News in Brief

ECOで行こー 大学内で電気自動車試乗会

 七月十日(水)のお昼ごろ、箱崎キャンパスの創立五十周年記念講堂前を見慣れない可愛い車が走っていました。

 これは、本年度C&Cプロジェクトに採択された「ECOで行こープロジェクト(E・E計画)」のグループが企画した電気自動車の試乗会です。

 「経済的理由から車を所有できないけれど、せっかく免許を持っているので、できれば車を使いたいという学生は、大勢いるのだと思います。カーシェアリングというシステムを活用すれば、一人あたりわずかな負担で車を利用することができるようになります。 さらに地球温暖化のことも考え、低公害の電気自動車を使います。このシステムが大学内で成立し得るかどうか研究しています。おそらく大学内でのこのような試みは日本では初めてではないでしょうか。今回のデモンストレーションは、とにかく車を走らせて、多くの人に僕らの活動を理解してもらうために企画しました。カーシェアリングを通じて、学生に環境に対する意識をもっと高めてもらいたい。」そう説明してくれた代表者の工学部三年安原樹志郎さんは猛暑の中、汗だくになりながら試乗車の手配に奔走していました。

※カーシェアリング
複数の個人が自動車を共同で所有し利用すること。
経済性に優れ、環境にも優しいことから、最近では、組織的な導入が試みられている。

大韓民国慶北大学校と図書館交流協定を締結

交流協定書を交わす有川九州大学附属図書館長(左)
と金慶北大学校中央図書館長

 九州大学附属図書館と大韓民国慶北大学校中央図書館は、相互に図書館交流を推進するために図書館交流協定を締結しました。この協定は、図書館交流協定から大学間交流に進んだソウル大学校に続き、二件目の締結となりました。

 調印は、七月十日(水)に慶北大学校中央図書館において、九州大学からは有川節夫附属図書館長(副学長)、松原孝俊言語文化研究院教授及び石井保廣附属図書館事務部長他が出席し、慶北大学校から金宗吉中央図書館長の他各課長及び担当者が出席して行われました。協定は、両大学の教官や学生の図書館利用、刊行物の交換、共同開発計画、図書館職員の交流などについて交流・協力計画を推進することとしています。

 昨年夏に金宗吉慶北大学校中央図書館長他が来館した際に交流協定構想が喚起され、今後、交流を具体的に推進することを確認しました。今年二月には本館館長他が慶北大学校中央図書館の実地視察等を行い、また三月には慶北大学校中央図書館職員三名が来館し、本館の視察及び意見交換を行いました。本協定発効により、今後さらに両大学間の具体的な交流が深められるものと期待されます。

宙空環境研究センター開所式

テープカットする(左から)杉岡前総長、
梶山総長、伊藤前理学研究院長、
早田事務局長、湯元センター長。
式典で挨拶する梶山総長(左)と、
司会の新島システム情報科学研究院教授。

 本年四月に学内共同教育研究施設として誕生した「九州大学宙空環境研究センター」の開所式典が、七月十五日(月)に、創立五十周年記念講堂で催されました。

 国内外からの来賓や列席した関係者を前に、梶山総長は次のように式辞を述べました。「杉岡前総長をはじめとする前執行部のご見識により平成十二年度に創設された『学府・研究院制度』が、部局横断型の教育研究を可能にし、本センターの発足を促しました。二十一世紀の生活空間と言われる宙空の、グローバルネットでの観測、実験やシミュレーションによる総合的研究、宇宙ゴミの研究などが、本センターに期待されています。湯元センター長を中心に、世界でもユニークな基礎研究の発展と、優秀な人材育成に貢献されることを願っています。」

 続いて、来賓の荒木徹地球電磁気・地球惑星圏学会会長による、何故本センターの設置が喜ばしいかについてのOHPによる解説付きの祝辞、そして湯元センター長による概況説明並びに「既存の学問にとらわれない学際的な新しいものを創造し、国際的な宙空環境情報の発信拠点を目指していきます」との挨拶がありました 。

