Academics 学部・大学院等
Ⅰ.GPA制度の改定について
はじめに
GPA(Grade Point Average)制度1は、外国の多くの大学が採用している制度であり、グローバル化時代における国際的な成績評価システムとして、九州大学では、平成19年度入学生より導入しました。
導入から7年目にあたり、本GPA制度について、評語の考え方、到達目標(基準)と評価との関係について理解しやすくするため、評価基準をより明確にすることを目的に以下のとおり見直しました。見直しにより、大学全体の教育の質の向上とともに単位の実質化に繋がる効果が期待されることとなり、具体的には、学生には明確になった到達目標に向かって学習意欲をより高め、責任ある履修を行うこと、教員にはシラバスやルーブリック2 を活用したよりきめ細やかな指導を行うことが求められています3。
なお、実施スケジュールは以下のとおりです。
見直した事項
① 評語及びGPについて
◆ 留意点
◆ 見直し後(令和3年度以降に入学した学生から適用)
評語 | GP |
---|---|
S: Excellent 基準を大きく超えて優秀である | 4 |
A: Good 基準を超えて優秀である | 3 |
B: Satisfactory 望ましい基準に達している | 2 |
C: Pass 単位を認める最低限の基準には達している | 1 |
F: Fail 基準を大きく下回る | 0 |
⌘ 100点法への換算の目安(参考として示すもの)
S | A | B | C | F |
---|---|---|---|---|
90以上 | 89~80 | 79~70 | 69~60 | 59以下 |
◆ 参考・従来
評語 | GP | 100点法 |
---|---|---|
A: Excellent 特に優れている | 4 | 90以上 |
B: Good 優れている | 3 | 89~80 |
C: Fair 普通である | 2 | 79~70 |
D: Pass 一応の学修成果があり、単位は認める | 1 | 69~60 |
F: Fail 不合格 | 0 | 59以下 |
(60点を合格とする。「各学部規則」)
② 再履修科目の取扱いについて
平成26年度までは評価がFの科目のみ再履修が可能でしたが、平成27年度以降は履修する科目の評価がFあるいはC(令和2年度までの入学者はD)である場合に再履修することができることとしました。その場合の評価(GP)は再履修によって得た評価に置き換え、GPAに算入します。
ただし、平成26年度までに履修した科目の評価はこの対象とはしません。
また、この制度は再履修の機会を必ずしも保証するものではありません(詳細は後述の「4.再履修について」を参照)。
③ 卒業の目安について
平成28年度の学部入学生よりGPA2.0を卒業の目安とします。
Ⅱ.GPA制度の概要(Ⅰの内容と一部重複する部分あり)
1.GPA制度とは
GPA(Grade Point Average)制度は、外国の多くの大学が採用している制度で、グローバル化時代における国際的な成績評価システムとして、平成28年度において、学部段階では665大学(90%)が採用しています(文部科学省調査「大学における教育内容等の改革状況について」)。
本学のGPAは、履修登録した科目毎の5段階評価(S・A・B・C・F)を4から0までのGP(Grade Point)に置き換えて単位数を掛け、その総和であるGPT(Grade Point Total)を履修登録単位数の合計で割った平均点6となります。
GPA(Grade Point Average)=GPT(Grade Point Total)/履修登録単位数 GPT(Grade Point Total)=[GP(Grade Point)×当該科目の単位数]の総和 |
◆ 実際の計算式の例
科目名等 | 単位数 | 評語 | GP | 単位数×GP |
---|---|---|---|---|
○○基礎 | 2 | S | 4 | 8 |
△△基礎 | 2 | A | 3 | 6 |
○○演習 | 2 | B | 2 | 4 |
△△演習 | 1 | C | 1 | 1 |
□□演習 | 1 | F | 0 | 0 |
単位数合計 | 8 | - | - | - |
GPT | - | - | - | 19 |
GPA | - | - | - | 2.38 |
2.成績評価基準等について
成績評価等は、以下の評語(S~F・W・R)で表します。A~Fには、それぞれ下記に示すGPを付与します。
評語 | GP |
---|---|
S: Excellent 基準を大きく超えて優秀である | 4 |
