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研究成果

公開日:2019.06.12

新たな“生活満足度、エネルギー費用負担、健康状態、経済格差”の関係性を解明
~持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた政策立案に貢献~

研究成果 人文・社会科学

 本学のカーボンニュートラル・エネルギー国際研究所のアンドリュー・チャップマン准教授、経済学研究院の藤井秀道准教授、工学研究院の馬奈木俊介主幹教授の研究グループは、これまで明らかとなっていなかったエネルギー費用負担、生活満足度、健康状態、経済格差の関係性について解析を行いました。
 解析では、世界37か国を対象に10万人以上に対して大規模な国際アンケート調査を実施し、人々が主観的に認知しているエネルギー費用負担、生活満足度、所得水準、健康状態に関する回答を利用しました。主観的視点によるアンケート回答に基づき解析された結果は、客観的な統計データを利用して解析された既存研究の結果とは異なり、地域特性や文化的要素、経済発展度合いが、人々の主観的な評価結果に強く影響していることが明らかとなりました。
 本研究の重要な結果として、国家全体での社会福祉関連支出の増加は経済的格差を縮小する一方で、高所得国においては生活満足度や健康状態を改善するとは限らないことを明らかにした点が挙げられます。加えて低所得国においては、エネルギーインフラの普及が健康状態の改善に貢献する一方で、文化的な要素や生活習慣も重要な役割を担っていることが明らかとなりました。
 これらの知見から、高所得でエネルギーインフラ普及が進んでいるにも関わらず、主観的な生活満足度や健康状態が低水準の国は、その水準を高める方法として低所得国の文化的な視点や生活習慣から学ぶべき点は多いと言えるでしょう。
 本研究は、日本学術振興会 科学研究費助成事業(JP26000001)の支援を受けました。本研究成果は令和元年6月12日(水)午前0時(日本時間)にNature Sustainability誌で掲載されました。

図. 本研究の目的、分析対象国、分析フレームワーク

研究者からひとこと

人々の価値観や満足度を客観的な統計データのみで判断することは難しく、文化的・地域的な多様性を考慮した主観的な評価方法が必要となります。本研究では大規模な国際調査によって主観的な評価を実施し、その関係性を明らかにしました。本成果は、国別・地域別の特性に適したSDGs達成に向けた取り組みを効果的に進める上で重要な情報となります。

論文情報

Multinational life satisfaction, perceived inequality and energy affordability ,Nature Sustainability,
https://www.nature.com/articles/s41893-019-0303-5

研究に関するお問い合わせ先

カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 アンドリュー・チャップマン 准教授
経済学研究院  藤井 秀道 准教授
工学研究院  馬奈木 俊介 教授
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