 式典に引き続き記念講演が行われ、文部科学省宇宙開発委員会委員長の井口雅一氏による「我が国の宇宙開発の課題」、日本学術振興会特別監査役で前宇宙科学研究所長の西田篤弘氏による「宇宙空間研究のあゆみ」と題する講演が行われました。

 その後新営建物見学会として、宙空環境研究センター前でのテープカット、内部の見学が行われました。

※宙空(ちゅうくう)
太陽から地表までは、太陽風に支配された太陽圏、地球磁場と電離プラズマに満たされた電磁圏、大気におおわれた大気圏の3圏から構成されています。宙空とは一般的に、地表からおよそ八万キロメートル上空までの地球磁場が支配する領域を言います。

JTW INDEPENDENT STUDY PRESENTATION

 平成十四年七月十七日(水)、九州大学国際ホールで、十三人のJTW生が自主研究の発表を行いました。九州大学内外の先生方の指導を受けながら、半年または一年間それぞれに研究してきた成果をまとめ、発表したもので、トピックは経済、法学、工学、文学と幅広い分野にわたりました。

 JTW生に加え、教官、チューターやホストファミリーを前に、緊張しながらも、十五分間という限られた時間の中で、パワーポイントを使用し発表を行った十三人には惜しみない拍手が送られました。

 全員の発表の後には、チューターが編集した思い出ビデオが放映され、この一年間を懐かしく振り返りました。

JTW:米亜欧の学部学生を対象とした英語による1年間の留学コース

改革調査に高校生が来学

法人化するメリットは…

 七月三十一日(水)、福岡県立伝習館高校(柳川市)の二年生九名が本部事務局を訪れ、「大学改革」についての調査を行いました。

 これは、生徒の興味や関心に応じた研究課題を設定し、その解決を探る活動を三年間積み重ねることで生徒の可能性を伸ばし、「逞しく生き抜く力」を育てようと同校が取り組んでいるプロジェクト「ミラクルステージ」の一環として訪れたものです。

 予め提出された「二十一世紀COEプログラムへの九州大学の取り組み」「何のために法人化するのか」「九州芸術工科大学との統合のメリット、デメリットは」などの質問に、担当した企画広報室と研究協力課の職員は、難しい課題をできるだけ分かりやすく説明しようと準備して応対しましたが、分かっていただけましたか?

先輩に学ぶ― UMAPリーダーズ プログラム特別講演会

 七月二十九日(月)、UMAPリーダーズプログラム特別講演会が行われ、梶山総長、福岡アメリカンセンターディレクターのBruce P. Kleiner氏、元九州大学留学生(JTW I期生)で現在は在中国アメリカ大使館上級通商調整官であるChristopher T. Clautier氏がそれぞれプログラム参加学生に講義をしました。

 梶山総長は、自身の留学体験に基づき、「留学前にガイドブックで学んでいたことが、実際とは違っていた。何事においても自分自身が経験しなければわからない」と留学の重要性を語りました。

 次にKleiner氏は、福岡アメリカンセンターの役割を、またテロリズムや安保問題に対するアメリカの姿勢についても述べました。

 最後にClautier氏は、九州大学留学中の体験や、それらが現在の自分にどう影響しているかを話しました。

 参加学生は留学の先輩たちの体験談を交えた話に熱心に講演に聴き入り、それぞれの講演後に設けていた質疑応答の時間には、予定していた時間では足りないほど、多くの質問がありました。

オープンキャンパスに一万人

 八月六日(火)と七日(水)の二日間にわたって平成十四年度九州大学説明会が行われ、箱崎キャンパスには、両日とも朝から、大型バスや地下鉄を使って制服姿の高校生が次々と入構しました。

