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研究成果

公開日:2019.07.18

地形性乱流が大型風車ブレードに与える新しい定量化指標を提案
-洋上および陸上の大規模風力発電の普及・拡大に期待-

研究成果 工学

 九州大学応用力学研究所の内田孝紀准教授は、株式会社九電工の協力の下、西日本技術開発株式会社と共同研究を実施し、地形性乱流が大型風車の羽(ブレード)に与える新しい定量化指標を提案することに成功しました。本研究で対象となった鹿児島県の串木野れいめい風力発電所には、出力2MWの商用大型風車が10基設置されており、東風が発生した際に10号機風車に風況起因の発電停止が多発することが確認されました。そこで、10号機をターゲット風車にし、実測データや数値風況シミュレーションの結果を詳細に分析した結果、10号機風車の東側(直線距離で約300m)に位置する弁財天山(標高519m)に起因した地形性乱流の影響であることが分かりました。
 一連の研究成果に基づいて、地形性乱流が大型風車のブレードに与える2種類の新しい定量化指標を提案することに成功しました。一つは、風況に関する定量化指標(乱流評価指標)であり、Uchida-Kawashimaスケール1(便宜上、U-Kスケール1)と名付けました。U-Kスケール1のしきい値を「0.2」とし、本指標が流入風速の高度方向の分布形状、水平方向の格子解像度、計算方位に依存しないことを示しました。もう一つは、荷重に関する定量化指標(疲労損傷評価指標)であり、Uchida-Kawashimaスケール2(便宜上、U-Kスケール2)と名付けました。1年間の実測データから4m/s以上の風車運転時に対応する風況データを抽出し、U-Kスケール2を用いて地形性乱流が風車ブレードに与える経年蓄積の影響を定量的に評価しました。我々が「産学連携」で一丸となって取り組む今回の共同研究は、風車の「重大事故」を未然に防ぎ、洋上および陸上の大規模風力発電の適切な普及・拡大に大きく貢献することが期待されます。
 本研究成果は2019年7月8日(月)(日本時間)に国際学術雑誌「energies」に掲載されました。また、本研究は文部科学省 科研費 基盤研究(B)17H02053の支援も受けました。

(参考図) 本研究で対象にした風力発電所(提供:株式会社九電工)と数値風況シミュレーション(RIAM-COMPACT)の一例

研究者からひとこと

今後、陸上・洋上の大規模風力発電を安全・安心に普及・拡大させるために、数値風況診断技術RIAM-COMPACT(リアムコンパクト)を「コア技術」とし、風車メーカー、風力事業者、コンサルティング会社などと一丸になり、地形起因の大気乱流が風車または風車群に与える影響の解明を目指します。

研究に関するお問い合わせ先

内田 孝紀 応用力学研究所 准教授
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