Academics 学部・大学院等

平成19年度採択プログラム概要

平成19年度採択プログラム概要

平成19年度「大学院教育改革支援プログラム」

平成19年度「専門職大学院等教育推進プログラム」

  • 九州・沖縄連携実習教育高度化プロジェクト
    -大学を超えた協働と競争による新たなシナジーを目指して-
     九州大学,熊本大学,鹿児島大学,琉球大学の各法科大学院が結ぶ教育連携協定を基盤として,模擬裁判,ロイヤリング,エクスターンシップ,リーガル・クリニックなどのいわゆる「実習科目」について,遠隔講義システムの利用や,地元弁護士会や自治体との連携・協力,教育コンテンツの工夫 を行い,「大学の枠を超えた共同実践」,「地域に貢献する実践」,「教育コンテンツの研究開発による充実」を主題とする取り組みを実施します。

平成19年度「がんプロフェッショナル養成プラン」

  • 九州がんプロフェッショナル養成プラン
     本年4月に施行された「がん対策基本法」に則り,がん医療に対する専門的な知識及び技能を有する医療従事者を養成し,九州どこにいても質の高いがん医療が受けられる(がん医療の均てん化)ことを実現するための教育プランです。
     具体的には,九州の13の大学,地域のがん拠点病院および緩和ケア専門病院が連動した一大九州医療ネットワーク(九州がんプロフェッショナル養成協議会:本部は九州大学)を構築し,行政や医師会との連携を深めつつ九州全域の質の高いがん医療の均てん化に向かって成長し続けるように作られています。
     特徴的なことは,単に複数の大学が集合するのではなく,各大学は各々の特色を生かした独自の教育プログラムを作成し,互いの教育プログラムを共有することで1+1=2以上の質の高い教育が実現可能なように工夫されている点です。本教育プログラムを終了した医療従事者は,この医療ネットワークを通じて九州各地へ配置され,がん医療の専門医として,さらには,次のがん医療の担い手を育成するための指導者として活躍することになります。

【ホームページ】 http://www.k-ganpro.com/

平成19年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」

  • 地域環境・農業活用による大学教育の活性化
     -ネットワーク型農学校が大学と地域社会の未来像を創造する-

     九州大学と糸島地域が有機的連携を図り,農業を基盤とする地域の持続的発展と調和した新しい学生教育学習基盤の形成を目指します。すなわち,糸島地域に分散する農地や畜舎等の生物生産基盤,森林・ため池・河川等の環境資源,歴史的・文化的資源等を集約したネットワーク型農学校を創設し,これを核に参加型・体験型学生教育・地域活性化プログラムを構築します。
     具体的には,(1)農業体験実習プログラム,(2)農村留学プログラム,(3)小中学校体験学習受入プログラム,(4)シルバー世代受入プログラム,(5)教育研究のための地域資源有効利用プログラムから構成されます。体験学習や世代間交流を通して,学生の食・環境・地域文化に対するセンスや学生自らの課題設定・解決能力を養いつつ,同地域との人的交流の深化によりコミュニケーション能力,マネージメント能力,ファシリテ-ション能力を育成します。得られた成果は同地域に還元し,地域社会の活性化を促します。

    【ホームページ】 http://itoshima-gp.bpes.kyushu-u.ac.jp/

  • 医療コンテンツプロデューサー育成事業
     医療従事者教育においては患者の動画などの患者視覚情報コンテンツを用いた教育が必要不可欠です。患者視覚情報コンテンツの創造においては,患者の人権に十分配慮してコンテンツ生データを修得した後で,確実な不特定化処理と権利処理を行う必要がありますが,医療基盤とコンテンツ創造能力,不特定化処理を含む権利処理能力をあわせ持つ医療コンテンツプロデューサーは育成されていません。
     本取組では,医療系部局,権利処理系部局(知的財産本部,法学府),情報処理系部局(情報統括本部,芸術工学府)の連携のもとで,患者視覚情報コンテンツの創造,保護,活用に関わる医療コンテンツプロデューサーや医療コンテンツを理解した指導的医療従事者を育成します。教育対象は,将来の教員や指導的医療従事者育成の場でもある医療系大学院の1年次学生としています。講義やコンテンツ作成実習を行い,講義等は「知のアーカイブ」として蓄積,公開します。
  • 間違い探しを基盤とする洞察力育成医療教育
     患者は,個々の疾患のみを治療する医療従事者ではなく,患者の状態を総合的に判断し,最善の治療を行う医療従事者を求めています。したがって,医療従事者教育においては医療に関する基盤的知識の教授,十分な臨床経験の付与だけでなく「洞察力育成」が求められています。しかしながら,これまでの医療従事者教育においては医療において必須の洞察力育成が十分に行われていません。
     本取組では,ICTを利用した「間違い探し」によって学生の洞察力を育成します。学生は与えられたコンテンツの中にある不定数の間違いを探し出すことにより洞察力を育みます。「間違い探し」においては,学生に正答情報だけでなくフィードバック情報も提供し,深い基盤的知識も教授します。さらに,「間違い探し」を動画コンテンツでも行うことにより擬似医療経験もあわせて付与します。
     学生の個別学習到達度情報,領域正答率情報等は教員にフィードバックし,個別指導,教育内容改善に活用します。

