九州大学病院小児医療センター
2006年度グッドデザイン特別
受賞

 平成十八年四月にオープンした「九州大学病院第U期棟の小児医療センター」のサイン計画が、(財)日本産業デザイン振興会の二〇〇六年度グッドデザイン特別賞を受賞しました。

 病院という機能が優先されがちな場所に、徹底して患者さん(子供さん)の立場に立つことによって、あたたかさや、楽しさを持ち込み、壁、サインなどを絵本と結びつけることによって、医師や看護師と子供さんとの新しいコミュニケーションの可能性を切り開いたことが評価されました。

 水田代病院長は、「患者さんに優しい病院、子供さんの負荷を軽減することを課題にデザインしたのがよかった。この受賞を励みに、患者さんに優しい病院を目指して頑張りたい」と喜んでいます。

 今回受賞した小児医療センターのサイン計画は、九州大学芸術工学研究院の佐藤優教授を中心としたユーザーサイエンス機構がプロデュースしたもので「森のお医者さん」というコンセプトで病院と絵本が一体化したような新しい表現を展開し、楽しく親しみやすい中にも確かな信頼を感じさせています。

 グッドデザイン賞は、(財)日本産業デザイン振興会が主催するわが国唯一の総合的デザイン評価・推奨システムとして、国内外から注目を集めており、今回のサイン計画は、「福祉的な視点に配慮し、広範な使用者による使用を可能とした商品及び施設等のうち特に優れている」と認められ、二千九百十八件の応募の中から特別賞として「ユニバーサルデザイン賞(経済産業大臣賞)」に選ばれました。

小児医療センター待合室。左に診察室の入口ドアが並ぶ。


力あるGP」
合同シンポジウム開催

 平成十八年十月三十一日(火)、筑紫キャンパスにおいて「魅力ある大学院教育」イニシアティブ理工農系九州地区合同シンポジウムが開催されました。このシンポジウムは平成十七年度と十八年度に採択された「魅力ある大学院教育」イニシアティブの中で、理工農系プログラムとして採用された九州内の八拠点の関係者が集まり、プログラム紹介や実践報告をして意見交換を行い、各プログラムをより充実させようという趣旨から企画されました。

 シンポジウムでは、寺岡靖剛 総合理工学府長の挨拶に続いて、鈴木優香 文部科学省高等教育局大学振興課大学院係長と山田耕路 九州大学理事の講演があり、その後、各拠点からの報告がありました。本学からは、総合理工学府、理学府、生物資源環境科学府が報告を行いました。

 五十名近い参加者があり、大学院教育を実質化していく中で同様の目的や悩みを持っていることが共感され、今後の実践の参考になったシンポジウムでした。終了後は懇親会が開催され、本音で語る交流が行われました。

熱心に講演を聴く参加者


柳 医学研究院教授へ
第五十回野口英世記念
学賞

 平成十八年十一月二日に医学研究院柳雄介教授が、第五十回野口英世記念医学賞を受賞されました。本賞は野口英世博士の偉業を顕彰して設立された賞で、医学分野における優れた功績に対して贈られます。

 柳教授は麻疹ウイルスの受容体がSLAM(別名:CD150)とよばれる分子であることを明らかにし、麻疹の病態解明のために大きな貢献をしたことが評価されました。

 柳教授による麻疹ウイルス受容体の解明は、麻疹ウイルスの感染や病態の理解を深めるだけでなく、麻疹の診断や治療につながる独創性の高い世界的な研究業績です。



大学院の通教育スタート
古川前内閣官房副長官 「リーダーシップ論」を講義

 九州大学は「人間性」「社会性」「国際性」など社会人としての基礎力養成を目的に、平成十八年度後期から大学院(学府)共通科目を開講しました。

 十一月六日(月)から八日(水)の三日間は、前内閣官房副長官の古川貞二郎氏による集中講義「リーダーシップ論」が開講されました。

 三日間六回にわたる講義のテーマは、「行政官生活を通じて思うこと」「組織の運用と人‐トップダウンとボトムアップ」「内閣総理大臣とリーダーシップ」「国家の役割」「政と官のあり方」「社会の変化と皇室典範問題」など。

 初日の六日は、冒頭に「諸問題を学問的に分析するのではなく、一社会人、一行政官としての私の経験をもとにお話したい」と前置きしての講義を、六十五名の様々な分野の大学院生たちが熱心に聴講し、最後には自然に拍手が起こりました。

(講義後の質疑応答から)

学生:事務次官会議等いろいろな場面で様々な意見や考えをまとめなければならないときに心がけられたことは?

古川氏:二つある。一つは、国家、国民という視点から物事を考える。もう一つは、公平公正を原則とする。自分が楽をしようとか利益を得ようなどと思わない。難しいことだが。

学生:失敗談を。

古川氏:大学卒業時に国家公務員試験を受けて失敗した。もっと早くからしっかり人生を考えて準備しておくべきだった。しかし、翌年厚生省の面接までいって不合格になり、人事の担当者に再検討を直にお願いして内定を貰ったとき、「これで、若いときに働いた人が老後に楽ができる社会実現を目指して働くことができる」と思い、「逃げなければ、道は開ける」と確信した。

学生:これまでで最も難しかった仕事は?