A: Good 基準を超えて優秀である | 3 |
B: Satisfactory 望ましい基準に達している | 2 |
C: Pass 単位を認める最低限の基準には達している | 1 |
F: Fail 基準を大きく下回る | 0 |
W: Withdrawal 履修中止 |
- |
R: Recognition 認定科目 (合否判定科目等。本学以外で修得した科目を単位認定したもの) |
- |
3.各授業の到達度・履修上の注意・履修中止制度
上述2.に示した評価基準については、各授業の担当教員がシラバスやルーブリック7で周知します。学生は、学修の効果を高めるためにも、シラバス等に記載されている到達目標のほか、授業計画及び到達度評価について、授業開始前に十分に確認しておく必要があります。
各シラバス等は以下ウェブサイトから参照できます。
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/faculty/class/learning/syllabus/department
当該学期中は、教員・学生ともに、シラバス、ルーブリックを活用しながら授業に取り組み、学生は、終了した学期のGPAなどをはじめ成績評価を確認した上で、必要に応じて教員から履修指導・助言を受けながら、次の履修計画を立て、学修を進めていきます。科目の履修を途中で「放棄」した場合には、不合格の「F」の評価となり、GPAの値に反映されます。よって、科目選択はシラバス・ルーブリックの内容をよく確認し、慎重に行わなければなりません。
ただし、履修登録後であっても、授業内容が想定していたものと異なっていたり、履修上必要な知識が不足している等の理由で、履修を中止したい場合は、各学部等で定められた履修中止申請期間内であれば、「履修中止」の措置をとることができます。
この場合、履修放棄とはみなされず、従ってGPAには反映されません。履修中止が申請できる科目は、選択科目、選択必修科目等(集中講義を除く)とし、集中講義形式の科目については履修中止を認めません。
また、特例として、修学途中で、病気や特別な事情等で学修が継続できない場合は、履修中止申請時期を問わず、修学指導教員や修学相談員からの申請により履修中止を認めることができます。
履修中止申請期間については、別表 のとおりです。
4.再履修について
平成27年度以降にF(GP=0)あるいはC(GP=1、令和2年度までの入学者はD)と評価された科目は再履修することができます9。(平成26年度以前のD評価の科目については再履修できません。また、平成26年度以前にF評価であった科目について再履修した場合は、再履修後の評価のみならず、再履修前のF評価についても成績として残ります。)当該科目について再履修した場合、過去に得たFあるいはCの評価(GP)は、再履修によって得た評価(GP)に置き換えられます。
ただし、F及びCの成績評価のついた科目全てについて再履修できることを保証するということではなく、クラス規模によっては再履修の希望が実現できないなど、再履修が認められない場合もあるため、予めその可否については各学生において確認が必要です。再履修はあくまでも例外的な措置として捉え、(初回の)履修時に責任をもって履修に努める必要があります。
なお、再履修後の評価が再履修前より低い評価であっても、再履修によって得た評価に置き換えられるため注意が必要です。(例えば、C評価であった科目が再履修でF評価となった場合、その科目についてはFに置き換えられ、単位も認められなくなります。)
5.GPA算出除外科目
基本的に全ての科目についてGPA算出対象としますが、例外的に以下に示した授業科目はGPA算出の対象外となります。
① 評点を付さずに「合・否」等で評価する科目(合否判定科目等)
② 本学以外で履修した科目を単位として認めたもの
また、上述の科目に加えて、各学部等において、やむを得えない理由により、例外的にGPA算出除外科目を設定する場合もあります。
GPA算出除外科目については以下のとおりです。
【GPA算出除外科目一覧(入学年度別)】
6.成績証明書および学生ポータル成績照会画面の記載について
① 成績証明書
合格または不合格の評価を得た授業科目の成績全てが記載されます。
ただし、以下に該当する成績の評価は記載されません。
②学生ポータルの成績照会画面(保護者による成績照会画面も同様)
①に記載の授業科目の成績全て(履修中止の手続きを行った授業科目を含む)が記載されます。
ただし、同一の授業科目を再履修することによって以前に得た評価の置き換えを行った場合、以前の評価(置き換えられる前の評価)は記載されません。
7.その他