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研究成果

公開日:2018.07.04

地球深部探査船「ちきゅう」船上におけるオマーン陸上掘削コア記載(第2期)の開始
~かつての海洋地殻-マントル境界連続掘削孔から現在の海洋モホを検証する~

研究成果 人文・社会科学

 オマーン掘削プロジェクト(Oman Drilling Project)の一環として、本年7月5日(木)~9月5日(水)にかけて、同プロジェクトによって掘削された岩石コア試料を「ちきゅう」の船上ラボ設備において、詳細に記載・解析するプロジェクト(第2期)が実施されます。
 本プロジェクトは国際陸上科学掘削計画(ICDP:International Continental Scientific Drilling Program)と国際深海科学掘削計画(IODP:International Ocean Discovery Program)の連携の下で、昨年7月から9月にかけて「ちきゅう」船上で実施したオマーン陸上掘削コア記載・解析(2017年7月14日既報)に引き続いて実施されるものです。
 昨年実施した第1期では、300~400m長の4本の掘削孔から得られた合計1,500mを超える、海洋下部地殻を構成する斑れい岩と呼ばれる岩石などの掘削コアの記載、化学分析、物性計測を実施しました。科学掘削船では「ちきゅう」船上ラボにのみ搭載されている医療用X線CT装置などを駆使した精密な岩石物性測定や化学分析と研究者による詳細な岩石記載を統合した解析を行い、海底下の物質(元素)移動の様子や、岩石の変成度と物性の相関関係を示すことに成功しました。
 本年の第2期では、米国、欧州、オマーン等から計80名以上の研究者が参加(日本からは海洋研究開発機構、新潟大学、名古屋大学、金沢大学、広島大学、九州大学、北海道大学、東北大学、千葉大学、静岡大学等から、学生・ポスドクを含む計23名が参加)し、「ちきゅう」の船上設備を生かして、2カ月間24時間体制で集中的にオマーンの岩石コア試料を詳細に記載・解析します。解析するコア試料は斑れい岩や蛇紋岩等全長1,800m分におよび、この岩体には海底に存在していた当時のモホロビチッチ地震波不連続面(モホ面)を構成する試料を含みます。これらのコア試料を詳細に解析することで、かつての海洋モホ面の岩石学的実態や海洋地殻形成過程の解明が期待されます。
 なお、本プロジェクトは、日本学術振興会科学研究費助成事業 基盤研究(A)「オマーンオフィオライト陸上掘削による地殻-マントル境界の物性とモホ面の実態解明」(JP16H02742)、基盤研究(S)「最上部マントルの構造とモホ面の形成過程の研究~海と陸からのアプローチ~」(JP16H06347)および基盤研究(B)「記載岩石学的特徴を加味した岩石物性計測:モホ面構造解析への寄与」(JP18H01321)の一環としても行われ、それぞれの先端研究の発展に繋がる基礎的な成果が得られると期待されます。

オマーンオフィオライトの分布図。丸印が掘削地点。地殻、マントル、その境界であるモホ面を掘削し、採取されたコア試料を解析することにより連続的な情報取得を狙う。

オマーンオフィオライトの地殻-マントル境界付近コア試料。下部地殻を代表する斑れい岩(白)と最上部マントル試料のダナイト(かんらん岩、黒)が接している。

研究に関するお問い合わせ先

比較社会文化研究院 仙田 量子 准教授
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