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研究成果

公開日:2017.05.01

無保護アミン類の直接的かつ効率的な新しい合成方法の開発に成功!

研究成果 医歯薬学

 医薬品などの原料として有用な化合物にアミン類があります。イミン*1に対する付加反応は、種々のアミン類を効率的に合成することができるため、世界中で研究が行われてきました。しかし、これまで開発された反応は、反応性・選択性の制御や生成物の安定性の面から窒素原子があらかじめ保護されたイミン (N-protected imines) を用いるのが常識でした。そのため、合成素子として有用な無保護のアミン類を得るためには不要な保護基を取り除く必要があり、合成工程数や環境調和性の面で改善の余地を残していました。
 今回、九州大学大学院薬学研究院環境調和創薬化学分野の大嶋孝志教授・森本浩之講師らは、これまであまり用いられてこなかった窒素原子が保護されていないイミン (N-unprotected imines) を用いることで、保護基を不要とする新しい無保護アミン類の合成手法を確立することに成功しました。大嶋教授・森本講師らは、窒素原子が保護されていないイミンが末端アルキン*2の付加反応に利用可能であることを見出し、容易に入手可能な亜鉛試薬とカルボン酸を組み合わせた新たな触媒によって、種々の無保護アミン類を直接的かつ効率的に合成することに成功しました(下図)。また、得られた無保護アミン類が生物活性物質の誘導体へと直接変換可能であることも実証しました。
 この研究成果は,英国の王立化学会誌「Chemical Communications」に2017年4月27日付けオンライン版 (DOI: 10.1039/c7cc02194a) で発表されました。
*1 炭素–窒素二重結合を有する有機化合物
*2 分子内に炭素–炭素三重結合を有する有機化合物のうち、一方の炭素が水素で置換されたもの

(図)今回開発した、無保護アミン類を直接合成可能な新規触媒反応
 本付加反応は原子効率100%の環境調和型の反応であり、有用な合成素子を環境への負荷が低い方法で直接供給することが可能となりました。

研究者からひとこと

今回の研究で、これまでの常識を覆す新たな合成手法が実現できました。今後も、低環境負荷の有用分子合成手法の開発を通じて、医薬化学の発展に貢献していきます。

研究に関するお問い合わせ先

薬学研究院 教授 大嶋孝志

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