大学の動き

本年度の開学記念行事

■記念式典

感謝状贈呈
上/柳澤義幸氏(右) 下/布江彌之助氏(右)

 平成十四年度開学記念式典が、五月十日(金)、創立五十周年記念講堂大講堂で開催されました。

 九大フィルハーモニーのメンバー四人によるモーツアルトの「ディベルティメント第三番」の演奏に続いて、梶山総長が、法人化、新キャンパスへの移転など現在九州大学が取り組んでいる諸課題や管理・運営の現状などについて説明し、「諸先輩方の業績を基に、変革し飛躍する九州大学の構築に邁進して参りますので、ご支援、ご協力をお願いいたします。」と挨拶しました。

 続いて、医学部OBで五十年にわたり柔道部の指導を行ってきた柳澤義幸(やなぎさわ よしゆき)氏と、法学部OBで西日本鉄道株式会社の会長を務めながら、医学部倫理委員会委員としての責務を一般の立場から遂行してきた布江彌之助(ぬのえ やのすけ)氏に、感謝状が贈呈されました。

■C&C総長賞報告会

 学生の自主的な研究などを助成金や研究室の提供などで全学挙げて援助する「チャレンジ・アンド・クリエイション(C&C)プロジェクト」。昨年度採択されたプロジェクトで、成果が特に優れていたとして総長賞並びに奨励賞受賞者の表彰が行われたのに続き、報告会が開催されました。研究報告をしたのは、次の方々です。

(総長賞)

「二十一世紀交流プラザ」活用プラン
岡崎 義和(経済学部経済工学科二年)
村田 清一郎(工学府物質プロセス工学専攻修士課程一年)

(奨励賞)

博多と老舗の研究
衞藤 安代(経済学部経営学科三年)
九大ブランド商品開発のためのマーケットリサーチ
守部 尚(経済学部経営学科四年)
講演する佐藤次高東京大学教授

■記念講演会

 本年度の記念講演会の講師は東京大学の佐藤次高(さとう つぎたか)教授。「イスラームの人間観」と題して、イスラームが人間とどのように向きあって来たのかというテーマで、会場の教職員、学生、一般、高校生に分かりやすく講演しました。





News in Brief

■杉岡前総長に大韓民国から勲章

挨拶する杉岡前総長

 三月二十六日(火)、杉岡洋一前総長に大韓民国政府から、韓国の勲章である「無窮花(むくげ)章」が贈られました。「無窮花章」は勲一等に相当する韓国の勲章であるということで、杉岡前総長のこれまでの日韓親善の推進に対する功績が、韓国政府に高く評価されたものと言えます。韓国との交流を多方面に進める九州大学としても、この受章は大きな喜びです。

 五月七日(火)に市内のホテルで催された受章祝賀会には、約百三十名の関係者が集い受章を祝いました。梶山千里九州大学総長は発起人代表として「杉岡前総長の今回の受章は、私どもをも清々しい晴れがましい気持ちにしてくれます。杉岡先生の築いた基礎の上に、私たち後に続く者は実際の成果を挙げていかなければなりません。」と挨拶。来賓の趙誠勇(チョ・ソンヨン)在福岡大韓民国総領事館総領事は「今回の受章は、韓国研究センターの設置や韓国からの留学生への配慮など、杉岡先生の民間友好と交流促進に果たされた大きな功績によるもの。先生のような高い見識の方々の努力が、韓日関係を暗いトンネルを抜け明るい未来に向かわせ、協力する隣人として生きていく基盤を作るのです。」と祝辞を述べました。

 これに対して杉岡前総長は次のように挨拶しました。「今回の受章は、九州大学教職員の過去から現在にわたる功績によるものであり、併せて県や市、経済界、趙総領事はじめ韓国の関係者の方々のご尽力によるものです。私はその代表として頂戴したに過ぎません。 一つ私がお褒めいただけるかなと思うのは、一九九八年十一月三十日、当時の金鍾泌(キム・ジョンピル)大韓民国国務総理の来学講演の開催を決断したこと。日韓関係が揺らいでいたときでしたが、金総理の『韓日関係の過去と未来』と題する日本語による講演が、韓国国際交流財団の九州大学を韓国研究の拠点と位置づけた助成、それにこたえる形での韓国研究センターの設置、ソウル大学校との協定締結などにつながりました。決断してよかったと思っています。九州大学がますますアジア諸国との親善友好を深めるよう願っています。」

