Research 研究・産学官民連携
芸術工学研究院 メディアデザイン部門
准教授 妹尾 武治
妹尾研究室では、視覚駆動性自己移動知覚(ベクション, Vection)の研究を主軸にし、心理学、芸術学、文学において、その人自身の「こころ」をなんらか表現し、自分を知ることを目指しています。
妹尾研究室の学生・卒業生の取組や活動から、研究についてご紹介します。
畑裕梨さんは、メディアデザインコース石井達郎准教授の政策総指揮の下、プルフリッヒ効果を用いた裸眼3D映像の制作に協力してきました。石井ラボ、小山理生さんが制作した作品は2022アジアデジタルアート大賞展FUKUOKAで受賞しています。畑裕梨は、その映像美に、ストーリーを加え、アニメーション作品としてさらに進化させる取り組みをしています。
妹尾ラボ初の博士号取得者Guo Xuanruさん。彼は、基礎的な心理物理学の実験に徹しました。今後も人間理解を基礎研究の面で支えてくれることと期待しています。
表現の場を“リハビリ・医療福祉”に据え、ベクション映像の提示による回復の促進を目指す“Virtual Heidi Project”を、卒業生で福岡リハビリテーション専門学校講師の社会人修士学生、池田幸広さんが進めています。
広告やテレビなどのメディアは、こころの領域です。塚本航太さんは電通九州と共同で給食の廃棄食品で釣り餌を作る「エサイクルプロジェクト」に取り組みました。テレビ制作者や広告などのメディアに関わる卒業生も多くいます。
2023年度日本バーチャルリアリティ学会大会において、学生が5件発表しています。
畑 裕梨さん
https://conference.vrsj.org/ac2023/program/doc/3C1-04.pdf
張 セイブンさん
https://conference.vrsj.org/ac2023/program/doc/1D1-03.pdf
大屋 陸さん
https://conference.vrsj.org/ac2023/program/doc/1D1-05.pdf
Guo Xuanruさん
https://conference.vrsj.org/ac2023/program/doc/1D1-04.pdf
妹尾 武治
https://conference.vrsj.org/ac2023/program/3A6.html
2023年度は、海外科学論文(査読あり)に2件登録ができました。
色彩学と、ベクションの研究です。
Hiramatsu, C., Takashima, T., Sakaguchi, H., Chen, X., Tajima, S., Seno, T., & Kawamura, S. (2023). Influence of colour vision on attention to, and impression of, complex aesthetic images. bioRxiv, 2023-06.
Kozaki T., Seno T., & Kitaoka A. (in press). "Illusory motion and vection induced by a printed static image under flickering ambient light at rates up to 100 Hz.", i-Perception.
妹尾ラボの研究成果の突端は、noteの連載「僕の心理学」で発表しました。
この連載は、多くの学生との長いディスカッションがいつも下敷きになっています。
特に大屋陸さんとの議論は、自身の作品に大きな刺激を与えており、彼なしに日々の執筆は行えなかったと思っています。
まだ開示できない、すごい作家たちもスタンバイしています。
お楽しみはこれからです。
ありがとうございました!
<関連記事>
・note「僕の心理学 番外編」(関わった仕事をまとめて見てもらえます。)
・「漫画 人間とは何か?(文響社出版)」内コラム「AIと人間は何がちがうのか?(妹尾武治著)」解説動画
・「僕という心理実験~うまくいかないのは、あなたのせいじゃない(光文社出版、妹尾武治著)」解説動画
・Webメディア「Emotional Link」掲載インタビュー(広告や経済についてまとめた文章です)
・西日本新聞掲載記事「決められた世界に愛されていた 心理学的決定論」(2022/7/31)
・note「Forbidden My Psychology "シン・最終回"」(12月から始めた新連載です。)
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准教授 妹尾 武治