九州大学新キャンパスへの移転が、いよいよ二〇〇五年の秋から始まります。新キャンパス周辺に学生の皆さんが住む場所を確保するために、大学は地元住民や民間企業、地方自治体に協力を求めるなどの働きかけをしているところです。
 移転計画の検討状況や内容等については、これまでも「九大広報」でたびたびお知らせしてきましたが、九大のホームページでも最新の状況などを知ることができますので、移転後の学修及び転居計画等の参考にしてください。

今宿地区上空から、建設が進む新キャンパス周辺(左上)を望む。手前を走る西九州自動車道の北側に伊都土地区画整理事業、JR 筑肥線、今津干潟、さらに玄界灘が見える。


TBig Orange

新キャンパス情報発信拠点開設
新キャンパス計画推進室副室長・助教授 坂井 猛
施設部整備計画課長 松岡 力

A
 九州大学新キャンパスで、広く社会にむけて情報を発信するための施設「Big Orange(ビッグ・オレンジ)」の一部が、新キャンパスのセンター地区にオープンしました。

 開所式は二月一日に行われ、有川理事、柴田理事、井上隆治・福岡市都市整備局大学移転対策部長がテープカットを行いました。当日の新キャンパスは、雪の舞う銀世界になりましたが、中村伊代太・九州大学移転対策協議会長をはじめとする元岡・桑原地区の皆さん、河野正雄・前原市長をはじめとする関係自治体、(財)九州大学学術研究都市推進機構および関係企業の方々がお祝いに駆けつけて下さいました。

 ビッグ・オレンジは、タウン・オン・キャンパスWG(WG長:工学研究院・坂口光一助教授)とイーストセンターゾーンWG(WG長:人間環境学研究院・竹下輝和教授)の合同でセンター地区基本設計を検討した際に提案され、具体的な内容を関係者と事務局で検討し、学内措置により実現したものです。名称のビッグ・オレンジは、新キャンパスが建設される丘陵がかつてみかん園であったことに由来しています。施設の設計は、芸術工学研究院の石田壽一教授、サイン計画は佐藤優教授の協力を得ています。また、プラズマテレビやタッチパネル式3D情報案内端末(写真A)、高画質映像コラボレーションシステム(写真B)などの施設設備等を、(財)九州大学学術研究都市推進機構やNTT西日本からご提供いただいています。

 キャンパス全体の完成までの間、来訪者の方々に新キャンパスの整備状況や九州大学学術研究都市構想を紹介するほか、地域の資源を紹介するパネルや模型、映像の展示も行います。全館のオープン時には、ユーザーサイエンス機構などの産学連携プロジェクト、研究教育関連プロジェクト、キャンパスグッズ等の展示・販売、アジアの環境資源と環境保全、新キャンパス地区で発見された遺物の企画展示等を予定しています。

開館時間:九時三十分〜十六時三十分
土日、祝日休館。
問い合わせ:〇九二-八〇六-四八六〇

B




U 居住地域について
 学生の皆さんが住むであろうと考えられる場所と、現在の状況をお知らせします。なお、交通手段は、地球環境への配慮から、公共交通機関や自転車の利用をお願いします。遠方から自動車で通学せざるを得ない学生・教職員には、入構許可証(有料)を発行する方向で検討中です。

新キャンパス周辺住居事情

1今宿、新駅、周船寺、田尻、高田地区
2前原市街地
3糸島郡志摩町市街地
4福岡市西区姪浜周辺
5福岡市早良区
西新周辺
6その他の地区


1
今宿・新駅・周船寺・田尻・高田地区
 新キャンパス最寄りのJR駅がある今宿、新駅、周船寺、田尻、高田地区を中心に、民間で学生アパート(家賃月額四万円台〜五万円台)五百〜六百戸程度の賃貸を予定しています。
 大学までの直線距離は約三〜五kmですので自転車通学も可能です。

新キャンパス(バス:予定)

13 分/ 約200 円
JR 新駅
(伊都地区)
(JR・地下鉄)

