キャリア援センターオープン

 文部科学省が平成十八年度から実施している「科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業」に採択されたことを受けて「キャリア支援センター(QCAP)」が、平成十八年七月二十七日(木)、箱崎地区の工学部本館にオープンしました。

 同日は、開所式に引き続き、梶山千里総長及び文部科学省科学技術・学術政策局基盤政策課錦泰司氏によって、センター看板の除幕が行われた後、オープニングセレモニーが工学部本館大講義室で行われました。

 オープニングセレモニーでは、梶山総長の挨拶に続いて、錦泰司氏の来賓挨拶、知財本部古川勝彦教授の事業説明の後、新日鉄ソリューションズ活チ原昇社会・科学ソリューション事業部長、柳謙一客員教授、麻生教育サービス褐テ野金廣社長、潟Vュタインバイス・ジャパン小堀幸彦社長及び山田耕路センター長によって、パネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッションで活発な質疑応答するパネラー左から古川教授、山田センター長、小堀社長、古野社長、柳客員教授、庵原事業部長


センター看板の序幕をする文部科学省錦氏(左)と梶山総長(右)


青沼茜雲氏伊都キャンパスに画を寄贈

 福岡県久留米市在住の洋画家、青沼茜雲(あおぬませいうん)氏が、『伊都に陽昇る』と『伊都連想』、ともにM一〇〇号(九〇p×一八〇p)の絵画二点を伊都キャンパスに寄贈されました。

 「十八年前に航空工学科の建物の絵を描かせていただいたときの、皆さんの感謝の気持ちがうれしかった。九州大学が伊都に新しいキャンパスを造ろうとしておられるのを聞き、ご恩返しの意味で、伊都キャンパスの発展や情報発信、ここを巣立った人材が世界にはばたくことなどを祈って描きました。」(青沼氏談)

 九州大学は、今回の寄贈に対して青沼氏に感謝状を贈呈しました。

 寄贈を受けた『伊都に陽昇る』はウエスト四号館四階の第一会議室に、『伊都連想』は理系図書館一階にかけられています。



一万四千人の高校生が

 平成十八年八月三日(木)・四日(金)の二日間にわたって開催した九州大学大学説明会(オープンキャンパス)に、約一万四千人の高校生等が参加しました。

 初日は、箱崎キャンパスで文系学部と二十一世紀プログラムを中心に開催され、各学部等で模擬授業や研究室訪問、教員や先輩との対話、質問コーナーなどがあり、キャンパスを訪れた高校生等は志望する学部の説明に熱心に耳を傾けていました。

 二日目は、理工系と医系の学部及び二十一世紀プログラムを中心に箱崎、病院、大橋の各キャンパスに加え、十七年十月一日に誕生した伊都新キャンパスでも初めて開催されました。伊都新キャンパス見学会への参加を希望した高校生等は、箱崎キャンパスからバス七台に分乗して出発。到着後は、その広大さと新しい建物などに圧倒されている様子でした。

 その後、ウエスト四号館で行われた機械航空工学科の研究室公開では、学生によるヒューマノイド型のロボットやエコカーの紹介、パソコンによるバーチャルエンジニアリングなどを体験していました。



九大に眠る「お」調査中

 人文科学研究院の後小路教授と芸術学研究室の学生たちによって、九州大学がこれまで収集・保管・展示してきた美術品を調査し、コレクションの全体像を把握するプロジェクトが進んでいます。

 平成十八年八月初旬には事務局の貴賓室や第一会議室にかかる歴代総長の肖像画の調査が行われ、壁から下ろし、額から絵を取り出し、額を掃除し描かれた文字を読みとり、最後に絵を撮影するという一連の作業が行われました。

 後小路教授は、「一通り見て作品の状態を調査し、データベースを作成して、これまでの歴史を通じてお世話になってきた箱崎の方々を中心に、鑑賞ツアーも計画したい」「相当な数で、神経を使う仕事ですが、岡田三郎助や中村琢二など著名画家の作品も多くあり、発見の楽しみもあります」と話しています。

 このプロジェクトは『大学とアート―「公共性」の視点から』をテーマに、九州大学が学内の教育研究や研究拠点形成プロジェクトを独自に支援する「P&P」事業に採択され、平成十八―十九年度の二年間研究経費が支給されます。



