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1944(昭和19)年に実施された空襲回避のための偽装塗料が残っていて、ところどころ黒ずんでいるが、3つの量塊のプロポーションが整っているため、落ち着いた風格が感じられる。正面の窓の割付は、中央の窓を軸に左右対称、しかも中央が3つで1組をなす以外は、2つの窓が1組をなして等間隔で並んでいる。加えて、各量塊の頂部を取り巻く突起物のバンドが絶妙なバランスを保っていること、一階中央の庇前面に渡した梁が単調になりがちなファサードを見事に分節していることが、風格を生んでいる。背面から中央部をみると、そこが階段室になっており、窓の高さは階段の傾斜に沿って右上がりに変化していること、その結果左右が非対称になっていることに気づく。また、背面では3つの窓で1組をなす割付けが東西両翼の突出部に認められ、その間は平坦で、量塊のバランスも変わっている。正面の静に対して背面のリズミカルな窓配置は、この建物の魅力の一つである。
1.建設年 | 1927年、昭和2年 |
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2.設計者または組織 | 倉田 謙、小原 節三(設計技師) |
3.施工者(設備・基礎工事等請負会社が異なる場合は記載) | 佐伯組(現在佐伯建設) |
4.規模 | |
階数 | 地上4階 |
面積 | 2,782㎡ |
正面×側面 | 49m×22m |
5.方位(正面玄関の向き) | 北西 |
6.構造(木造、煉瓦、RC、鉄骨)(組合せもあり) | 鉄筋コンクリート |
7.増築時期(記録に基づく) | - |
8.大規模改修の時期(記録に基づく) | - |
9.利用状況 | 平成18年から閉鎖中 |
10.資料(図面等) | 図面24枚有 |
11.経年(平成27年4月1日時点) | 88年 |
12.耐震性能(Is,調査年度) | - |
13.耐震経年指標(T,調査年度) | - |
14.コンクリート中性化深さの平均(㎜) | 73.6 |
15.コンクリート圧縮強度(N/m㎡) | 12.4 |
16.受賞歴、または、文献(出版社等)への記載等 |
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