 文系学部及び21世紀プログラムが対象となった六日、工学部大講義室で行われた法学部説明会では、吾郷法学研究院長が「私も皆さんくらいのときは進路を決めかねていました。法学部に入るとこれからできるロースクール入学に有利と言われていますが、それはまだわかりません。」と前置きして、少人数教育や国際化などを例に法学部の概要を話しました。続いて、ゼミの模擬裁判に取り組む学生たちを中心に法学部での学生生活を紹介したビデオ「ゆめキャンパス」が上映され、つめかけた高校生は真剣な表情で見入っていました。

 理系学部及び21世紀プログラム対象の七日は、多くの研究室が公開されました。農学部の応用生命科学コースの研究室では、大腸菌のDNAを抽出する実験教室が開かれ、参加した多くの高校生は、学生の指導のもと、初めて目にする実験器具を手に試薬の変化に集中し、科学者気分を味わっていたようでした。

大講義室を埋めた高校生に話す吾郷法学研究院長

九州大学に期待する―古川内閣官房副長官が講演

熱意とユーモアで講演する
古川内閣官房副長官(左上)と満員の会場(左下)。

 古川内閣官房副長官は、昭和三十三年法学部の卒業。厚生省の事務次官を経て、平成十一年年五月以来、官僚機構のトップとして、村山、橋本、小渕、森、小泉の五つの内閣を支えて来ました。今回、内閣官房副長官としての在任期間が歴代最長となったことを祝う九州大学からの要望にこたえる形で、母校訪問と講演が実現しました。

 九月十四日(土)、福岡市早良区西新の九州大学国際研究交流プラザで九州大学の教職員を対象に行われた講演のタイトルは「構造改革と九州大学への期待」。冒頭挨拶に立った梶山総長は、「規模は異なるが、国の改革も大学の改革もベクトルは同じ。今日は、国の改革について教えていただき、私どもも気持ちをひきしめたい。」と挨拶しました。

 続いて登壇した古川副長官は、厚生省入省時のエピソードで会場を湧かせた後、「私自身もそうありたいと念じているのですが、組織としても個人としても最も大切なのは、先見性、挑戦しようとする姿勢と力、責任を持つこと、そして志を高く持つことだと思います。」と、体験を交えて話しました。

 さらに「広はんにわたって変化が求められている今の時代、小泉内閣が進める構造改革は歴史の必然」として、産業空洞化に対処するためには民営化の促進や科学基盤の強化と人材育成などが必要であること、「知の時代」といわれる二十一世紀に法人化など国立大学の構造改革が必要であることなどを力説しました。

 最後に、九州大学の学生にはその高い潜在力を積極的に発揮してほしいこと、九州大学の教官もできるだけ機会をとらえて中央でも発言してほしいことなど、九州大学への熱い期待を述べ、「いつも心にあり、出身であるということに誇りを持っている九州大学」での講演を終えました。

新キャンパス・センター地区基本設計業務は
「黒川紀章・日本設計共同体」に決定

 新キャンパス・センター地区基本設計業務は、公募型プロポーザル方式により、平成14年4月に学内外の専門家、有識者7名で構成される建設コンサルタント選定委員会を設置し、公募するコンサルタントに求める資格要件、提案を求める課題等について検討し、5月20日に官報公示により公募開始を行いました。

 その結果、設計共同体8者、単体4者の計12者から参加表明書を受け、選定委員会は、官報に公表している設計者に求める技術力、資格及び経験等の評価基準に基づいた審査を行い、6月7日に技術提案書の提出要請者を6者選定しました。

 選定した6者に対し、業務の実施方針並びに課題について、文章やスケッチ等により表現された技術提案書の提出を要請し、7月22日までに提出を受けました。

 選定委員会は、提出された技術提案書を書面審査するとともに、7月30日に6者の代表者各々3名に対してヒアリング及び質疑応答を行い、総合的に評価した結果、黒川紀章・日本設計共同体の技術提案書を特定し、8月8日に設計業務委託契約を締結しました。

 今後は、コンサルタントチームと新キャンパス計画推進室、施設部及び「イースト・センター・ゾーンWG」「タウン・オン・キャンパスWG」の2つのWGと共同でセンター地区基本設計を、平成14年度末を目標に策定する予定です。


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