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研究成果

公開日:2017.05.01

腸管免疫を利用したスギ花粉症に対する新しい免疫療法

研究成果 医歯薬学

日本人の30%以上が罹患しているといわれるスギ花粉症。いまや国民病とも一部で呼ばれていますが、これまで、短期間で治す体質改善治療(免疫療法)はありませんでした。そこで、これまでになかった、カプセルを飲んで治す治療を新たに開発しました。これは、腸管免疫を利用した新しい免疫療法です。カプセルの中には、スギ抗原と多糖体の一種であるガラクトマンナンとの複合体が含有されており、これを花粉が飛散する前と飛散中の約2ヵ月の間毎日服用する方法です。近い将来、アレルギー体質を改善する新しい治療につながる可能性があります。

九州大学医学研究院耳鼻咽喉科学の中川尚志教授、九州大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科 村上大輔助教、澤津橋基広講師らの研究グループは、2010年からこの新しい免疫療法の研究及び治験を行ってきました。その結果、安全性も確認され、鼻症状、目の症状を軽減するだけでなく、治療のための薬物を減らす効果が認められました(表)。その結果は、最近掲載された論文含め4つの国際的な医学英文雑誌に発表されています。
スギ抗原-ガラクトマンナン複合体を用いた腸管免疫を利用した免疫療法は、従来の免疫療法では実現できなかった短期間で治療効果が期待できる新しい免疫療法です。最新の研究(論文)では、標準的治療に比べ、約6割、抗アレルギー薬を減らす効果が認められました。

本研究は和興フィルタテクノロジー株式会社、日本学術振興会の助成を受け行われました。この成果を報告した論文は2017年4月11日(火)に国際科学誌Scientific Reportsオンライン版にて発表されました。

短期間(約2ヵ月間)の免疫療法でスギヒノキ花粉飛散期中の症状-薬物スコアと特に薬物スコアの改善が認められました。

研究者からひとこと

内服量、投与期間など、まだ治療薬として市販されるには、改善すべき点がありますが、この画期的治療法は、他のアレルギー疾患の治療にも応用できる可能性があります。

研究に関するお問い合わせ先

九州大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 助教 村上 大輔

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