マドンナたちのフィリピン展

 福岡アジア美術館アジアギャラリーAにおいて『マドンナたちのフィリピン』展が開催されました。美術館の一角にあるこの展覧会に、実は、私たち九州大学文学部の学生がとても深く関わっていることをご存知の方はどれだけいらっしゃるでしょうか?




研究室にて。先生を囲んで会議。

QAプロジェクト始動!

 私達は文学部、美学美術史研究室の学生です。研究室では、より実践的な知識を身につけるため、実習という授業があります。実習は、古美術班・近現代班という二つのグループに分けられています。二〇〇六年四月、近現代班を指導してくださっている後小路教授が『今年は展覧会を企画しようか』とつぶやきました。記念すべきAQAプロジェクトの第一歩です。



は大荒れ!

 果てない航海へと漕ぎ出した私たちですが、順風満帆だったわけではありません。まずは、展覧会のテーマを決めるのですが、この時期が大変でした。展覧会構成は、その展覧会の成功を左右する重要な骨組みです。お互い、おかしいと思った時は、喧々囂々と意見を戦わせます。時には、メンバーが発表中にくやし涙を流したり、議論が白熱し、研究室で夜を明かし、朝日を拝んだ日もありました。また、会場内での展示・鑑賞教育ツールの考案や、広報も自ら行ったので、締め切り前は、三、四時間睡眠の日が続いたりもしました。しかし、自分達のアイディアが、時間をかけ、より高度なものへと発展していく過程は、その苦労も感じさせない喜びでした。



終地点であり出発地点

 皆の頑張りのおかげで、二〇〇六年十月四日には、無事に展示作業を迎えられました。今まで紙面上でしか考えていなかったものが、次々と眼前に現れ、空間が出来上がっていく。半年かけて育ててきた子供が、やっと一人立ちをするような心情になり、泣けてきました。そして翌日十月五日には、いよいよ展覧会の開会式を迎えたのです。展覧会を作る、という面ではこの日で私達の奮闘は終わりでした。しかし、展覧会が、そしてAQAプロジェクトが動きだし、評価される、という面では、いまだ私達はスタートラインに立っています。AQAプロジェクトはこれからも、続いていきます。これからこの活動が、社会にも広く浸透していきますよう、みなさんもぜひ、私達を温かい目で見守ってください。

(文責:文学部4年 吉岡 千恵)


パネル設置中。全員真剣です。
晴れて迎えた開会式 展示作業。微妙な位置も自分達で調整します。
AQAプロジェクトメンバー

前のページ ページTOPへ 次のページ
インデックスへ