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工学部高温度化学実験室

箱崎の近代建築物

工学部高温度化学実験室

解説

 基本的に応用物質化学機能教室のデザインを平屋に転用したもので、ごく丈の低いパラペット(手すり壁)をコーニス(装飾的な水平帯)状に陸屋根の周囲に巡らせている。実験室だけあって柱は高く、梁から天井への折上げも丁寧な仕上げである。

コメント

  • 昭和初期の鉄筋コンクリート造の建築物で大学内の化学研究に大切な役割を果たした。煉瓦造から鉄筋コンクリート造に移行した時期の実験施設であり、70年以上改造されることなく使われてきたことが重要。実験室といえども施工技術が優れている。
  • 周囲は緑に囲まれており、樹木と調和した景観を形成している。本来庇がある位置に凹凸を付けたタイルを配置するなど、タイルを窓や入口の庇に装飾的に用いて変化をもたらせている。
1.建設年 1932年、昭和7年
2.設計者または組織 各務 一雄
3.施工者(設備・基礎工事等請負会社が異なる場合は記載) 不詳
4.規模  
階数 地上1階
面積 278㎡
正面×側面 21m×15m
5.方位(正面玄関の向き) 北西(渡り廊下)
6.構造(木造、煉瓦、RC、鉄骨)(組合せもあり) 鉄筋コンクリート
7.増築時期(記録に基づく) -
8.大規模改修の時期(記録に基づく) -
9.利用状況 平成18年から閉鎖中
10.資料(図面等) 図面6枚有
11.経年(平成27年4月1日時点) 83年
12.耐震性能(Is,調査年度) -
13.耐震経年指標(T,調査年度) -
14.コンクリート中性化深さの平均(㎜) 48.0
15.コンクリート圧縮強度(N/m㎡) 25.9
16.受賞歴、または、文献(出版社等)への記載等
  • 平成17年度九州大学箱崎キャンパス内歴史的資源の現況調査成果報告書

参考文献

  • 平成17年度 九州大学箱崎キャンパス内歴史的資源の現況調査 成果報告書(平成19年2月 九州大学)
  • 九州大学箱崎キャンパスにおける近代建築物の評価報告書(平成24年12月 九州大学箱崎キャンパスにおける近代建築物の調査ワーキンググループ)