巌佐庸教授(理)メリカ芸術科学アカデミーの外国人名誉会員に

 理学研究院の巌佐庸教授がアメリカ芸術科学アカデミー(TheAmerican Academy of Arts Sciences)の外国人名誉会員に選出されました。アメリカ芸術科学アカデミーは一七八六年に創設され、その会員となることは、その時代の最高の影響力の象徴としてアメリカでは最高の栄誉とも言われています。今回、学術及び芸術分野、官民の各機関で活躍する一七五人が会員として、また、二十人が外国人名誉会員として選出されました。

 巌佐庸教授は数理生物学を専門とし、工学・経済学で発展してきた最適制御理論やゲーム理論などにもとづいて生命現象の解析を行なってきました。近年は、森林の動態、野外生物の絶滅リスク、人間の協力行動などの生態学的話題から、発生過程における生物のパターン形成、ゲノム刷込みの進化、ガン細胞の動態などの分子生物学的話題に至るまで、幅広く先端的な研究をすすめています。

 今回選出された会員の中には米国大統領を務めたGeorge H.W.Bush氏、William Jefferson Clinton氏などもおられ、これまで外国人名誉会員に選出された日本人には、有馬朗人氏(元東京大学総長)、野依良治氏(理化学研究所理事長)などがおられます。

 今回、同じく外国人名誉会員に選出された国立遺伝学研究所の五條堀孝教授は九州大学のOB(昭和五四年九州大学大学院理学研究科博士課程理学博士取得)で、九州大学二十一世紀COE「統合生命科学」において国内有識者委員を務めておられます。



内野健一名誉教授(工)に閣総理大臣表彰

 内野健一名誉教授が、平成十八年七月三日、平成十八年安全功労者内閣総理大臣表彰を受けました。

 安全功労者内閣総理大臣表彰は、国民の日常生活の安全を脅かす産業災害、交通事故、火災等の災害発生防止に功績のあった方を表彰するもので、毎年七月の「国民安全の日」に表彰式が行われています。今回、交通安全、学校安全、産業安全、火災予防、原子力安全、山岳安全の各分野で二十五の個人・団体が表彰を受けました。

 内野名誉教授は、中央鉱山保安協議会委員等を歴任し、鉱山保安技術の専門的知見に基づき、鉱山保安の確保、保安技術の普及や保安教育の推進に中心的役割を果たし、日本の鉱山保安の向上に多大な貢献をしたことが評価されました。

内野名誉教授氏(左)と梶山総長(右)


日本e-Learning大賞受賞医学部健学科看護学専攻

 e-Learning WORLD 2006において、本学医学部保健学科看護学専攻基礎看護学講座が日本e-Learning大賞文部科学大臣賞を受賞しました(http://www.elc.or.jp/forum/Conference_2006_summer_pr.htm)。

 この賞は、新しい学習の可能性・学力向上に役立つさまざまなコンテンツ・サービス、ならびにソリューションに関する成果をあげた学校や個人に与えられるものです。第3回目となる平成18年度は全国の企業や教育機関などから58の応募があり、書類審査やデモンストレーションなど3回の審査過程を経て決定されました。受賞の理由は、長年の教育経験を通したシナリオパターンの準備があること、臨場感ある現場の映像をベースに教育効果の高いコンテンツが開発されていることなどであり、教材の開発過程とシナリオやコンテンツが新しい学習の可能性・学力向上に役立つものとして高い評価を得ました(http://www.elw.jp/award.html)。

 受賞となったe-Learning教材は、医学部保健学科の教育の情報化に対する取り組みの一つとして、看護実践能力の基盤となる看護技術の効果的な学習に向けて作成されました。自主作成による本教材には、「間違い探し」と「お手本型」の二つのタイプがあり、ビデオオンデマンドやWebの情報通信技術を利用しています。これらは、効率性の高い学習環境を看護学生に提供するとともに、講義と演習あるいは自主学習用の教材として、学習の動機付けや習得された知識の確認に活用されています。



ジャワ島中部地震急災害調査報告会を開催

 平成十八年五月二十七日(土)早朝、インドネシア・ジャワ島中部でM六・三の地震が発生し、ジョグジャカルタ市周辺地域で多数の負傷者や家屋の倒壊など甚大な被害が発生しました。