24 分/510 円
天 神


2
前原市街地
 標準的なタイプの学生アパートで、家賃は月額三万円台〜四万円台と予想されます。
@公共交通は、JR筑前前原駅または波多江駅から新駅(伊都地区)まで行き、新駅からバスに乗り換えて大学に行くルートがあります。大学までは、JR筑前前原駅から直線距離で五km、波多江駅付近から約三kmです。自転車通学も可能です。
AJR筑前前原駅または波多江駅かは、天神にはJR-地下鉄で直接行けます。

JR




(JR)

4 分/160 円
JR波多江駅(JR)

4 分/160 円
JR新駅
(伊都地区)
(バス:予定)

13 分/約200 円
※予定
新キャンパス
(JR・地下鉄)

27 分/560 円
天 神
※バス料金(学生回数券)は、関係者と協議中


3
糸島郡志摩町
市街地
標準的なタイプの学生アパートで、家賃は月額三万五千円くらいと予想されます。大学まで約五kmですので自転車通学が考えられます。
 天神にはバスで前原まで行き、JR-地下鉄を利用します。

志摩町(バス)

20 分/210 円
JR




(JR)

8 分/220 円
JR新駅
(伊都地区)
(バス:予定)

13 分/約200 円
※予定
新キャンパス


(新駅〈伊都地区〉経由でJR・地下鉄)

30 分/560 円
天 神
※バス料金(学生回数券)は、関係者と協議中


4
福岡市西区
姪浜周辺
 標準的なタイプの学生アパートで、家賃は月額四万五千円くらいと予想されます。大学へは、JRで新駅(伊都地区)まで行き、バスに乗り換えることになります。大学までは直線距離で約十kmありますので、自転車通学は少しきついでしょう。

新キャンパス(バス:予定)

13 分/約200 円
※予定
JR新駅
(伊都地区)
(JR・地下鉄)

9 分/220 円
姪浜駅(JR・地下鉄)

13 分/290 円
天 神
※バス料金(学生回数券)は、関係者と協議中


5
福岡市早良区
西新周辺
 標準的なタイプの学生アパートで家賃は、月額五万円くらいと予想されます。
大学へは、地下鉄-JRで新駅(伊都地区)まで行き、バスに乗り換えることになります。
大学までは直線距離で約十三kmありますので、自転車通学は少しきついでしょう。

新キャンパス(バス:予定)

13 分/約200 円
※予定
JR新駅
(伊都地区)
(JR・地下鉄)

16 分/470 円
西新駅(JR・地下鉄)

7 分/250 円
天 神
※バス料金(学生回数券)は、関係者と協議中


6
その他の地区
 西区、早良区以外の福岡市またはその近郊。糸島郡志摩町の海岸に近い場所、田園が残る二丈町あるいは唐津市なども通学圏と考えられます。
 学生アパートの家賃は地区によってさまざまですし、通学時間や交通費はかなりかかることになります。

新キャンパス(バス:予定)

13 分/約200 円
※予定
JR新駅
(伊都地区)
(JR・地下鉄)

24 分/510 円
天 神
※バス料金(学生回数券)は、関係者と協議中




V新キャンパス移転に関する

 新キャンパスへの移転について、学生の皆さんの関心の高い、授業の実施方法、通学、住居、食堂等に関して、現段階までに確定している事項、現在計画中の事項、検討中の事項についてお知らせします。
 なお、今後とも、新たな情報を逐次更新し、ホームページで紹介していきます。

1新キャンパスへの移転スケジュールについて
Q1新キャンパスへの移転スケジュールはどうなっているのでしょうか。
A1 新キャンパスへの移転スケジュールは、工学系については第一期(物質科学系、機械航空系)が平成十七年度後期から、第二期(地球環境系、システム情報系)が平成十八年度後期から開校し、平成三十一年度を目途に全ての移転を完了する予定です。
 この移転スケジュールは、九大ホームページの 教職員向け情報でも見ることができます。
移転スケジュール
時 期第Tステージ
平成17 年度〜平成19 年度
第Uステージ
平成20 年度〜平成23 年度
第Vステージ
平成24 年度〜平成31 年度
新キャンパスへの
移 転
工学系T,U
理系図書館T
〈基幹整備及び
 新手法による整備〉
理学系(H26),
情報基盤センター(H27)
理系図書館U(H28),
中央図書館(H29)
文系(H29,H30),
全学教育(H29)
農学系,その他(H31)
【約4.3千人】
―――〈用地再取得 平成25年度完了〉――→【約11.3千人】
六本松から箱崎へ
移 転

