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 昨年の11月9日、日中国交回復30周年の記念イベン トとして福岡市主催の第1回大学生中国語弁論大会は 博多リバレイン・あじびホールで開催された。同大 会には福岡都市圏の大学、短大から18名の学生が参 加した。九州大学からは6名(文学部2年1名、法学部 3、2年各2名、教育学部2年1名、農学部2年2名)の学 生が出場した。法学部2年の中森美奈(演説のテーマ 「わたしの描いた水墨画」)は大会優秀賞のトロフィー と副賞を手にした。入賞者3名の中で唯一留学経験の ない人である。今回の出場はトップ賞には手が届か なかったものの、演説の内容が高く評価されたこと が印象的だった。

(大学教育研究センター助教授 武 継平)

中国語大好き

法学部2年 中森 美奈

 今現在、勉強中の身なので、中国語をどのように 学んだらよいか模索中です。考えてみると第二外国 語を選択した時点で中国語に対する興味は非常に高 かったと思います。私には三つ上の姉がいるのです が、姉が大学で中国語を熱心に勉強していたので、 家で中国語に接する機会が多かったと思います。今 までやってきたことを振り返ってみると、授業を受 ける際に、必ず予習をしていました。中国語には日 本語にない発音や四声があるのでCDを何度も聞いて 基礎を叩き込みました。教科書を暗記するくらいに 読んで中国語の独特の雰囲気を体で受け入れるよう にしました。授業では、ネイティヴの先生方に教え ていただけるので、この時間を無駄にしたくないと 思っています。大学では、自分のやりたいことを自 由にできる環境にあります。一生懸命取り組めば、 先生方は色々と手助けして下さるし、より専門的な 指導を仰ぐことができます。私の場合は中国への留 学経験もなければ、旅行の経験もありません。中国 の話を聞くこともほとんどない状況なのです。それ だけに毎回の授業は生の中国語に触れる貴重な時間 だったのです。ですから、今回福岡市主催の中国語 弁論大会で賞を戴くことができたのも熱心に指導し てくださった先生のおかげなのです。

 授業の大切さというのは、今も変わりません。現 在受けている言語文化研究院箱崎分室での授業は、 レベルの高いものですが、話すこと中心なので度胸 がつきますし、周りの方からの刺激もあって学習意 欲は高まります。「ありきたりなことじゃないか」と 思われるかたも多いと思いますが、私のしてきたこ と、また、していることは基本的なことなのです。

 実際にはいいことばかりではありませんでした。 本格的に勉強を進めていくことに抵抗や重圧を感じ たり、迷ったりした時期もありました。しかし、弁 論大会出場を機に、楽しく気楽に勉強を進めていけ るようになったのです。

 今自宅ではNHKラジオ講座を聞いて奮闘中です。 ラジオを聞くようになったのは、授業での会話に参 加して、将来中国に足を運ぶための土台にしたいか らなのです。やはり、自分の言いたいことを伝えら れないというもどかしさは言葉では言い表せないも のですから。今の私に言えることは、まずは興味を 持つことから始まり、多くの人との出会いを通して 楽しく勉強していくことが大切だということです。 そして、これが私の変わらないモットーなのです。

「わたしの描いた水墨画」をテーマに語る中森さん

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