 九州大学は、今回地震が発生したジョグジャカルタ市のガジャマダ大学内に昨年よりブランチオフィスを開設し、本年五月には同大学にて「九州大学インドネシア同窓会」の発会式も実施しました。

 当地のガジャマダ大学は、被災民の救援に多くの学生を派遣するばかりでなく、建築学や地質工学などの各専門家グループが初動調査を実施しましたが、地震調査の経験がないため九州大学に支援を要請してきました。これらに答え、九州大学から六月六日ー十一日と六月二十日ー二十六日の二度にわたって調査チームを派遣しました。

 七月十四日(金)には、現地の様子を報告し、緊急災害調査結果を速報的に関係者と市民の皆様にお伝えする内容で報告会が開催されました。



ジャワ島中部地震被災者へ援金を贈呈

 平成十八年七月十八日(火)、インドネシア・ジャワ島中部地震により被災した方への義援金の贈呈が九州大学事務局で行われました。

 義援金は、被災者への援助・復興支援を目的として学内に呼びかけたところ、教職員及び学生から百二十四万五千円が寄せられ、在日インドネシア留学生協会を通じて、在インドネシア九州大学同窓会へ贈呈されました。

インドネシア人留学生と柳原理事(右から3人目)


東京窓会平成18年ビアパーティ
―200余名の全学同窓が大ホールに集う―

 平成十八年の東京同窓会ビアパーティは当初出席予定者が二百十五名、当日申し込み十四名、(内、法七十四、経三十三、文二、理九、工三十八、農四十六、医五、歯三、薬十六、二十一C三名)来賓を加えて二百三十八名となり、東京での同窓会夏の行事として大分定着してきたようです(昨年のビアパーティも出席予定は二百程でしたが、台風直撃で百四十名の出席となりました)。

 八月二十四日(木)当日は、来賓九名を含めて二百十名が集い、東京での同窓会各種会合の新記録となりました(九十四パーセントの出席率でした)。飲み物はアサヒビール、紅乙女から相当のご寄贈があり、九州大学同窓会連合会からも「Qビール」(新キャンパス記念の九大地ビール)を頂き、いわば「飲み放題パーティ」の感がありました。ご寄贈のお陰で五千円会費でも程ほどの料理を用意する事ができました。

 全学の集いも回を重ね、各学部にまたがる新しい知人も増え、また久しぶりに先輩に会えたり、日頃会えない人と歓談出来たり等など、満員の会場では和やかで楽しく、充実した交流が続きました。東京同窓会も軌道に乗ってきた感じです。

 九州大学の特色である「二十一世紀プログラム課程」も卒業生を出すようになり、今回平成十八年卒三名が参加し、スピーチなど大変刺激的で存在感がアッピールされました。

 大学からは梶山総長はじめ柴田理事・副学長、早田理事・事務局長、松本総務部長、塩田総務課長、鈴木・田渕・西山担当職員にご参加いただきました。このような事業が同窓と大学の発展のための大きいエネルギー源の一つとなっていくことと思います。

 大学から「九州大学―二〇〇七大学案内(Campus Guide)」「九大広報四十六号」が全員に配布され、高岩東映相談役からは「ペルシャ文明展」招待券四十枚をプレゼントしていただきました。

 大学グッズの販売コーナーでは九州大学応援菓「いも九」、九大大学ノートが完売し、ネクタイや漫画家の長谷川法世デザインの扇子がよく売れていました。

◎若い方からの感想を補足します

諸分野で活躍されている先輩方のお話を聞くことが出来、とても有意義でした。(H14・修)

たくさんの方とお話ししたり刺激を受けたり、とても楽しく且つ有意義な時間を過ごすことが出来ました。(H14・修)

多くの先輩方とお話が出来、よい機会でした。会の雰囲気も非常にあたたかく、次回も是非参加したい。(H・18)

非常に楽しく有意義でした。(H・18)

九州大学東京同窓会事務局長 田坂和義

昭和36年卒業生グループのリードで「ああ玄海」「松原に」の大合唱が始まりました。


ユーザーサイエンス機構第三回公シンポジウムを開催

 平成十八年九月二十九日(金)、九州大学西新プラザにおいて第三回九州大学USI公開シンポジウムが開催されました。今回は「ユーザーのための感性を活かしたデザインのあり方」をメインテーマに掲げており、心理やデザイン、医療などの学生や大学関係者、デザイン関係者など約百三十名の参加がありました。

