Research 研究・産学官民連携

形や動きの構造を探る、計算する、描く

芸術工学研究院 研究紹介

形や動きの構造を探る、計算する、描く。

大学院芸術工学研究院 コンテンツ・クリエーティブデザイン部門
教授 鶴野玲治

 コンピュータグラフィックスの技法を研究しています。ソフトウエア操作による制作ではなく、現実や仮想現実のさまざまな物体や現象を数理モデル化し、計算によって描き出す方法を探っています。写実的な形、見え方、動き、変化を求めるためには理論に基づいた厳密なシミュレーション計算で結果を求める必要があります。一方で最終的に提示される結果は画像や映像なので、人間がこれらから受け取る印象も大切です。時には現実を超えた迫力や魅力を持った効果をどのように出せるか、なども試行しています。

 水のような流体は、動きや形のモデル化が難しいのですが、造形的に面白いので研究対象としてよく扱っています。連続体なので計算しやすくするために離散化し、さまざまな現象に合わせて写実性と計算コストのバランスをとりながら計算方法を最適化させていきます。また、インタラクティブにコントロールする手法を提案しました。図1は仮想空間内で粒子シミュレーションモデルを使って描いた水です。薄い水膜が生成されています。図2はカップの中でエスプレッソコーヒーとクリームによって作られる仮想ラテアートです。コーヒーの液体空間の中でのクリームの動きをリアルタイムにシミュレートしています。

図1 粒子法シミュレーションで描いた水
Dam breaking test with our particle-based thin sheet preserving algorithm.

図2 仮想ラテアートのインタラクティブ計算
Virtual Latte-Art with interactive simulation.

■お問い合わせ先
大学院芸術工学研究院 コンテンツ・クリエーティブデザイン部門 教授 鶴野玲治