全学教育
比較社会文化,
言語文化他
【約4.1千人】

※( )内数値の移転年度は,財政状況により変動することがある。
※【 】内数値は移転人数の概数を示す。

2全学教育等の授業の実施方法について
Q2授業は、新キャンパス(元岡)と現キャンパス(六本松、箱崎)のどちらで実施されるのでしょうか。
A2 移転過渡期における工学部及び工学府学生に対する授業は、概ね次のとおり実施される予定です。ただし、授業科目によっては、次に掲げるキャンパス以外で実施される場合があります。

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
【平成十七年度前期】
従来どおり、全学教育は六本松キャンパス、専攻教育は箱崎キャンパスで授業を実施します。
【平成十七年度後期】
一年次生については、全学教育は六本松キャンパス、専攻教育は箱崎キャンパスで授業を実施します。
二年次生については、物質科学工学科及び機械航空工学科の学生は元岡キャンパス、その他の学科の学生は箱崎キャンパスを中心に授業を実施します。
三年次生以上(大学院生を含む)については、物質科学工学科及び機械航空工学科(大学院は、当該学科に関連する専攻。以下同じ。)の学生は元岡キャンパス、その他の学科の学生は箱崎キャンパスを中心に授業を実施します。
【平成十八年度前期】
一年次生については、全学教育は六本松キャンパス、専攻教育は元岡、箱崎の両キャンパスで授業を実施する予定です。
二年次生については、全学教育は六本松キャンパス、専攻教育は箱崎キャンパスで授業を実施する予定です。
三年次生以上(大学院生を含む)については、物質科学工学科及び機械航空工学科の学生は元岡キャンパス、その他の学科の学生は箱崎キャンパスを中心に授業を実施する予定です。
【平成十八年度後期】
一年次生については、全学教育は六本松キャンパス、専攻教育は箱崎キャンパスで授業を実施する予定です。
二年次生については、建築学科以外の学生は元岡キャンパス、建築学科の学生は箱崎キャンパスを中心に授業を実施する予定です。
三年次生以上(大学院生を含む)については、建築学科以外の学生は元岡キャンパス、建築学科の学生は箱崎キャンパスを中心に授業を実施する予定です。
【平成十九年度以降】
現在検討中ですが、概ね、平成十八年度と同様に授業を実施する予定です。

3新キャンパスでの学生生活について
Q1昼休みや授業の合間に学生が休憩できるスペースはあるのでしょうか。
 また、軽い運動ができる程度のスペースはあるのでしょうか。
A1 平成十七年十月から、ウエスト四号館(工学系研究教育棟U・V)一階の情報学習室を当面学生控室として、食事や、休憩のできる場にする予定です。また、軽い運動ができる場としては、仮設広場(約八千u:箱崎地区総合グランドの半分程度)を設ける予定です。
Q2新キャンパスで学生が病気やけがをした場合、応急処置はできるのでしょうか。
A2 ウエスト四号館(工学系研究教育棟U・V)の三階に「健康科学センター」の分室を設置して対応します。
Q3新キャンパスで修学相談や生活相談ができるのでしょうか。
A3ウエスト四号館(工学系研究教育棟U・V)の二階に「学生生活・修学相談室」の分室を設置して対応します。
Q4各種証明書の発行手続きはどうなりますか。また、証明書自動発行機は設置されますか。
A4 各種証明書は、事務室の学生掛でこれまでどおりの手続きで発行されます。
 また、証明書自動発行機も、場所は未定ですが平成十七年十月に、当面一台設置します。
Q5新キャンパスの図書館はどのように整備されますか。
A5 新キャンパスには座席数二百五十二席の、主として理系図書を中心とした「理系図書館」ができます。
 なお、開館・閉館時間等の詳細は、路線バスの運行計画や学生の皆さんの利便性にも配慮し、現在、検討中です。決定次第、ホームページを通じてお知らせします。
Q6新キャンパスでの外国人留学生の対応はどうなるのですか。
A6 これまで、国際交流部留学生課が担当していた事務手続きは、当面、在籍部局の学生掛が担当することになります。例えば、国費外国人留学生給与や私費外国人留学生学習奨励費の在籍確認のためのサイン、医療費の補助申請手続等です。
Q7キャンパス内の夜間等の安全性は大丈夫ですか。
A7 キャンパス内は、十分な照明を行い、非常警報装置等を設置し、また、ガードマンによる巡回警備を行い安全性には十分配慮します。
Q8課外活動等ができる場所はあるのでしょうか。
A8 課外活動施設は、当面、新キャンパス内に整備できないので、現在の箱崎地区及び六本松地区等の施設を利用して、課外活動を行うことになります。
 ただし、屋外の施設を利用する体育系サークルによっては、新キャンパス内にある仮設広場(約八千u:箱崎地区総合グランドの半分程度)を活用することもできます。
Q9新キャンパスでの喫煙はどうなりますか。
A9 本学では、本年四月一日から、全キャンパスにおいて「喫煙指定場所以外での喫煙」と「歩きタバコ」を禁止しています。新キャンパスにおいても同様の取扱いとなります。

