでは、法学部や経済学部の学生が中心となり、理系や他大学の学生も加わって、加入者約百名で活動している「経営・政策勉強会九州(MPIK)」をご紹介します。

経営・政策勉強会九州

URL http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/3302/

代表 大佐古 佳洋

 私たちが生きる21世紀は、「激動の時代」とよく言われています。しかし、私達大学生がそれを肌で感じるのは難しいことではないでしょうか。狭いキャンパスの中で授業を受け、友人達と遊びに行く生活の中で、社会の変化を掴むのは容易ではありません。

 数年後には社会へ旅立つにもかかわらず、学生生活は社会との接点があまりに少なく、将来の自分の姿をイメージすることができない。だから何を勉強すればいいのかも分からないし、そもそも何がしたいのか分からない。一昨年10月にこの経営・政策勉強会九州を立ち上げる前、私はそんな風に考えていました。

 そんな折に、京都の大学へ通う友人から「京大生が中心となって活動している『政策勉強会』(当時)というサークルがあって、面白そうだ」と言われ、誘いに応じて京都まで見に行きました。そこは広く社会問題を考え、自分なりの改革案を発表し、議論するという知的好奇心を触発される空間だったのです。「ああ、求めていたものはこれだ」私はそう確信しました。その半年後の2000年10月、私はMPI九州を設立しました。

 MPI九州の活動理念は「自分で考え、行動する」。将来社会へ出て行くにあたり自分はどうありたいのか、それを実現するために足りないものは何か、何をすべきなのか。こうしたことを考え、実践できる場でありたいと考えています。現在の政治や企業の経営戦略を分析し、自分なりの改革案を考えることで、常に「自分ならどうするか」という視点を持つ。それに対し、現場で活躍されている社会人の方から意見を伺い、「どこが足りないのか」を発見し、今後自分が成長するために何をすべきかが見えてくる。MPI九州の活動と意義を端的に言えば、こう表現できると思います。さらに、異なる経験や考え方を持つ人が同じ場所に集まり、語り合うことで、お互いに刺激を与え合う空間になるのです。「様々な夢と希望が交差する場所」これがMPI九州のビジョンであり、存在理由です。

 私達はこれまでに約1年間で10回のフォーラムを開催しました。扱ったテーマは、教育、社会保障、農政、ユニクロの戦略など実に様々ですが、ここでは11月の「Seikyou Management」と12月の「ベンチャーだよ 全員集合!」(いずれも企画タイトル)についてご紹介したいと思います。

 11月19日(土)、東区の建設会館でMPI九州第9回定期フォーラム「Seikyou Management」が開催されました。これは、身近なようであまり知らない生協という企業を通して、経営戦略とは何か、どうやって考えるのかを参加者の人たちと一緒に考えることを目的としたものでした。当日はMPI九州から2チームが、現在の生協が抱える問題点<学生の生協離れ>が起きた原因とその打開策を報告しました。第1部で報告チームが自分たちの案をプレゼンテーションし、相手チームとディスカッションを行い、第2部で当日お越しいただいた生協の職員の方々や経営コンサルタントの方と一般参加者でグループを作り、そこで意見をまとめ、発表し全員で活発な議論を行いました。

 報告チームからは、「六本松キャンパスで朝食販売サービスを行う」、「学生が主体となって情報誌を創刊し、キャンパスの流行や生協のPRを行い生協のブランドイメージ向上を目指す」などの案が提案され、グループからは「昼休みの時間そのものをずらして食堂の混雑を解消すべき」「健康という面を打ち出し、単に安さで勝負せず付加価値をつけるべき」などの意見が飛び交い、非常に活気のあるフォーラムになりました。参加者の意見も「ただ聞くだけでなく自分で考えることができたので面白かった」など好意的で主催者として大きな手応えを感じることができました。

 その約2週間後の12月1日(土)、福岡市民会館でMPI九州特別企画「ベンチャーだよ 全員集合!」が行われました。名前の通り、ベンチャー精神を持つ学生や既に起業した学生を集め、ネットワークを築くことを目的としたものです。当日は学生時代に起業し、人材派遣の最大手パソナグループを築き上げた南部靖之氏による講演と、学生によるベンチャービジネスプランコンテストを九大、福大の先生方と南部氏を審査員としてお招きして行いました。

 第1部の講演で、南部氏は「自分が何をしたいのか考え、見つけたらそれを実行しなければならない。情熱と使命感を持って、より多くの若者に起業して欲しい」と市民会館に詰め掛けた250人の参加者にエールを送り、ベンチャースピリットの重要性をご自身の経験を踏まえてユーモアたっぷりに話されました。その後の質疑応答でも、学生の率直な質問に丁寧かつ真摯に答えられ、時間を超過するほどの盛り上がりを見せました。

 第2部のコンテストでは、MPI九州、九州情報大学、福岡大学から1チームずつ出場し、それぞれのビジネスプランを参加者の前で発表し、審査員の方から時折出される厳しい質問に答えました。「インテリアを学んでいる専門学生や卒業生による、大学生やOLを対象とした手軽な料金でのインテリアコーディネート」など各チーム学生らしい斬新な発想で、審査員の方から高い評価を頂きました。ただ、ビジネスに必要不可欠な財務見通し(採算性)に関する分析の甘さを指摘されるなど、起業の厳しさを実感させられる局面もありました。

 当日は審査員の方も含めて、学生団体、行政、企業の方など多数の方に参加していただき、南部氏との質疑応答やビジネスプランへの批評を通して、密な空間を創ることができました。まさしく様々な経験や考え方の人が集まり、語り合う場になったのを実感しました。

 私達MPI九州は今後も企業や学生団体など様々な人とふれあい、そこで真に刺激的な空間を創って行きたいと考えています。学生同士の横のつながりと社会人の方との縦のつながり。この二つが交錯し、その結びつきが強くなればなるほど、そこで行われるコミュニケーションが密になっていき、集う人々に与える刺激は大きくなる。様々な夢が育まれ、MPI九州というステージで実践し、お互いにとって更なる飛躍のためのスプリングボードでありたい。私達はこう考えています。

 「何か面白いことをしたい」という方、私達は多くの人との結びつきを通して、大きな刺激を提供することができます。「やりたいことはあるがそれを実践する場がない」という方、MPI九州には、おもしろいことには飛び付かずにいられない好奇心の塊が大勢います。「夢と希望の交差点」として、私たちはともに高め合う仲間と、もっと刺激的な空間を創っていきたいと思っています。フロンティアへ―。私達と一緒に、何か新しいこと、面白いことをやってみませんか?

(おおさこ よしひろ 法学部3年)

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