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研究成果

公開日:2018.11.07

中低温作動可能な酸化物イオン伝導固体電解質型デバイスを開発
-センサ、酸素分離、SOFCの作動温度低下へ-

研究成果 理学 工学

【概要】
 九州大学(大学院総合理工学研究院 物質科学部門 島ノ江憲剛教授、渡邉賢准教授)と三井金属鉱業株式会社(東京都、代表取締役社長 西田計治)の共同研究により、600℃以下の中低温領域で作動が可能な酸化物イオン伝導固体電解質型デバイスの開発に成功しました。この開発により、固体電解質型ガスセンサや酸素分離膜、SOFCの低コスト化、低消費電力化を実現できるほか、今後のIoT社会における高性能な新規デバイスへの応用も期待されます。

【開発の背景・技術の特徴】
 現在、一般的な固体電解質型デバイスは、白金電極材料と酸化物イオン伝導性であるイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が主に利用されています。しかし、この固体電解質型デバイスは600℃以上の作動温度が必要なため、より低温で作動するデバイスが求められています。低温作動の固体電解質型デバイスの実現には、高性能な電極材料と固体電解質の開発および、これら材料の接合部での界面形成技術の改善が必要でした。
 本共同研究では、三井金属が独自の製造技術を用いて開発した高い酸化物イオン伝導率を示す配向性アパタイト型固体電解質に、九州大学が開発した高い酸素活性と混合伝導性を有するペロブスカイト型構造の酸化物電極材料の設計技術と界面形成技術を適用することで中低温領域での作動に有利な固体電解質型デバイスの開発に成功しました。
 三井金属が開発した固体電解質の酸化物イオン伝導率は、600℃でYSZの10倍以上、300℃で1000倍程度高い性能を有します。九州大学が開発した電極材料は、400℃以下での高い酸素活性と良好な混合伝導性を有します。これら材料の組み合わせで作製したデバイスでは、600℃の条件下で直流0.5Vを印加したときに161mA/cm²の電流値を示しました。この電気特性は、現在、一般的な白金電極とYSZ固体電解質を用いたデバイスと比べ、約27倍高い値となっており、作動温度領域が200℃程度低くなることを実証しました。

(デバイス断面模式図)

(固体電解質断面写真)アパタイト型ランタンシリケート系固体電解質はc軸に配向させることにより、高い酸化物イオン伝導性を示します。本共同研究で使用したc軸配向した柱状の多結晶体です。

(特性)本デバイスは、従来の白金電極を用いたイットリア安定化ジルコニアデバイスと比べて、200℃程度の低温化が可能です。

研究に関するお問い合わせ先

九州大学大学院総合理工学研究院 島ノ江 憲剛
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