
若田 光一
(わかた こういち)
宇宙飛行士。日本時間の2000年10月12日から10月25日の間、スペースシャトル「ディスカバリー」で2度目の宇宙飛行を行い、正確なロボットアーム操作などで宇宙ステーション組立てに大きく貢献。
(大学院工学研究科1989年3月修了)
宇宙から見ると、昼間の地球は水の惑星です。青く、雲が動いているのが見えます。サハラ砂漠では強い風が吹いているようでした。大自然の力強い営みが感じられました。夜になるとそれが一変します。暗黒に包まれた中に、人間の作った光が見えます。それは人間の科学技術の力を感じさせるもので感動しました。それらの景色を見て、私たちの故郷であるこの地球の環境を守っていかなければならないと強く感じました。
(2001年1月23日の帰還報告で。「九大広報」第十七号)
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佐藤 剛史
(さとう ごうし)
生物資源環境科学府博士課程3年(当時)。2000年、日本育英会が「地球環境」をテーマに論文を募集した「第4回チャレンジ!21」で、大学院生対象の最優秀賞を受賞し、この快挙により九州大学の学生表彰も受けた。
糸島で「ジャンボタニシ除草法」を実践している農家があります。ジャンボタニシは害虫で稲の苗を食べますが、雑草も食べる。その生態をつかんで水管理などをコントロールすることで、雑草だけ食べさせることができるのです。また、農薬散布などでウンカなどの害虫がいなくなると、それをエサとするクモなどの益虫もいなくなります。害虫だからといってすぐに殺してしまうのではなく、共生へと発想を転換し、自分たちで試行錯誤してその技術を確立する。そこに自然をとらえる目を感じましたし、身近なところに地球環境を考えるヒントがあると考えました。
(「九大広報」第十八号 シリーズ「九大人」から
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早田 憲治
(はやた けんじ)
文部科学省の大学関連部署の中枢を経て、2001年4月に九州大学事務職員のトップである事務局長に就任。
事務職員は教官とともに九州大学を支える重要な柱であるという、自負と自覚を持って仕事をしてほしいと思います。大切な職場である九州大学を、自分で守り発展させるという意欲と気概を持って、仕事に取り組んでいただきたいのです。親方日の丸とは反対の方向に舵は切られています。それをしっかり認識して仕事をしてほしい。
(「九大広報」第十八号 シリーズ「九大人」から)
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高岩 淡
(たかいわ たん)
東映株式会社社長
(昭和29年経済学部卒)
映画作りには、一人一人の情熱が集まると、予想の二倍も三倍も素晴らしいものができる面白さがある。皆で一生懸命頑張っていいものができるのが映画。厳しく、なかなか金にならない仕事だが、自分が感動して皆と何かを作ることに、生きていく幸せを感じる。
福岡は確かに田舎だが、どこの誰にも負けない熱い心がある。それを大事にしてがんばれ。
(九大広報」第十八号から)
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Chad Walker
(チャド ウォーカー)
人間環境学府博士課程2年(当時)。主催するカルチャー・カフェが、1998年からC&Cに採択され、2001年秋には21世紀交流プラザ(箱崎)に出店(下写真)。
カルチャー・カフェを始めた目的もそうなのですが、九大の日本人学生と交流する機会がもっとあったらいいと思っています。留学生は日本人の友だちがなかなかできず、同国人や国際交流会館の中だけの交流になってしまう場合が多いのです。日本にくる目的として、勉強や研究はもちろんですが、日本人の友だちを作りたいという気持ちはとても強い。私も最初は日本人の友だちができずに悩みました。留学生と日本人学生の皆さんとの交流は、お互いにとってとても有益だと思います。
(「九大広報」第十八号 シリーズ「九大人」から)

C&C(チャレンジ&クリエイションプロジェクト) 学生の自主研究や調査プロジェクトを募り、年間約10件にそれぞれ50万円が助成される九州大学独自の制度。1998年に設けられた。 |
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尾首 睦美
(おくび むつみ)
医学部付属病院の看護部長として700名を超える看護職員を率いる。
(医療技術短期大学部の前身である医学部付属看護学校卒)
(どんなときに喜びを感じるかの問いに)患者さんの症状が良い方に変化して、退院の際などに「おかげさまで」と感謝の一言をいただいたときです。私たちは意識するしないにもかかわらず、五感を働かせ患者さんに関するあらゆる情報を収集し、知識を駆使して状態を判断し、計画を立てて看護を実践します。その看護の力で、激しく泣いていた赤ちゃんが泣き止んで眠りに就いたとき、患者さんが安らかな状態になったとき、深い喜びを感じます。そしてそういう看護が可能であるために、絶えず勉強していかなければなりません。
(「九大広報」第十八号 シリーズ「九大人」から)
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高倉 健
(たかくら けん)
「健さん」は日本を代表するスター。総合科目「社会と学問」で講師を務めた高岩東映社長の「応援」に突然登壇。教室は騒然となり、健さんの話が始まると静まり返った。福岡県東築高校出身
大事なのは、一生懸命生きていく中で、いい人に出会うことではないでしょうか。勉強することはもちろん大事ですが、あなたの人生に大切と思われる、別れるのがつらいと思える人に出会えたら、それだけでいいじゃないか。そんな人に出会えるように、しっかり目を開いて生きていくこと。それがとても大事だと思います。
(「九大広報」第十八号から)
社会と学問
各界で活躍するOBの体験に根ざした話を聴いて、大学で学ぶ意味を考え、世界を相手に挑戦する気持ちを養ってもらおうと始められた、主に一年生を対象とした総合科目。 |
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