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研究成果

公開日:2017.06.19

世界最薄!局在プラズモンシートで細胞接着ナノ界面の可視化が可能に

研究成果 工学

 九州大学先導物質化学研究所の玉田薫教授、岡本晃一准教授、臼倉英治特任助教(現在名古屋大学)、博士課程1年の増田志穂美らの研究グループは、広島大学医歯薬保健学研究科の柳瀬雄輝助教、九州大学先導物質化学研究所の木戸秋悟教授、久保木タッサニーヤー助教らとの共同研究において、細胞が接着した「ナノ界面」の構造を高い時空間分解能で観察できる「局在プラズモンシート」の開発に成功しました。
2014年のノーベル化学賞に代表されるように、光の回折限界を超える空間分解能を持つ超解像度顕微鏡の開発が現在世界中で進められています。この技術によって生きた細胞内の分子の観察が初めて可能になりましたが、観察には非常に複雑で高価な装置が必要でした。
 本研究グループでは、金属ナノ粒子が規則配列した単層シートを蛍光観察基板として用いることで、現在最も「薄い」領域の観察に用いられている全反射蛍光顕微鏡の約10分の1の厚みの「ナノ」の領域のイメージングに、世界で初めて成功しました(図1)。この観察には金属ナノ微粒子の持つ「局在表面プラズモン」の効果を利用しています。
 この局在プラズモンシートを用いれば、細胞が接着した界面における「接着斑」の高解像度イメージングや、細胞内の分子の動きの高速観察を、ほぼ全ての生化学系の研究室が持っている汎用の蛍光顕微鏡下で行うことができます(図2)。超解像度蛍光イメージングを身近なものにしてくれるこの技術は、世界の生化学、医学の研究者の標準技術となることが期待されます。
 本研究成果は、国際科学誌Natureの姉妹誌である「Scientific Reports」において、2017年6月16日(金)午前10時(英国夏時間)に公開されました。

図1 a. 蛍光観察領域を示す模式図。左は局在プラズモンシート上(深さ10 ナノメートル)、右は全反射蛍光顕微鏡(深さ100ナノメートル)。 b. 上半分を局在プラズモンシートで覆った基板上でのラット細胞株の全反射蛍光像。局在プラズモンシート上では細胞接着斑が明確に確認できるが、ガラス基板上では細胞内の蛍光が重なり、接着斑が不明瞭である。

図2 ガラス基板と同じ細胞接着条件になるようにSiO2膜で被覆した局在プラズモンシート上で観察したラット細胞株の蛍光像。深さ方向だけではなく面内の解像度も大きく向上している。この画像は通常の落射蛍光観察条件(垂直入射光)で観察したもの(露光時間:30.5ミリ秒 )。

左から、久保木助教、増田(博士課程1年)、玉田教授
(九州大学先導物質化学研究所)

研究者からひとこと

この研究は、私たち女性研究者がチームを組んで行いました。

研究に関するお問い合わせ先

玉田  薫 先導物質化学研究所 教授
岡本 晃一 先導物質化学研究所 准教授
木戸秋 悟 先導物質化学研究所 教授
備考:久保木タッサニーヤー助教
http://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K004171/index.html

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