4新キャンパスへの通学方法について
Q1新キャンパスには公共交通機関で通学したいと思っています。箱崎キャンパスからの公共交通機関での通学方法を教えてください。
A1 新キャンパスまでの交通手段としての公共交通機関は、市営地下鉄、JR筑肥線、バスとなります。
 箱崎キャンパスから新キャンパスまでの所要時間と料金は、次のとおりです。
地下鉄「箱崎九大前」
所要時間 約35 分
540 円
地下鉄「姪浜」(乗り換え)
JR筑肥線「新駅」

所要時間 約13 分
200 円
新キャンパス
*バス料金(学生回数券)及び西鉄バスのエコルカードについては、バス関係事業者と協議中です。
Q2JR筑肥線の「新駅」から新キャンパスまでのバスはどのくらい運行されるのですか。
A2 JRの「新駅」から新キャンパスまでのバスの運行は、早朝から深夜までの間に約四十往復で、JR新駅の発着時間に合わせて運行されます。
Q3天神及び博多駅から新キャンパスを繋ぐ直行バスは運行されますか。
A3 天神及び博多駅から新キャンパスまでの間の直行バスの運行については、約三十往復運行することで、西鉄をはじめとするバス関係事業者と協議中です。運行計画等について、近々回答される予定です。
Q4JRの新駅ができるということですが、いつ、どこにできるのですか。
A4 JRの新駅は、「今宿駅」と「周船寺駅」の間の伊都地区に、平成十七年十月の新キャンパスの第一期開校にあわせて開業の予定です。
Q5JR新駅には駐輪場はできますか。
A5 JR新駅には自転車、原付バイクの駐輪場(約八〇〇台)を設置することになっています。
Q6新キャンパスの駐車場は、平成十七年十月の第一期開校には確保されますか。
A6 駐車場は、当面、ウエスト四号館(工学系研究教育棟Uと研究教育棟V)の西隣に、一〇〇〇台程度の仮設駐車場を設置します。
Q7新キャンパスに自家用車で通学することはできすか。
A7 現在、箱崎キャンパスを含む全キャンパスで学生の自動車での入構は許可しておらず、新キャンパスでも同様の取扱いになる予定です。
 なお、特別の理由がある学生(身体に障害を持つ学生等)については、これまでどおり自動車による入構を許可する予定です。
 ただし、新キャンパスへの移転初期は、バス等の交通機関は整備されていますが、様々な混乱等も予想されることから、当分の間の特例措置として工学部長が許可した場合は自動車での入構を認めることも考えています。
 その際の手続き等については、移転前までにはお知らせします。