 安河内朗九大USI副機構長・九州大学大学院芸術工学研究院長の開会挨拶と機構の活動報告に始まり、川崎和男大阪大学大学院教授・デザインディレクターによる「ユーザーのためのプログレッシブ・インクルーシブデザイン」と題した基調講演が行われました。講演後の質疑応答では予定の時間を超過するほど、会場は熱気に包まれていました。

 さらに「ユーザーのための感性を活かしたデザインのあり方」と題したパネルディスカッションでは、三浦佳世九州大学大学院人間環境学研究院教授のコーディネートのもと、山中敏正筑波大学大学院人間総合科学研究科教授、木下武志山口大学大学院理工学研究科講師、平井康之九州大学大学院芸術工学研究院助教授が参加し、各パネリストが考える「感性」やこれからのデザインの役割や方向性のあるべき姿について、活発な議論が展開されました。

 今回のシンポジウムでは、九大USIと同じく「感性」をテーマに研究をおこなっている他大学の研究者との情報交流が実現し、この新しい研究領域に貴重なネットワークの基盤をつくることができました。



「九州大学法被(はっぴ)」ーストラリアで大活躍

 昨年の平成十七年十月一日に九州大学伊都キャンパスが開校しましたが、その誕生を記念して、九州大学はもとより九州大学学術研究都市推進機構、周辺自治体が連携して「九州大学伊都キャンパス誕生年二〇〇五」と銘打った様々な記念イベントを開催しました。その一連のイベントで参加者全員が着ていたのが「九州大学法被」です。この法被が意外なところで再び注目を集めました。

 場所はオーストラリア・メルボルンのWARRANWOOD小学校。七月二十五日に行われた和太鼓コンサートで、小学生チーム「Warrior Daiko」のメンバー全員が「九州大学法被」を着て演奏したところ大好評。日本文化の和太鼓と九州大学の法被、そしてもちろん溌剌でエネルギッシュな小学生の演奏に、父兄や地元の方たちは大変喜んでいました。

〈経緯〉

 福岡市内を中心に和太鼓の演奏活動を行っている博多つや太鼓さん(廣瀬みゆき代表)のもとで和太鼓を学んだオーストラリア人のTanya Barlowさんは、日本での留学終了後に母国で小学校の先生となり、子供たちに日本語と和太鼓を教えています。

 ところが、「法被を着てコンサートを開きたいが、オーストラリアでは法被を揃えることができない」と博多つや太鼓さんに相談。それを伝え聞いた九大学研都市推進機構と九州大学が、「伊都キャンパス誕生年二〇〇五」のイベントで使用した法被を提供したものです。

 Tanya Barlowさんは、「素晴らしい日本の文化を母国で紹介できた。九州大学のご協力に心から感謝します」と述べ、小学生たちからの感謝の手紙と写真を送ってくれました。



ようこそ九大へ [表敬訪問]

ソウル大学校前総長

 平成18年9月25日(月)、チョン・ウンチャン ソウル大学校前総長が、講演のため本学を訪れました。

 今回の講演会は、特に、本学の役員・評議員等を対象に「大学経営のあり方」というテーマで開催されたもので、ソウル大学校の総長として在任された4年間の経験を基に講演され、参加した約40名の教職員にとって、大変有意義なものとなりました。

 なお、講演終了後は韓国研究センターを視察されるとともに、チョン前総長の専門である経済学に関して、本学経済学研究院の教員と意見交換を行いました。



フィリピン・ミンダナオ州立大学副学長

 平成18年8月4日(金)、エリン・アニシャ・グロ ミンダナオ州立大学副学長一行が、柳原理事(国際交流・留学生担当)を表敬訪問しました。

 エリン・アニシャ・グロ ミンダナオ州立大学副学長一行は、本学アジア総合政策センター主催の「平和を創る−フィリピンのムスリム女性の視点から」と題するセミナーに出席のため本学を訪れたもので、学生交流の現状及び双方の大学についての概要説明や、表敬訪問終了後に開催されるセミナーに関しての説明等、和やかな雰囲気の中にも活発な意見交換が行われました。


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