News in Brief

「新キャンパス」 建物建設いよいよ始まる

 福岡市西区元岡・桑原地区の新キャンパス用地 では、二〇〇三年三月に造成が終了したT工区に、 いよいよ新キャンパス最初の建物である工学系研 究教育棟の建設が始まります。一月十五日(水) には現地で、関係者約百名が列席して起工式が催 されました。

 梶山千里総長は式辞の中で「今日に至るまで多 大なご協力、ご尽力を賜った多くの関係者の方々 に厚く御礼申し上げます。私を初め本学の教職員 にとっても、本日を迎えることができたことは大 きな喜びです。平成十六年四月には国立大学の法 人化が予定されており、今後は競争の時代が到来 します。九州大学も教官一人一人が創造的研究を 進展させ、真に世界の一流と自他共に認める個性 溢れる大学となることを目指します。新キャンパ スはその実現に不可欠です。九州大学学術研究都 市構想の推進を含めて、皆様の一層のご理解とご 協力をお願いいたします。」と述べました。

 この後、萩原久和文部科学省文教施設部長(高 久晴技術参事官代読)、山崎広太郎福岡市長によ る来賓祝辞に続き、工事の安全を祈願して関係者 による「鍬入れ」が行われました。

 起工式の後、箱崎キャンパスに会場を移して催 された祝賀会では、麻生渡福岡県知事が「これか らの知識社会のリーダーとなるべき九州大学に、 我々は夢を託している。」と挨拶し、橋田紘一九 州電力常務の音頭で乾杯して、建物建設着工を祝 いました。

 今回着工されたのは、工学研究院機械航空系部 門群及び物質科学系部門群が入る、工学系研究教 育棟U・Vと呼ばれる地上九階の建物(約四万五 千u)で、二〇〇五年三月竣工、二〇〇五年後期 に開校予定です。今後、建物建設と他の工区の造 成が並行して行われ、二〇一四(平成二十六)年 度の移転完了を目指しています。

「九州大学学術研究都市推進協議会」 構想促進東京会議とシンポジウム開催

 @東京会議 平成十三年六月に策定された「九州 大学学術研究都市構想」を具体的に促 進するために、各界で活躍する首都圏 在住のオピニオン・リーダーから意見 を伺うことを目的に、二十八名の委員 からなる「九州大学学術研究都市構想 促進東京会議」が設けられました。一 月二十九日(水)には、東京都内のホ テルでその設立総会が開催され、古川 貞二郎内閣官房副長官をはじめとする 委員十七名が出席しました。

 まず主催者を代表して、九州大学学 術研究都市推進機構準備会議理事長で ある鎌田迪貞・九州電力且ミ長が、「関 連企業誘致やベンチャー育成など、学 術研究都市の整備にご支援をいただく ために設立したい。」と東京会議設立の 主旨を述べ、前田勝之助・東レ渇長を 本会議会長に、石黒正大・東京ガス鰹 務と桑原洋・鞄立製作所副会長を本会 議副会長に選任しました。前田会長は、 「産学官連携を強くうたった九州大学学 術研究都市構想はユニークであり、知 的クラスターづくりにむけて、皆さん のご意見をいただき、知恵を集めて進 めたい。」と抱負を述べました

 Aシンポジウム 平成十五年一月二十九日(水)には、都 内の千代田放送会館において、「二十一 世紀の産学連携・学術研究都市に求め られるもの」を主題に「九州大学学術 研究都市推進協議会」主催のシンポジ ウムが開催されました。

 「日本の学術研究都市と産学連携」 と題して基調講演を行ったグレン・S・フ クシマ 日本ケイデンス・デザイン・シス テムズ社長は、米国通商代表部、在日 米国商工会議所会頭の経験を持ち、日 本におけるこれまでの大学と産学連携 の抱える様々な課題をふまえ、これか らの産学連携には柔軟性や多様性など が必要であることを示し、「九州の恵ま れた様々な資源を背景とした新しい産 学連携のモデルとしての学研都市づく りに期待したい。」と述べました。