5新キャンパスでの学生寮の建設について
Q1学生寮は、いつ、どれくらいの規模のものができるのですか。
A1 学生寮は、平成十八年九月から入居を開始する予定です。規模は、単身用一棟で二百五十人を収容します。
Q2学生寮は、男子学生用・女子学生用・留学生用など、どのように区分されていますか。
A2 学生寮は、単身用一棟二百五十人収容で、日本人学生と留学生の混住施設となっており、男子学生と女子学生はフロアに分けて運用する予定です。
Q3学生寮の将来の建設計画について教えてください。
A3 学生寮は、平成十八年九月に単身用二百五十人収容の一棟を建設することになっています。
 当面は、全体で一〇〇〇人程度を収容する施設をセンター地区に順次建設していく計画です。
Q4寮室(個室)の概要及び寄宿料等について教えてください。
A4 各室の広さは十三u程度で、個室には次のような設備・備品を設置する予定です。
 机、椅子、吊本棚、ベッド、下駄箱、ミニキッチン、ユニットバス、インターネット用端子等。寄宿料は月額四千七百円の予定です。

6新キャンパス近くの民間アパートについて
Q1徒歩又は自転車で通学したいのですが、新キャンパスの近くに借りることのできる民間アパートはありますか。民間アパートの情報を教えてください。
A1 新キャンパス近くでJR駅がある今宿、新駅、周船寺、高田地区・田尻地区を中心に、民間の学生賃貸アパート(家賃月額四万円台〜五万円台)が五百〜六百戸程度、平成十七年十月までには確保される予定です。
 また、これらの地区から新キャンパスまでは、直線距離で約三.五qですので、自転車通学も可能です。
 なお、民間アパートの情報は、左記をご覧ください。
(1)九州大学生活協同組合

@問合せ先


共済・不動産担当 河村・中村


電話六五一-七一六四

十時〜十七時

A九大生協ホームページ


http://www.coop.kyushu-u.ac.jp/
(2)(社)福岡県宅地建物取引業協会ホームページ

http://www.f-takken.com/

7新キャンパスの食堂・売店・コンビニの設置等について
Q1学生食堂や売店は、いつ頃できるのですか。
A1 新キャンパスの食堂・売店等は、平成十八年四月から利用を開始する予定です。
 それまでの平成十七年十月から平成十八年三月までの間の食事等の提供については、ウエスト四号館(工学系研究教育棟U)のピロティ(一階)に暫定的に食事等の提供ができるスペースを整備することとしています。
Q2新キャンパスにコンビニや売店はできるのですか。
A2 平成十七年十月から理系図書館ロビーに暫定的にコンビニを設置し、ウエスト二号館(工学系研究教育棟T)の完成(平成十八年五月)後は、このウエスト二号館のピロティ(一階)に移動させ、引き続き利用できるようにする予定です。
Q3近くに食事のできるレストランや買い物のできるコンビニ等はありますか。
A3 新キャンパス周辺には現在のところありませんが、JR筑肥線の今宿駅や周船寺駅周辺及び国道二〇二号線には、スーパー、コンビニ、ファストフード店、書店等があります。
Q4新キャンパス内に教科書や参考書等を販売する書店はあるのでしょうか。
A4 平成十七年十月の時点では、新キャンパス内に書店を設置する計画はありませんが、平成十八年四月から利用を開始予定の生活支援施設(食堂・売店等)内の一角に設置の予定です。以後、需要に応じて段階的に整備されるでしょう。
Q5銀行等のATMはどのように整備されますか。
A5 銀行等のATMは、平成十八年四月完成予定の「生活支援施設(食堂・売店等)」の一角に設置する予定です。
 なお、それまでの間の設置については、現在検討中です。




水素ステーション起工
九州電力(株)提供
苅初の神事を行う工学研究院の杉村丈一教授(中央)と、 九州電力、三菱商事の関係者

 新キャンパスでは様々な新しい研究開発プロジェクトが計画されています。水素キャンパス構想もその一つです。
 平成十六年八月には、福岡県と九州大学が中心となって、産業界、大学、行政が連携して安全で環境にやさしい水素エネルギー社会の構築を推進することを目的とする「福岡水素エネルギー戦略会議」が発足しました。九州大学はこの戦略会議の活動の核になって、技術的な課題を解決するとともに、新キャンパスを水素利用社会のモデルとして世界に示そうとしています。
 平成十七年一月二十八日(金)、新キャンパスの工学系研究教育棟の北側で、燃料電池自動車の燃料補給施設である「九州大学水素ステーション」の起工式が行われました。平成十六年七月には、九州大学、九州電力(株)、三菱商事(株)、(株)キューキ、福岡県産業・科学技術振興財団の五者が、経済産業省の地域新生コンソーシアム研究開発事業に採択されて「水素ステーション」の研究開発を行っており、起工式には関係者約三十人が出席しました。
 水素ステーションは国内では首都圏を中心に十数カ所建設されていますが、九州ではこれが初となります。