 この後、大野茂九州・山口経済連合会会長の発声による乾杯、有川節夫九州大学副学長、九州大学整形外科学教室の先輩である山本真(やまもと まこと)北里大学名誉教授(昭26医学部卒)のスピーチ、金美香(キム・ミヒャン)さんの伽 琴(カヤグム)演奏が行われ、中野仁雄副学長の挨拶で、盛会のうちに会を閉じました。

■王座復活を期す七大戦結団式

勝利を誓う

 六月二十七日(木)、東北大学を主幹大学として開催される第四十一回国立七大学総合体育大会の体育総部結団式が、記念講堂で開催されました。冒頭、挨拶に立った會田英明体育総務委員長は、「主幹校である東北大学、四連覇を目指す京都大学と我々とは条件は対等。祭りとは言え勝つことにこだわり、四年間遠ざかっている総合優勝を目指そう。」と挨拶。続いて参加各部の名前が太鼓の音とともに読み上げられると、それぞれの主将が壇上へ上がり、ヨット部の松下学主将が梶山総長に「日頃鍛えた成果を発揮し、総合優勝して帰ってきます。」と決意表明を行いました。

 大会の種目にないために留守をあずかるアメフト部の堀之内大輔主将の「壮行の辞」に続いて、野澤副学長が、「日頃の成果、持てる力を発揮すれば総合優勝も夢ではない。皆さんの活躍が、九州大学全体に夢を希望をもたらす原動力となることを期待します。健闘を祈る。」と挨拶しました。最後に、少林寺拳法部の北島英樹主将が、「力の限り戦い抜くことを誓います。」と選手宣誓を行い、閉会しました。

 結団式に続いて、三年間の休止を経て今年度復活した九州大学応援団の演武が披露され、満場の拍手を浴びました。(一〜五頁のシリーズ「九大人」に、応援団へのインタビュー掲載。)





国際関係ニュース

■韓国研究センターで日韓を応援

 サッカーワールドカップ期間中、韓国研究センターでは、日韓国民交流年記念イベントとして、韓国と日本の試合を対象とした「パブリックビューイング」を実施しました。 「日韓一緒に両国を応援しよう」をテーマとした企画には、韓国からの留学生をはじめ連日百五十人を超える日本人学生、教職員、一般市民が詰めかけ、大型スクリーンに映し出される熱戦に一喜一憂しました。

 特に韓国の四強入りという快挙もあり、韓国研究センター一階のラウンジには、「テーハンミングッ!(大韓民国)」の大声援が響き渡り、韓国の留学生からは「日本人と韓国人の心が一緒になって応援するのを見て感動した。」との声も多く聞かれました。

試合後の記念撮影 左/試合後の記念撮影 右/「テーハンミングッ!」の大声援

■夢への1st Step 交換留学説明会

 六月十七日(月)に六本松キャンパス、十九日(水)に箱崎キャンパスで、それぞれ第一回交換留学説明会を開催しました。これは、海外留学を希望する学生を対象に、九州大学の学生交流協定校への留学のための諸手続について、説明を行ったものです。

 箱崎キャンパスの説明会では、特に今回初の試みとして「ミニ留学フェア」と称し、中国、韓国、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリアの各大学のブースを設けました。ここでは留学から帰国した九大生やJTWプログラム(次ニュース参照)に参加している留学生によって、パンフレットやウェブページでの紹介はもちろん、希望する留学先の大学や生活情報について直に話を聞くことができることから、留学を希望するたくさんの学生であふれました。

 JTW生受け入れのための学生交流協定は、相互受け入れと授業料不徴収を原則としているため、交流は一方向にとどまることなく相互に盛んであり、多くの九大生が主にJTW生の母校へ留学しています。