古川氏:昭和天皇が病気で倒れられ、崩御されて大喪の礼へと、昭和から平成に移るこの時期のことが最も大変な唯一無二の経験だった。敬愛する天皇のご回復を心から祈りつつ、一方で、竹下首相や宮内庁長官と万一の場合のことを密かに思案していた。こんなときはもう自分が自分でない。怖いものもない。これが終われば自分はどうなってもいいという気持ちになる。そうでなければ人が付いてこない。

古川貞二郎(ふるかわ ていじろう)氏
 昭和三十三年九州大学法学部卒業。長崎県庁を経て厚生省入省。田中、三木、福田内閣時代に 内 閣参事官(国会担当等)として、中曽根、竹下、宇野内閣時代に首席内閣参事官として、総 理官邸へ入る。厚生事務次官で退官の後、平成七年二月から平成十五年九月まで、官のトップである 内閣官房副長官として村山、橋本、小渕、森、小泉の五つの内閣を支え、その在任期間八年七ヶ月は 歴代内閣官房副長官の最長在任記録となっている。


「ホームカミング in 六本松〜あのの私に会いにきませんか〜」

 平成十八年十二月三日(日)、六本松キャンパスにて、第一回九州大学ホームカミングデイ「ホームカミング in 六本松〜あの頃の私に会いにきませんか〜」を開催しました。

 全国から本イベントに参加いただいた約六百人の卒業生のみなさんは、伊都キャンパスへの移転を二年半後に控えた六本松キャンパスで、それぞれの想いを馳せておられるようでした。

六本松キャンパスに卒業生が集う

 「新キャンパスツアー in 伊都」で、九大の二十一世紀を担う伊都キャンパスを見学した後、「懐かしの学食メニュー食事会&演奏会」で、ピアノの弾き語りでライブ活動をしているふかみあやさん(教育学部卒)や、軽音楽部jazz研究会の演奏とともに、「ジロー風スパゲッティー」「トンカチーフ」といった生協の歴代人気メニューに舌鼓を打っていただきました。

 「九州大学の歩み写真展」では、明治から平成にわたる貴重な写真や、築山節生画伯が約五十年前に描いた水彩画を展示しました。

ふかみあやさんの演奏会 ミルクホールのカレーとコッペパンも復活
九州大学の歩み写真展 新キャンパスツアーin 伊都

 また、歓迎式典では、梶山総長、有川理事、学生が、大学の“今”と“未来”を語り、卒業生を代表して、経営協議会委員 藤井龍子さん(法学部卒)は、九大への期待を述べ、斎藤文男名誉教授は「知る権利」についての特別講義を行いました。

 交流会では、五十二萬石如水庵社長森恍次郎さん(経済学部卒)の音頭で、本学ブランドのお酒Qビールで乾杯、アメフト部チアリーダー「エトワルズ」、少林寺拳法部、マンドリンクラブOBのパフォーマンスを楽しんでいただきました。学生歌「松原に」作詞者、熊本県立大学名誉教授秋山喜文さん(経済学部卒)の誕生秘話の後、応援団の先導のもと、全員で「松原に」を大合唱、ホームカミングデイは盛況の内に幕を閉じました。

 すでに多数の参加者よりご要望をいただいておりますが、ホームカミングデイは、来年も開催いたします。次回も、更に充実したメニューを用意してお待ちしておりますので、是非キャンパスに足をお運び下さい。

(文責:総務部社会連携担当)


ようこそ九大へ [表敬訪問]

マヒドン大学学長

 平成18年10月5日(木)、ポンチャイ・マタンカソンブットマヒドン大学学長が、柳原理事(国際交流・留学生担当)と懇談しました。

 ポンチャイ学長は、日本学術振興会アジア研究教育拠点事業による「アジア血液学セミナー」に出席のため来訪の折、本学を訪れたもので、学術交流及び学生交流の状況、また、本学とマヒドン大学とを拠点機関として実施している血液学に関する研究教育拠点事業について等、幅広く意見交換が行われました。



サハリン国立総合大学副学長

 平成18年11月1日(水)、コルスノフ・ヴィクトル・イヴァノヴィチサハリン国立総合大学副学長が、梶山総長を表敬訪問しました。

 コルスノフ副学長は、学術交流及び学生交流に関する協議のため本学を訪れたもので、交流協定の締結へ向けて、本学並びにサハリン国立総合大学双方の状況説明も含めて、活発な意見交換が行われました。



ガジャマダ大学副学長

 平成18年11月7日(火)、レトノ・スナミニンシー・スデビイヨガジャマダ大学副学長が梶山総長を表敬訪問しました。

 レトノ副学長は、国際協力機構からの受託事業である「インドネシア国ガジャマダ大学産学地連携総合計画プロジェクト」の実施に際し、本学の産学連携の状況等について視察のため本学を訪れたもので、学術交流及び学生交流、また、ガジャマダ大学内に設置した本学ブランチオフィスについて等、今後の交流促進に関する活発な意見交換が行われました。



日中韓学術機関長会議一行

 平成18年11月8日(水)、チェン・イーイゥ中国国家自然科学基金委員会理事長並びにクウォン・オカプ韓国科学財団理事長が、梶山総長を表敬訪問しました。

 今回の訪問は、第4回日中韓学術機関長会議出席の折、本学を訪れたもので、本学の研究状況及び海外との学術交流状況について意見交換が行われました。

 また、表敬訪問終了後は、日本学術振興会が実施している「日中韓フォーサイト事業」に今年度採択された先導物質化学研究所・丸山教授の研究状況についての視察を行いました。


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