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研究成果

公開日:2016.11.08

優れた触媒性能を示す高機能らせん分子の開発に成功!

研究成果 医歯薬学

 九州大学大学院薬学研究院の臼井一晃助教、山本耕介特別研究員、平井剛教授、末宗洋名誉教授らの研究グループは、九州大学先導物質化学研究所の友岡克彦教授、井川和宜助教との共同研究により、優れた不斉触媒の前駆体となる高機能らせん型配位子の開発に世界で初めて成功しました。
 多くの有機化合物には,いわば右手と左手の関係にある立体異性体が存在し、生体中では右と左の分子が異なる生理作用を示すことが知られています。そのため、医薬品等の精密合成研究は、これら立体異性体を作り分けるための手法に依存するところが大きく、その効率的手法として優れた不斉触媒の開発が求められます。今回、本研究グループは新概念に基づき、らせん不斉(右ネジ・左ネジの関係)を分子構造に組み込んだ配位子の設計・合成に成功しました。さらにこれら配位子を、従来法では立体制御が困難な化合物の触媒的不斉合成に適用した結果、変換効率、立体選択性共に非常に高い性能を示しました。また、この配位子の高い機能性を計算化学により解析し、その立体識別機構を提唱しました。本研究成果は、医薬化学研究において必須である光学活性誘導体の合成に大きく寄与し、創薬研究の進展に貢献することが期待されます。
 本研究成果は平成28年11月8日(火)午前10時(英国時間)に英国科学誌の電子ジャーナル「Scientific Reports」で公開されました。

今回開発したらせん不斉配位子は、種々の不斉触媒反応(パラジウム触媒不斉アリル位置換反応、不斉鈴木-宮浦カップリング反応)において、高収率かつ高立体選択的に光学活性体を与えます。

研究者からひとこと

本結果はらせん不斉配位子を有する触媒が不斉合成に極めて有効であることを示した画期的なものです。今後は、らせん分子を用いた独自の触媒システムを開発し、医薬品に限らず、香料や農薬、機能性材料などの有用物質合成に展開していきたいと考えています。

研究に関するお問い合わせ先

薬学研究院 助教 臼井 一晃

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