JR筑肥線九大学研都市駅

伊都キャンパスの
交通対策と住環境整備

新キャンパス計画推進室 助教授 塚原 健一
助手 前田 利家


 伊都キャンパスにおける交通対策は、研究教育環境の整備と併行し、二〇〇一年(平成十三)年より、学内の「交通計画ワーキンググループ」、「福利厚生ワーキンググループ」、「九州大学学術研究都市推進協議会住宅ワーキンググループ」で検討を進めてきました。

 交通計画ワーキンググループでは、「歩行者中心のキャンパス形成」「公共交通の重視」「機能的で環境に配慮した道路システム」「各種交通動線の確保と相互連絡」「段階的整備への対応」を基本概念として、優先的に検討すべき方策をとりまとめ、その検討を行ってきたところです。

 主な課題は、@暫定的な駐車場利用、Aキャンパス周辺の居住地確保、Bバス利便性の向上による自動車以外の交通手段の利便性確保、C自転車ルートの設定と駐輪場の適正配置、D駐車場課金システムの導入、E駐車場別出入り口の設定、F学園バスや歩行者支援施設の導入、の七点です。

 課題@暫定駐車場利用については、工学系の移転人口四千九百人に対して約一〇〇〇台分、バイク置き場約一〇〇〇台分、駐輪場約五〇〇台分が準備されます。

 課題Aキャンパス周辺の居住地確保というのは、移転第一陣の学生のための学生用のアパート・マンションが糸島地域に全くないという状況を改善することでした。キャンパス周辺に学生が居住しない場合、通学が各種交通機関に負荷をかけることになります。「九州大学学術研究都市推進協議会住宅ワーキンググループ」における行政との柔軟な連携のもとで、「福利厚生ワーキンググループ」で実施したアンケートや生協等の独自調査をもとに、周船寺・田尻地区周辺を主として不動産各社が住宅を整備した結果、数の上では需要を満たすことができました。

 課題Bバス利便性の向上による自動車以外の交通手段の利便性確保については、ワーキンググループおよび関係者を中心に精力的な検討、交渉が重ねられた結果、九州大学学術研究都市構想にもとづいて整備された学園通り線等を活用し、福岡市営地下鉄、JR九州、昭和バスの協力による早朝五時台から深夜十一時台までの運行及び割引回数券の発売、西鉄バスが博多駅と天神からの直行バスに学生割引カード(通称エコルカード、六千円/月)を使用可能にするなどの交通体制を敷くことができました。

 その他の課題についてもその対策を計画進行中であり、今後ともキャンパス移転の各ステップにおける最適な交通体制の確保に関係事業者と協力して努めていきます。

(つかはら けんいち)
(まえだ としいえ)



伊都キャンパスへの交通アクセス

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