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九大の昆虫コレクションをデジタル資産化し運用するプロジェクト始動

学生グループ「BugChain」のクラウドファンディング開始 2023.09.27
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九州大学は古くから昆虫の研究が盛んで、国内最大の400万点以上の昆虫コレクションを保有しています。これらの標本や関連資料は保管スペースや維持管理費の確保が課題となっています。また重要な資産であるものの、研究以外には積極的に活用されていませんでした。

そこで九州大学比較社会文化研究院の小川浩太助教らのグループは、九州大学の学生グループ「BugChain」と協力して、これらの昆虫コレクションをブロックチェーン(分散型台帳)の技術によりデジタル資産化し、運用する実証実験を開始しました。

この取り組みでは、九州大学が保有する貴重かつ芸術性・新規性の高い昆虫資料、例えば顕微鏡レベルまで拡大可能な超高精細画像や精密3DモデルなどをNFT(※)化し、活用や収益化する方法を模索します。九州大学の昆虫標本と研究者が持つ研究・解析技術にブロックチェーン技術を掛け合わせることで、これまでの研究活動で集積されてきた標本からその標本の維持管理費を捻出する新たな自助自立型のエコシステムの構築を目指します。この資金調達スキームが確立されれば生物多様性研究や保全に係る資金ギャップの解消に繋がるものと期待されます。

なお、学術系クラウドファンディングサイト「academist(アカデミスト)」にてBugChainへの支援を募集しています(https://academist-cf.com/projects/307?lang=ja)。募集期間は2023年9月20日から11月16日17時までです。皆様の応援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

(※) Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略で、「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」のことで、ブロックチェーン(分散型台帳)技術によってデジタルデータの偽造や改ざんを防止し、デジタルデータに資産価値を持たせます。

プロジェクト概要

大学や博物館の資料をNFT化、希望者に販売・譲渡します。NFTを介したコミュニティを形成し、研究機関や保全団体とユーザーの継続的な関係性を構築します。

小川助教からひとこと

このプロジェクトは生物多様性の基礎研究や保全活動が慢性的に抱える資金ギャップ問題を解決できる可能性があります。BugChain代表の浅見昂志さんは共創学部の第一期卒業生で、柔軟なアイデアでプロジェクトを牽引しています。本アイデアで九州大学ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センターの「アイデア・バトル」採択、「社会的課題解決に向けたアイデア・提言コンテスト2023」奨励賞の実績もあり、今後の更なる活躍が期待されます。

お問い合わせ

比較社会文化研究院 助教 小川 浩太
電話:092-802-5627
Mail:k-lepi83★scs.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。