 つづいて催されたパネルディスカッ ションでは、コーディネーターの山本 肇・NHK解説委員、パネラーの荒蒔康 一郎・キリンビール且ミ長、所眞理雄・ ソニー鰹辮ネ常務、高田仁・叶謦[科学 技術インキュベーションセンター前副 社長、美馬のゆり・公立はこだて未来大 学教授、村上敬宜・九州大学工学研究院 長から、「アジアに近いという特性を生 かしたチャレンジ精神旺盛な九州大学 の姿勢を応援したい。」「意識改革を進 めて大学と地域の距離感をさらに短く し、スピード感のある実行を期待したい。 」などの意見がだされました。

 最後に、梶山千里総長が挨拶に立ち、 「シンポジウムでいただいた意見をもと に、大学人の意識革命を促しながら一 層の発展を目指したい。」と強調しまし た。シンポジウム終了後に開かれた交 流会には、山崎広太郎・福岡市長をはじ め多くの経財界、政界の関係者が参加 し、九州大学学術研究都市づくりにつ いて意見を交換しました

 なお、シンポジウムの模様は、NHK 「BSフォーラム」などで放送されました。 (坂井猛・助教授・新キャンパス計画推進室)

九州大学の改革を審議する 外部評価委員会 開催

委員の方々からは熱いご意見が相次いだ

 本学の教育研究や管理運営などについて、学外の 有識者の方々から評価及び意見をいただくために設置 された「九州大学外部評価委員会」が、1月30日(木)、 創立50周年記念講堂大会議室において、開催されまし た。

 今回の会議では、平成12年3月開催の第1回委員会 における評価及び意見に基づく、本学の改革と具体的 取組みについて審議が行われ、「国際交流推進活動」、 「学府・研究院制度の展開」、「21世紀プログラム課程 教育の状況」、「社会連携推進活動」などを中心に活発 な意見交換が行われました。

 講評においては、「アジアの拠点大学へ着実な進展 を図っていただきたい。」「学府・研究院制度の課題へ の対応について、学府の教育評価活動などにより、そ の検討を進めていただきたい。」「21世紀プログラムの 成果と課題を検証し、今後の学部教育のあり方につい て検討を進めていただきたい。」「新キャンパスへの統 合移転を改革の絶好の機会として捉え、改革を取り進 めていただきたい。」など、九州芸術工科大学との統 合、法人化、新キャンパスへの統合移転を進める重要 な時期に、示唆に富む貴重なご意見をいただきました。

外部評価委員会委員は次の方々です。
(任期 H13.4.1〜H15.3.31)

氏 名現 職
田中 郁三
(委員長)
(学)根津育英会理事長
武蔵学園長
天野 郁夫国立学校財務センター研究部長
井村 裕夫総合科学技術会議議員
植木 とみ子(財)福岡市文化芸術振興財団副理事長
倉地 幸徳産業技術総合研究所
年齢軸生命工学研究センター長
慶伊 富長北陸先端科学技術大学院大学名誉教授
東京工業大学名誉教授
作田 守大阪大学名誉教授
玉川 孝道西日本新聞社常務取締役営業本部長
冨浦 梓(株)日鉄技術情報センター特別顧問
西澤 潤一岩手県立大学学長
福岡 道生(社)日本経済団体連合会参与
ホセ・デルコスラ・サール高等学校、ラ・サール中学校校長
森  正夫愛知県立大学学長

附属図書館講演会 「大学図書館の今とこれから」

講演する慶應義塾大学三田メディアセンターの加藤好郎事務局長

 九州大学附属図書館では、平成十四年度図 書館職員研修の一環として、一月二十八日 (火)、同図書館視聴覚ホールにおいて講演会 を開催しました。

 講演会は、同図書館及び福岡県・佐賀県大 学図書館協議会加盟館の国公私立大学の図書 系職員・教官合わせて六十余名が参加しまし た。有川館長の挨拶及び講師紹介の後、慶應 義塾大学三田メディアセンターの加藤好郎事 務長による「私立大学図書館の経営戦略:図 書館員(専門職)の育成計画」と題する講演 並びに本館研究開発室の喜田拓也講師、シス テム情報科学研究院の藤崎清孝助教授及び九 州情報大学の南俊朗教授の三氏による「RFID による図書館運用│図書館の電子化・自動化 に向けて│」と題する講演がありました。講 演後は、活発な質疑応答があり、参加者にと って非常に有意義な研修の機会となりました。