 留学する学生の多くは、JTW生のチューターとしての活動や、全学共通教育科目として開放されているJTWプログラム及び七月から開講されるUMAPリーダーズプログラムの英語による授業への参加によって、学内に居ながらにして海外留学の雰囲気を味わい、留学への意志を強くしていくようです。興味のある方は、ぜひ参加してください。

 今回の説明会に参加できなかった学生のみなさん、中央図書館のブラウジングルームにある「留学コーナー」を覗いてみてください。説明会で配布した資料や、外国大学についての情報を自由に閲覧することができます。また、ウェブページからも情報を発信しています。

http://www.isc.kyushu-u.ac.jp/jpn/

 交換留学説明会は、十月に第二回を予定しています。

(交換留学生からの手記を二十三頁に掲載しています。)

■田植え in 西有田町 JTW第八期生 泥だらけの一日

 六月十五日(土)、佐賀県西松浦郡西有田町にて、留学生センター外国人短期留学コース(JTW:Japan in Today's World Program)第八期生が田植えに挑戦!

 昨秋、JTW生はここで一日だけのホームスティと稲刈りに参加しており、今年も田植えを通して、お世話になった西有田町の皆さんとの再会を果たしました。西有田町棚田会の方々のご指導とご協力により、JTW生一同、水田では一列に並んで楽しく田作りに勤しみましたが、なかには田植えだけでなく泥遊びに勤しむ学生も…。

 田植え終了後、昨年同様バーベキューをして、棚田会の皆さんと交流会を行いました。棚田会の方、バスの運転手さんまで巻き込んで、突然始めたアームレスリングもこの交流会をかなり盛りあげました。

 この第八期生の植えた苗は、夏にUMAPプログラムの学生による除草作業、秋にJTW第九期生による収穫作業が行われることになっています。

■UMAPリーダーズプログラム開講式

自己紹介するチューターと対面

 九州大学は、七月一日から八月九日の六週間、「ITとグローバル化の時代におけるアジアを学ぶ」をテーマに、UMAP参加国から留学生を受け入れ、その開講式が七月一日(月)、九州大学国際ホールで行われました。

 柳原正治国際交流推進室長(総長特別補佐)は、「世界の一流大学の学生である皆さんを九州大学で迎えることを大変光栄に思います。この留学の経験が皆さんの将来に生かされることを願っています。」と挨拶しました。

 来賓として列席した文部科学省留学生課の高野短期・海外留学係長、ホームステイを行う古賀市企画課の吉田参事、十時主任主事紹介の後、二十五名の参加留学生とチューター、留学生と共に講義を受講する二十一世紀プログラムの学生がそれぞれ自己紹介をして、プログラムへの意気込みを述べました。

(注)
UMAP(アジア太平洋大学交流機構):アジア太平洋地域の大学間交流、特に学部学生交流・短期留学の推進を目的として1991年に発足した団体。リーダーズプログラムは、アジア諸国などの将来リーダーとなる人材育成を支援し世界の安定と発展に寄与することを目的に、平成13年夏から、九州大学と東京外国語大学で実施されている。

■東箱崎小三年生 九州大学を探検

本部事務局の貴賓室で

 六月十四日(金)東箱崎小学校の三年生八十八名により九州大学箱崎キャンパスにおいて、「親子ふれあい学習(総合的な学習の時間)」の一環として、九州大学の施設見学とウォークラリーがおこなわれ、構内にかわいい歓声が響きました。

 東箱崎小の子供たちは、生物環境研究センターの内部や事務局貴賓室など普段見ることの出来ない場所を「探検」し、生物環境調節研究センターからの松ぼっくりのおみやげに大はしゃぎでした。

(数日後、皆さんからのお礼状の束が届きました。その中の一通をご紹介します。)

 ぼくは、きひん室に入れたことが一番思い出になりました。なぜなら、ほんとうは入れないごうかな部屋へ入れたからです。しかも、いすがふわふわで、ごくらく気分になれたからです。それと、びくりしたのは、とても大きいいかりでした。ぼくは、いかりをはじめて見ました。いろんな所を見せてくれてありがとうございました。

高戸貴大より

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