韓国江原大学校と九州大学硬式庭球部とのテニス交流

医学研究院 教授(硬式庭球部顧問) 濱崎 直孝

留学生の発案で始まったテニス交流

江原大学校チームの帰国風景
(第3回定期戦)
第3回対抗戦の終了
翌日のエキジビション
交流風景
交流風景
 平成十四年度から韓国の江原大学校(Kangwon University)と九州大学との間でテニス交流が始まっていますので紹介いたします。

 きっかけは、韓国江原大学校から九州大学工学府博士課程に留学していたByeong-Heon Jeongさんが、当時の九大硬式庭球部キャプテン福永君に申し入れ、第一回目の交流試合がGoodwill Tennis Match:Kangwon University and Kyushu Universityと称して平成十五年二月十五日、十六日の二日間にわたり、箱崎の九大硬式庭球部テニスコートで行われました。この時、江原大学校からは江原大学校テニス部顧問教授Professor Sang-Hee Leeをはじめとして、テニス部員十名が来学し交流試合が行われました。その後、平成十五年八月に第二回目が行われました。その結果は、既に、九州大学硬式庭球部・九州大学ローンテクスクラブの機関誌「にわだま」三十号、三十一号に報告されています。

九大とつながり深い総合大学

 江原大学校について、私が知りえた範囲でご紹介します。

 韓国には十一の研究教育拠点大学があり、江原大学校はその一つです。正式な名称はKangwon National Universityといいます。一九四七年六月十四日に江原道立春川農業大学として設立され、一九五二年には春川農科大学と名称を変え、その後、農学部以外の学部を設置して、一九七〇年に江原大学校となり、韓国有数の研究教育拠点総合大学として今日に至っています。現在は、一般大学院として修士課程七十六学科、博士課程五十六学科、特殊大学院として教育大学院、経営行政大学院、産業大学院、情報科学大学院、法学専門大学院があり、日本でいう学部に相当する単科大学が、経営大学、工科大学、農業生命科学大学、動物資源科学大学、法科大学、師範大学、社会科学大学、山林科学大学、薬学大学、芸術大学、医科大学、人文大学、自然科学大学、バイオ産業工学大学、体育大学とあり、まさに、総合大学です。教授は六一七名、教官総数が一五〇四名、大学院生まで入れた在学学生数が一七三三九名です。ちなみに、九州大学は(平成十六年五月一日現在)、教授は七二五名、教員総数が二三一一名、大学院生まで入れた在学学生数が一八〇二一名ですから、ちょうど、規模的には、お互いに非常に似通った規模の大学です。

 一九四七年に江原道立春川農業大学として創立された時から、九州大学農学部とは非常に深い関係があり、江原大学校を訪問した時にわかったことですが、江原大学校農学部の教授など教官の方には、九州大学農学部で博士号を取得された先生方がかなりおられまして、九州大学農学部同窓会ができていました。

深まる日韓学生交流

 テニス部顧問教授のProfessor Leeは工科大学の教授です。先生は韓国と日本との交流には、いろんな機会を利用して若者達の交流が非常に大切であると考えておられまして、両校のこのテニス交流を定期的なものにしようと熱心に私に説かれました。そこで、平成十五年四月二十九日に開催された九州大学ローンテニスクラブ総会で交流の経緯、趣旨などを説明し、畑瀬会長をはじめとして皆様の御賛同を得ましたので、両校テニス部の定期交流会として行うことになりました。平成十五年八月十八日から二十二日まで九州大学硬式庭球部が江原大学校を春川に訪問し、第二回目の対抗戦を、また、この夏休み(平成十六年八月二十四日〜二十八日)には第三回の対抗戦を行っております。

 今回は、Professor Lee顧問教授に加えて、Professor Song (Animal Agriculture), Professor Lee (Statistics),Professor Nam (Medical)の四教授が付き添いで、男子学生十名、女子学生五名の総勢十九名の来学でした。今回は、一行到着直後の二十四日に小寺山副学長と江頭農学研究院長がKangwon University四教授の表敬訪問を受けて頂きましたので、このような活動を九州大学としても評価をして頂いたと考えております。

 江原大学校は、いま話題の「冬のソナタ」の舞台である春川の郊外に、美しい大学キャンパスをもつ、素晴らしい大学でした。我々の滞在を聞き付けられた江原大学校にある”九州大学農学部同窓会“の先生方が我々を一夜御招待してくださり温かい歓迎の席を設けていただきました。江原大学校の先生方と日本語で交流できるとは思いも掛けない楽しい出来事でした。

両校の交流を報じている
韓国の「Tennis」マガジン
 さらに驚くことが後日談としてありました。江原大学校と九州大学のテニス交流は韓国テニス会ではちょっとした話題であったらしく、韓国で最も普及しているテニスマガジン「Tennis」に両校のテニス交流が、二〇〇三年四月号一二四頁に写真入りで紹介され、九州大学テニスコートで両校部員が勢揃いしている写真などが掲載されました。近くて遠い両国の交流がこのような形で発足したことは、Professor Leeの熱意のお蔭であり、Professor Leeの願いを受けて、両校間の交流が将来的には大きく花開くことを祈っております。

(はまさき なおたか 生化学・臨床検査医学)

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