W 新キャンパスにおける地下水の保全対策
〜九州大学新キャンパス水循環系保全整備計画より〜
新キャンパス計画推進室 助教授 新井田 浩

■水循環系保全整備計画について

 新キャンパスが建設される土地は、従来は雑木林を中心とする丘陵地で、付近に流れる水崎川や大原川、杉山川といった河川の源流域であり、かつ周辺地域で利用されている地下水にとっての貴重な水源地域ともなっています。このようなことから、新キャンパス建設に伴う造成工事や建築工事によって地下水や地表水の循環バランスを損なうことは、地下水の利用や自然環境に大きな影響を与えるのではないか、という懸念がありました。そこで、九州大学では平成十二年に行った環境影響評価の中で地下水の保全に関する基本的な方針を示すとともに、昨年七月には具体的な対策内容や対策量を明らかにすることを目的として、水循環系保全整備計画を作成しました。※ このような取組みは、環境保全に対する関心が高まっている現在においても、全国的にも例のない極めて先進的な取組みです。ここでは、整備計画における地下水保全対策の内容を紹介します。

※ http://suisin.jimu.kyushu-u.ac.jp/archive/examresult/water/index.html

■地下水への影響と保全対策

 木を伐採するなどの造成工事などによって、雨水浸透量は新キャンパスの敷地全体(二百七十五ヘクタール)の平均で十三%程度減少することが予測されます。この数字は緑地として保全される約四割(百ヘクタール)の敷地も含んだものですので、造成地(百七十ヘクタール)だけで見ると約二割の減少となります。保全対策にあたっては、この減少する雨水浸透量を造成工事前と同等以上に回復することを目標としました(開発前後の水収支については図を参照のこと)。対策の具体的内容は次のとおりです。すなわち、雨水の浸透を阻害するようなアスファルト舗装などはできるだけ行わないこと、人や車の通行上舗装せざるを得ない場合もバスなどが通行する幹線道路を除いては原則として透水性の舗装を採用すること、また、建物周辺に設けられる集水ますや排水管、側溝なども原則として貯留や浸透の機能を有する構造とすることなどです。排水管には水を浸透させるための穴を空けたり、集水ますの底を砕石にするなどして水が浸透しやすい構造としたりといった工夫をします。さらに、排水管が通過する近くの駐車場やグランドの地下には、プラスチックのブロックなどを敷き詰めて空洞をつくり、周辺に降った雨を一時的に引き込んで貯水し、時間をかけて地下に浸透させる工夫もします。
 このような対策は、主に地面から下の対策になるので地味であまり目立たないものではありますが、新キャンパス全体で浸透性の排水管は延長二十八km以上、浸透性の集水ますは二千箇所以上、地下に設けられる貯留浸透施設は十箇所以上にも及びます。言い換えれば、このくらいの対策をしないと造成工事前の雨水浸透量を一〇〇%回復することはなかなか難しいと言うことです。もちろん、こういった対策には通常の工事よりも余計に費用がかかることになりますが、九州大学が地域と連携しながら共生し共に発展していくためには必要不可欠なことであり、土地を開発する者にとってのマナーであるとも考えています。

造成工事前後の水収支の比較

■対策の実施状況など

 今年十月の第一期の移転に向けて建設工事が進められている各種建物の排水設備には、既に浸透性の設備が導入されています(写真@・A参照)。また地下の貯留浸透施設も、その第一号が理系図書館の駐車場予定地で現在建設中です(写真B参照)。
 今後は、このような施設が実際どの程度の効果を発揮するか、時間的な変化も含めて注意深く観測していきたいと考えています。

