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第三回 アジア学長会議開催

第一回と第二回を九州大学主催で開催 した「アジア学長会議」。第三回となっ た今回は韓国の釜山大学校の主催で、 生涯教育をテーマに開催されました。 参加した国際交流推進室の新開先生の報告です。

二〇〇二アジア学長会議 に出席して
アジア総合研究センター(KUARO)
新開 章司

生涯教育をテーマに

 「二〇〇二アジア学長会議」が十月 二十三日から二十五日まで、大韓民国 釜山市において、釜山大学校の主催で 開催されました。九州大学のイニシア ティブにより始まった「アジア学長会 議」は、昨年、一昨年と福岡で開催さ れ、第三回目となる今回、初めて九州 大学以外の大学により主催・開催され ました。今回より、オーストラリアと ニュージーランドの大学を新たに迎え 入れ、十五カ国から、総勢二十四の大 学が参加しました。

 今年の会議は「知識型社会における 大学の役割―生涯教育での国際協力」 をメインテーマとし、全体会議、分科 会を通して活発な議論が展開されまし た。各大学の生涯教育に対する取り組 みや、課題が議論され、またゲストス ピーカーにより欧米の大学の事例も紹 介されました。それぞれの大学の置か れている状況によって「生涯教育」の 意味合いは異なるものの、生涯教育が 今後ますます重要になるという点での 認識は共通しているようです。

 二十一世紀の生涯教育環境を整備す るためには、IT技術を駆使した「遠 隔教育」の活用が期待されています。 そこで、IT技術の活用ということも 今会議の重要なテーマとして取り上げ られたわけですが、九州大学からは情 報基盤センターの岡村助教授に参加い ただき、日韓共同で進行している高速 通信ネットワークに関するプロジェク ト(通称:玄海プロジェクト)を紹介 していただきました。プロジェクトは 福岡と釜山を海底光ケーブルで直結す ることにより高速通信を実現するもので、プロジェクトが成功すれば九州大 学とアジアの諸大学との「遠隔教育」 実施への基盤がより整備されることに なります。参加大学の「遠隔教育」へ の関心は非常に高く、今後、参加大学 間で具体的な取り組みが進んでいくと 思われます。また同時に、九州大学が まさにアジアへ開かれた大学であるこ とを示すことができたと思います。

進むネットワーク・ポイント構想

 九州大学にとっての成果としては、 九州大学が前回の学長会議以来進めて きたネットワークポイント(NP)計 画の前進・拡大があげられます。すで に基本的な合意に達していたいくつか の大学と、期間中に文書による合意に 至ることができました。また新たに参 加した大学からも、共同研究・交流の 促進、広報機能の強化などが期待され るNPへの関心は高く、九州大学の研 究者・学生の活動拠点としてのNPの 拡大が期待されます。

 さらに、もうひとつの大きな成果は、 九州大学がASEP(Asian Student Exchange Program )という新しい交換 留学に関する枠組み を提案し、それに対 して参加大学の多数 から賛同と関心が寄 せられたことです。 ASEPは学生の交 流を促進する枠組み で、それにより単位 を伴う留学が可能に なり、アジアにおけ る学生のモビリティ が高まることが期待 できます。すでにい くつかの大学とは具 体的な交渉に入って います。

 また、期間中には、 任意の二校間関係を 強化するための個別 会議の場が用意され ましたが、九州大学 との個別会議を希望 する大学 は 多 く、 「アジア学長会議」、 さらには二十一世紀 の大学教育における 九州大学への期待と、その果たす役割の大きさを改めて認識させられました。 国際交流推進室やKUARO(九州大 学アジア総合研究センター)でも、九 州大学の研究者・学生の皆さんのアジ ア、そして世界での活動がより効率的 に行えるよう、NP大学との連携強化 に努めていきたいと思います。

 なお、次回開催地はタイのバンコク に決定し、チュラロンコン大学の主催 により開催される予定です。

(しんかい しょうじ 農業経営学)

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