運営諮問会議 開催される

 二月三日(月)本年度第二回目の運営諮問会議 が、事務局において開催されました。

 会議では、梶山総長が九州大学の教育研究全般についての総括的な説明を行ったのち、今回の諮 問事項「九州大学における『法人化に伴う中期目 標・中期計画』について、現在学内で検討してい る「中期目標・中期計画(第二次案)」を資料と して諮問を行い、委員の方々から貴重なご意見を いただきました。

 いただいた意見の多くは、国立大学の法人化が 予定されている状況の中で、九州大学が他大学と いかに競い、いかにして教育研究成果を上げてい くかに関した内容が多く、具体的には、「法人化 に当たっては、外部からの人材を積極的に登用す るべき」といった意見や「『中期目標・中期計画』 の中には、既に取り組んでいる事項を記載してい るだけで、六年後の姿が見えないものもある」、 「目標の達成のためには、優先順位をつけ具体化 していく必要がある」などの意見がありました。

 営諮問会議での意見は、後日、運営諮問会議 委員長から総長あてに、「まとめ」として提出さ れますが、この「まとめ」はホームページで学内 向けに公開される予定です。

 なお、運営諮問会議の委員は次の方々です。

●委員長
倉地 幸徳

独立行政法人産業技術総合研究所
年齢軸生命工学研究センター長

●副委員長
讃井 浩平 上智大学教授
麻生  渡 福岡県知事
大野  茂 九州・山口経済連合会会長
坂本 雅子 福岡市助役
玉川 孝道 西日本新聞社常務取締役営業本部長
野口 郁子 福岡市女性センターアミカス館長
早川 信夫 日本放送協会解説委員
増本  健 財団法人電気磁気材料研究所長
松尾 正人 日本ゼオン株式会社顧問
渡邉 定夫 工学院大学教授
(五十音順)(麻生委員、大野委員は所用により欠席されました。)

附属図書館筑紫分館に 「ICタグシステム」を導入

テープカットする(左から)根本筑紫分館長、有川館長、筒井総合理工学研究院長

 附属図書館筑紫分館では、このほどRFID技術 を利用したICタグによる蔵書管理システムの運用 を開始し、平成十五年二月四日(火)にICタグシ ステムの披露式を行いました。披露式は、有川附属 図書館長、筒井大学院総合理工学研究院長、根本筑 紫分館長のテープカットで始まり、有川館長挨拶の 後、研究開発室の喜田講師がシステムの説明を行い ました。

 このシステムは、窓口サービスの効率化と蔵書管 理の省力化などを目的として、九州大学附属図書館、 (株)チェックポイントシステムジャパン及び三菱マ テリアル(株)の三者が共同で研究開発したもので、 我が国の大学図書館では初めて実用化されるもので す。RFID(Radio Frequency Identification) とは、 カード状又は棒状・ボタン状のタグ(荷札)に電波を 用いてデータの記録・読み出しを行い、タグに接触 することなく(非接触で)記録された情報の認識を 行う技術のことです。メモリ機能を持ち、非接触で 情報のやり取りが可能なICタグ(RFID)システ ムの利便性は、図書館における新しいサービスの可 能性をもたらすものです。

「いも九」を知っていますか?

 九州大学出身の森恍次郎さんと森純子さんが社長、副社長を務める「五十二萬石如水庵」が、九州大学応援菓「いも九」を製造販売し、その売り上げの一%を、「九州大学学術研究・教育奨励助成金」として学生の課外活動費などにご寄附いただいていることは、「九大広報」第二十四号のインタビュー「九大人」でもお伝えしました。今回、六回目となる寄付がなされ、その総額は累計で一、〇九一、七五六円 に上っています。

 「いも九」は、素朴でほのかに甘いスイートポテト・パイ。生協と「五十二萬石如水庵」直営店で、一個九十円で販売しています。どう ぞヨロシク。


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