(にいだ ひろし 水資源工学)

写真@
浸透性の排水側溝(底面と側面から浸透)
写真A
浸透性の集水ます(底面から浸透)
写真B
ブロックを積み上げて貯留浸透施設を施工している様子(理系図書館)




東京で
九州大学学術研究都市
シンポジウム開催

 平成十七年三月三日(木)、都内の千代田会館において、「どうなる大競争時代の大学経営」と題して(財)九州大学学術研究都市推進機構主催のシンポジウムが開催されました。
 当日は、東京在住の九州大学同窓生、学術研究都市に関心を持つ関係者をはじめ一六四名が参加しました。
 冒頭、石川敬一理事長の「今年の十月開校に向け、これまで以上に学術研究都市造りに取り組んでいきたい。」との挨拶に引き続き、山崎広太郎福岡市長が「九州大学移転とまちづくり」と題して講演を行い、「福岡市はアジアの中核拠点都市として発展している。知の拠点としての九州大学を、町づくりの面からしっかり支えていきたい。」と語りました。
 続いて、パネリストに遠山敦子元文部科学大臣、北城恪太郎経済同友会代表幹事・日本IBM会長、石川憲一金沢工業大学学長、天野郁夫独立行政法人国立大学財務・経営センター研究部長、それに梶山千里九州大学総長、コーディネーターに早川信夫NHK解説委員を迎えて、パネルディスカッションが行われました。
 その中で、九州大学の「人」への支援としての「研究スーパースター支援プログラム」、「組織」への支援としての「戦略的教育研究拠点としての五つのセンターの新設・拡充」また、学生主役を強く打ち出している金沢工業大学の取り組みなどが紹介され、今後の大学のあり方、課題について活発な意見が交わされました。
(このパネルディスカッションの模様は、四月二日(土)午後五時からNHKのBSU「BSフォーラム」で全国放送予定。九州沖縄エリアでは、四月二十九日(日)午後四時から教育テレビ「テレビシンポジウム九州沖縄」で放送予定。)


九州大吟醸 誕生

 純米大吟醸酒「九州大吟醸」のお披露目会が、三月八日(火)、新キャンパスのBig Orangeで行われました。
 「九州大吟醸」は、平成十六年四月の法人化とともに考案された九大グッズの一つ。新ロゴマーク等をデザインした芸術工学研究院の佐藤優教授が命名し、ラベルをデザインしました。
 その一方で、新キャンパス用地のすぐ近くで百年以上にわたって酒造りをしてきた浜地酒造と、新キャンパス周辺地域の森と生き物を守る活動をおこなっているNPO法人「環境創造舎」(九州大学の学生を中心に設立)とが、九大ブランドの地酒を造って販売し、売り上げの一部を新キャンパス周辺の里山保全に使うというプロジェクトを進めていました。
 この二つの流れが一つとなって「九州大吟醸」は完成に至りました。酒造りの過程では、学生たちが一月末の「仕込み」、二月末の「しぼり」を体験しました。今後は、売り上げの五%が、基金として新キャンパス周辺の里山保全に役立てられます。
 お披露目会では、梶山総長をはじめとする九大関係者、学生、地元の方々など約六十名がおちょこで新酒を試飲。「うまい」「いい酒だ」の声や、大学と地元との交流の輪が、会場のあちこちに広がっていました。
 「九州大吟醸」は、青い瓶の「しずく搾り」(一八〇〇ml詰五、〇〇〇円、五〇〇ml詰二、〇〇〇円)と白い瓶の「手づくり」(一八〇〇ml詰三、〇〇〇円、五〇〇ml詰一、二〇〇円いずれも税込み)があります。お問い合せは、浜地酒造(TEL 〇九二-八〇六-一一八六)へ。

訂正とお詫び
前号「九大広報」第三十八号の記事に誤りがありました。十八〜十九ページの「(財)九州大学学術研究都市推進機構会長:石川敬一氏」は
「(財)九州大学学術研究都市推進機構理事長:石川敬一氏」の誤りでした。
お詫びして訂正いたします。


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