長谷川 勉
(はせがわ つとむ)
システム情報科学研究院 知能システム学部門 教授
(長谷川教授の研究室で)
Q
そもそもどのような経緯で、このプロジ
ェクトはスタートしたのでしょうか。
A :
二〇〇〇年の正月でしたか、ドクタ
ーを了えてポスドクとして大学に残ろう
とする学生たちの中から、ロボットを作
ってロボカップに挑戦したいという希望
がでてきました。そこで、知能機械の山
本先生とも相談し、小型機を作ることに
なりました。OBで福岡大学の松岡毅助
教授にも加わってもらい、二〇〇〇年七
月に天神で開催されたロボット展示に出
しました(「九大広報」第十四号ニュー
ス参照)。
八月頃、日立情報制御システムという
会社から、九大のOBでロボットの目を
開発している技術者を介して、「社員に
応用を考えさせるのにいいテーマなの
で、九大でやっているのならぜひ一緒に」
という申し出がありました。そこで、よ
り複雑な中型機を作ってロボカップを本
格的にやろうということになり、二〇〇
一年の二月頃に一号機が完成しました。
またその頃、今回の福岡での世界大会開
催も決まり、目標ができたわけです。
|
Q
すでに何回か大会を経験していらっしゃ
ると伺いましたが。
A :
二〇〇一年の五月に福岡でジャパ
ン・オープンが開催され、自信を持って
望んだのですが、試合で戦うにはいろい
ろノウハウがあって、思いどおりに動か
ず完敗でした。それから皆奮起して、八
月にシアトルで開かれた世界大会では、
ある程度満足いく結果(ベスト8)が得ら
れましたが。
Q
現在プロジェクトは、何名くらいで動か
していらっしゃるのですか。
A :
私と工学研究院の山本元司助教授、
福岡大学電気工学科の松岡毅助教授、九
州大学の助手が三名、学生は常時参加し
ているのは四.五名、それに日立情報制
御システムから若手のコンピューター技
術者が一名です。私も山本先生も専門は
知能ロボットですが、私の方はソフトウ
エア、山本先生の方は動く部分の製作や
デザイン、制御などで、お互いの得意分
野を合わせてやっています。
|

ボールを蹴り出す鉄板を製作中の安田君
Q
まず製作費だけでかなりの額になるので
はないですか?
A :
作って、動かして、壊れた部分を補
強したり改良したりで、結局ロボット一
台百万円以上かかっていると思います。
試合参加は四台ですが、予備も必要です。
費用は、日立情報制御システムからの共
同研究費、大学の校費、それと九州大学
のP&P(注)からの支援金でまかなっ
ています。特にP&Pからの支援は、ロ
ボットの改良に大いに役立ちました。
Q
このプロジェクトの、研究・教育上での
意味を、どうお考えでしょうか。
|