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研究成果

公開日:2017.11.16

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の新たな病態メカニズムの解明
- 短期間でNASHを発症する疾患モデルの開発を通して -

研究成果 医歯薬学

 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子細胞代謝学分野・九州大学大学院医学研究院病態制御内科学分野の小川佳宏教授と名古屋大学環境医学研究所分子代謝医学分野の菅波孝祥教授を中心とする研究グループは、短期間で非アルコール性脂肪肝炎(NASH: non-alcoholic steatohepatitis)を発症する“誘導性モデル”を新たに開発しました(図1)。本動物モデルを用いることにより、肝線維化を促進する疾患特異的マクロファージを同定しました。従来、脂肪肝がNASHに進行する機序は不明でしたが、この疾患特異的マクロファージが特徴的な微小環境(hCLS: hepatic crown-like structure)を形成することにより、NASHの発症に至ることを明らかにしました(図2)。本研究成果は、我が国においても増加が予想されるNASHの発症機序の解明、新規バイオマーカーや治療法の開発に繋がると期待されます。
 本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST)「生体恒常性維持・変容・破綻機構のネットワーク的理解に基づく最適医療実現のための技術創出」研究開発領域における研究開発課題「細胞間相互作用と臓器代謝ネットワークの破綻による組織線維化の制御機構の解明と医学応用」(研究開発代表者:小川佳宏)※の一環で行われました。また、文部科学省科学研究費補助金、東京医科歯科大学難治疾患研究共同拠点等の支援を受けて行われたもので、その研究成果は、国際科学誌JCI Insight (JCIインサイト)に、2017年11月16日午前9時(米国東部時間)にオンライン版で発表されました。
※なお、本研究開発領域は、平成27年4月の日本医療研究開発機構の発足に伴い、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)より移管されたものです。

 

 

研究者からひとこと

今回新たに確立した“誘導性NASHモデル”は1週間という短期間で肝線維化過程を評価できるため、病態解析や薬剤スクリーニングを効率的に行うことが可能です。さらに、本研究の結果より、特徴的な微小環境がNASHの発症に重要であることが明らかになりました。この微小環境を構成するNASH特異的なマクロファージサブタイプが明らかになったことにより、脂肪肝からNASHに進行する病態メカニズムの解明や、新しい治療戦略の開発に繋がることが期待されます。

研究に関するお問い合わせ先

医学研究院 教授 小川佳宏
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