![]() 防火・避難訓練、もちつき交流といけばな体験 Kyushu University International Houseで夢を語ろう 留学生センター教授・国際交流会館留学生主事 森山 日出夫
閑古鳥が鳴いていた開館当時に比べると、近辺には世界の著 名な建築家のコンペによる建物が立ち並び、大型商業施設も開 店して非常に便利になっている。外国人租界にならぬように、 地域に開かれた国際交流会館≠目指しており、新入生歓迎 会の他、昨年第十回を実施した会館祭り≠ナは居ながらにし て世界の食文化を味わう機会を提供している。歌や踊りを含め た交流は地域の名物ともなっている。 50カ国におよぶ留学生が住んでいると、祝日もさまざまであ る。旧暦でお正月を祝うものも多く、10年程前からそれに合わ せてもちつきを中心にした交流を行っている。今年は防火・避 難訓練の日に合わせて1月24日(土)に交流会を実施した。例年に ない寒波の中、東消防署香椎出張所の協力を得て、避難用ハッ チや緩降機を使った通報・避難訓練と消火訓練が70余名の参加 者で行われた。オリエンテーション時にそれがあることを聞い ても、実際に試してみることの少ない器具の取り扱いに戸惑う 姿に激励の声が上がった。 もちつきが始まるころになると、会館サポーターのほか、20 人ほどの会館応援団、中国帰国者、小・中学生が参集、家族を 含めて総数は200名を超えた。当日の朝、愛咲美保育園で炊いて もらったタイ米などに、マレーシア、インドネシア、カンボジア、 バングラデシュ、スリランカ、パキスタンのカレー(豆、牛肉、 鶏肉)を、少量づつかけ、その多様性を味わった。あまりの辛さ に音を上げる小学生を尻目に、「日ごろはもっと辛いものを作り ますが、今日は遠慮しました」と解説する留学生、今年も参加 してくれた中国帰国者の方々から本場の手作り水餃子の差し入 れもあり、テーブルごとに話の花が開いた。 2月1日(日)には、九州大学留学生会がいけばなインターナシ ョナルの協力を得て、草月流生け花のワークショップを開催し た。「盛花」と「投げ入れ」のデモンストレーションと英訳付の 解説に、写真をとり、丹念にメモを取る留学生が多く見られた。 午後の実技では、先生方の助言で、それぞれ初めてとは思えな いほどの出来映えであった。 会館に接する桑畑には、桑の実摘みや芋掘りに保育園児や小 学生が昔を懐かしむ地域の人たちと訪れる。会館では毎週行わ れている茶道のお稽古の他、着物の着付け、折り紙、人形つく り、ミシンクラブなど、さまざまな活動を通して、日本文化を 楽しみ、公民館を借りた料理教室など、留学生支援の輪を広げ る企画がボランティアの参加を待っている。 3月には留学生支援バザーの品物集めが行われる。ともに汗を かいて、夢を一緒に語りませんか? (もりやま ひでお/留学生問題)
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