『留学で得たもの』 留学で得たものはたくさんありますが、なかでも今の私に最も影響を与えたのは、「貴重な出会い」です。私はフィリピン留学中に、現地で何年も仕事をしている日本人の大学教授、会社員、国際協力関係者、ボランティア職員、主婦、政府関係者、日本語教師、養護施設運営者などに会い、お話を聞く機会に恵まれました。海外で仕事をしているからこそ感じる困難や喜びを生の声で聞き、ときには実際に働く姿を拝見しました。海外で仕事をしてみたいという漠然とした希望を抱いていた自分にとって、彼らとの出会いは自分の具体的な将来像につながるものでした。
『留学を就職に活かす』 この四月から社会人です。「留学と就職活動をどうやって両立させたのか?」とよく尋ねられます。企業訪問などの時期的な出遅れは如何ともしがたいのですが、それでも私は就職活動に留学経験を活かすことで、充分にカバーできたと考えています。 「留学経験を就職活動に活かす」ためには、まず留学に関する様々な出来事に自分がどのように取り組んだかをよく振り返り、まとめることが重要だと思います。特に面接においては「語学力」や「行動力」といった抽象的な表現で終始するのではなく、留学前、留学中の様々な困難や目標に自分が如何に取り組み、その結果として何を得たのかを具体的に語るように心がけるとよいのではないでしょうか。留学期間中は、戸惑いや困難の連続、そしてそれを何とか乗り越えるという時期もあると思いますので、そういう自分の言葉でしか語れない貴重な体験が就職活動では自分の魅力として相手に伝わると思います。 また、留学中に得た自分なりの視点も就職活動に活かせると思います。例えば私は留学期間中に、日本とフィリピンの賃金格差や、フィリピン人の日本への出稼ぎ労働、フィリピンにおける日系企業の進出などについて考えたことがあります。日本からの視点とは異なる視点で物事を考えたことがあるということは、おそらく自分の意見に幅を持たせ、説得力へと結びついていくことでしょう。
『関門だったTOEFL』 苦手だった英語が急に得意科目となったことが強く影響して、「海外に行ってみたい」と強く思い始めたのは高校入学した直後。その強い思いは大学に入っても続き、結果的に念願の留学を果たすことになります。しかし、留学までの道のりは、単純なものではありませんでした。最も辛かったのは留学の条件には程遠かったTOEFLの点数を上げることでした。一時期留学を諦めかけこともあって、TOEFLの準備期間は不十分。時間がないという焦りから、自身に強いプレッシャーを与え、練習問題のテストのスコアは伸びるどころか下がる一方。そのような時、偶々教育学部で受講していた丸野教授による「モチベーション理論」で、自身が達成可能な目標を立て、実践していくことの重要性を学び、地道な学習を経て、条件のスコアをクリアし、第一志望のブリストル大学(英)に留学することが出来ました。 『Put Yourself Out There』 交換留学で最も学んだこと、それは「自分を見つめなおすこと、振り返ること」の大切さです。留学中は、異文化や外国語に常に接触しているため、自分へ問いかける機会が自然と多くなり、試行錯誤しながらも新たなことに挑戦しようとするパワーを養うだけでなく、自己の新たな側面を発見し、自身を磨き上げることができると思います。私は、ブリストル大学でボランティアサークルのプログラムに積極的に参加しました。この経験と併せて、受講した社会学、政治学、そして実験心理学から、人種、階級、人権、そして、心理全般の問題を網羅した学問をしたいと希望するようになりました。その矢先に、英米では、ソーシャルワークが日本の「福祉」の領域を超えたもので、私が希望する学問内容と一致する事を知り、その結果、草の根的な活動が盛んなアメリカのソーシャルワーク関連の大学院に留学することを決意して日本に帰国しました。 現在は、コロンビア大学大学院(米)に留学中で、多忙ではありますが充実した日々を送っています。 最後に、先学期のインターンシップの現場指導官から頂いた大切な言葉を、読者のみなさんに送りたいと思います。 - Put yourself out there, explore new possibilities through new experiences!
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