特集 歓迎 新九州大学生! 学部長からの歓迎メッセージ

「これ」を克服しなければ君たちの未来はない

村上 敬宜

工学部長
 「これ」を克服しなければ君達の未来はない。
 「これ」とは何だと思いますか。君達の心の中に棲む「魔物」です。最近の講義の中で驚くべき「魔物」が現代の若者の心の中に棲んでいることを知りました。一年生と大学院生が偶然にも同じ週に講義の演習用紙の片隅に次のような問いかけを書いていました。
 「先生に聞きたいことがあります。自分達は教室で友達が先生にさかんに質問すると嫌悪感を覚えますが、先生達の世代ではそのようなことは無かったのですか?次の講義のときに話して下さい。」
 私はこの質問に大変驚きました。さらに驚いたことには、この「魔物」がほとんどの学生の心の中に棲んでいるということでした。日本の若者の心の中にはいつからこのような「魔物」が棲むようになったのでしょうか。この「魔物」は放置しておけば、講義室から活気を奪い、やがて君達自身が生きていかなければならない日本を衰退させることになるでしょう。この「魔物」を退治することは、易しくもあり、難しくもあると言えるでしょう。それは君たち次第です。「これ」を克服しなければ君たちの未来はない。
(むらかみ ゆきたか 機械工学)

自然との共生―農学のすすめ

坂井 克己

農学部長
 今年も二百名余の諸君が農学部に入学され、歓迎の気持ちを新たにしています。
 さて、私達人類が生き続けるとき無数の問題が生じます。例えば、狂牛病問題や諫早湾干拓問題のように身近なものから、地球環境悪化や食糧危機のように将来世界規模でもっと深刻になりそうな問題もあります。このように複雑な問題の予防や解決には農学の視点が不可欠です。つまり、人類が生存を続けるためには、資源の搾取ではなく自然への洞察力に裏打ちされた生物資源による「健全で高度な生物産業」が必須であり、その実現には物質循環から人間社会に至るまでの広い視野を必要とします。
 新入生諸君が本学部や大学院生物資源環境科学府で大いに学び、「農学の視点」を身に付けて二十一世紀の重要課題解決に貢献されることを望んでやみません。
(さかい こっき 森林機能開発学)

医療人への道

梅村 創

医療技術短期大学部部長
 医療の道へ志を立てて入学してこられる新入生の皆さんを迎え、心からお慶びを申し上げます。
 病気があればそれを治したいという人々の努力は、古くから続けられてきました。つまり、医学・医療は人類の歴史と共に発展してきました。二十一世紀に入り、先端医療はめざましく進歩する一方、少子高齢社会や国際化社会が到来し、保険・医療・福祉には今までになく多くのことが求められるようになりました。そのような中で、皆さんが医療技術者として何を試そうとするのか、何を試さねばならないかをじっくりと考えてください。現代は、生涯を通して学習を続ける必要がある時代ですが、その中でも皆さんの若い時代は、様々な学問、文化、人に巡り会える大切な時期です。自発的に学び続ける心と力を身につける時期でもあります。医療技術短期大学部が位置する病院地区には、医療関連学部および大学院があり恵まれた環境にあります。どうか意義のある学生生活を送られ、基礎的知識や十分な専門性を身に付けると同時に、病む人や健康でありたいと願う人の心を理解できる素晴らしい医療人になられるよう期待します。
(うめむら つくる 血液検査学)

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