平成19年度「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」

  • 対人援助職を対象とした専門性を高めるためのスキルアッププログラム
     現代社会の心の問題を臨床心理学的アプローチによって解決していくためには,各領域での専門家(医師・看護師・教師・社会福祉士等)との連携が必要不可欠で,(1)臨床心理士の専門性をより高めること,(2)各領域の専門家の臨床心理学的理解を高めることの2点が重要です。また,各領域において対人援助職のバーンアウトが問題となりつつあります。
     そこで,本教育プラグラムにおいては,各領域の対人援助職の若手専門家(経験5年未満)を対象に,(1)各領域別の臨床心理学的内容,(2)各領域合同の内容,(3)バーンアウト予防としてのストレスマネジメント教育も行います。
  • ポストR&D創成能力向上の為の実践的統合教育プログラムの開発
     本事業は,研究(R)・開発(D)業務に従事する社会人を 対象に,研究成果が効率よく事業化に結びつくよう創成能力(IMOP: Integrated Management of Production)の向上を図る,学び直しの統合教育プログラムです。
     本カリキュラム開発は,九州大学が保有する教育・研究資源と,知識・経験豊富な企業が連携して行うもので,講義では,基礎研究・技術開発・工業化役務及び 生産業務の各段階に於ける手法・評価等の業務フローを「見える化」した開発教材を活用し,事例演習を加味して,受講生の基礎力を向上させることを目標としています。
     この教育効果として,受講生が自主的に業務の上工程,下工程を認識・判断できる能力を高め,創成能力を修得することで,ものづくりインストラクター,ゼネラル スペシャリストにキャリアアップを図ると共に,ひいては所属企業の研究投資効率向上に寄与したいと考えています。

平成19年度「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」

  • 女性医療人きらめきプロジェクト -魅力ある職場での生涯現役をめざして-
     医学部女子学生は年々増加し,その比率は30%を超えており,今後10年を待たずして勤務医の約半数が女性医師で占められると言われています。また,医師の都市偏在のため多くの地方の病院が医師不足に悩まされており,女性医師が今後増えてくる新しい状況に女性が継続して働ける環境を作らなければ医師不足や医療格差の問題は益々深刻となり,男性医師を含めた職場環境の悪化を招くことが予想されます。
     本取組では,ライフステージにより休職や離職を余儀なくされる女性医師や看護師のプロフェッションの継続,休職後の復帰支援のため広く内外に開かれた女性医療人教育研究実践センターを新設し,人材バンク機能とともに継続的学習・研修を可能とするシステムを提供します。
  • 良質な医師主導臨床試験支援人材の育成 -日本人のためのエビデンス構築の基盤整備-
     近年,最適,最良の医療を広く国民に提供する手法として,国内各学会が診療ガイドラインを作成しています。ガイドラインの根拠となるものの大半は,臨床試験によって構築されたエビデンスで,エビデンスの構築には医師主導の臨床研究の基盤整備が不可欠です。
     本取組では,医師主導の臨床試験の支援体制を構築すること,特にオンザジョブトレーニング,ポートフォリオ評価による学習達成度の確認,大学院教育プログラム等との連携を通じて良質な臨床試験支援人材を養成することで,日本発の日本人のためのエビデンス環境を整備することと,採択された臨床試験の支援業務を通じて,臨床試験を実施する研究者の人材育成を行います。

平成19年度「原子力人材育成プログラム」

  • 原子力教育支援プログラム
     本プログラムの目的は,九州大学が有する実験施設及び装置等を用いて,原子力産業の分野で活躍できる人材の育成のための有効なカリキュラムを実現することです。
     中心テーマとして中性子の減速・拡散の実験を取り上げ,講義と実験演習及び発表討論を通して,理論の実際の現象の間を繋ぐ直感力・想像力,さらにはコミュニケーション能力を涵養するようなカリキュラムを構築することを第1の目標とし,第2の目標は,新しい補助教材の開発です。
     3年間の期間の中で,産業界から講師を招いた論評や,教員間の意見交換といった実践的なFDを実施して,前年度の成果を効率的にフェードフォワードするほか,各講義間の連携を密接にするなどして,学生の実力に最も適したカリキュラムと教材を開発します。

平成19年度「大学教育の国際化推進プログラム」

  • 若手教員の国際教育能力育成プログラム
     わが国の口腔健康科学における研究水準等は世界を凌駕していますが,国際社会においてそれに見合う地位を確保できていません。さまざまな要因が指摘されていますが,国際感覚の欠如,国際討議能力の欠如等が要因とされています。
     本プログラムにおいては九州大学の全面的なバックアップ体制のもとで,将来の教育を担う若手教員(助教)を対象に国際感覚の習得,国際討議能力および教育能力の飛躍的発展を目的として,競争的原理のもとで5段階の事業を行います。段階化された事業を行うことによって広範囲な若手教員の育成を行うとともに,競争的環境による積極性も育成します。最終段階の事業に選考された教員を海外の教育研究機関等に派遣し,国際感覚,国際討議能力をベースとした教育能力および教育内容・方法等を飛躍的に向上させます。