International 国際交流・留学

出石 琴美さん

世界のキャンパス

出石 琴美(いでいし ことみ)さん

共創学部4年
留学国:スウェーデン
留学先:ストックホルム大学
期 間:2022年8月~2023年6月

マイナス20℃の国にて、興味分野「差別と偏見」を探究

私はジェンダー差別の解決に貢献するという夢を持ち、今回スウェーデンのストックホルム大学に留学の機会を得て、ジェンダー学、社会学、地理学、教育学、比較史のクラスを履修し、差別や偏見について深く学ぶ10カ月間を過ごしました。
スウェーデンは平等主義の国として知られていますが、近年、反移民や反フェミニズムの風潮が高まり、社会に大きな変化が起こっています。この潮流による新たな差別の実態やメカニズムを学際的に理解するために、現地で授業や先行研究を通してデータを収集し、最終的には自身の論文を書き上げました。

休日の過ごし方・留学して良かったことは?

休日は勉強や研究に充てる時間が多かったです。合間を縫って国内外を旅行をし、異なる文化や食、美しい風景を楽しむことができました。特にヨーロッパでは、学生は美術館の入館料が無料であることが多いため、美術館巡りをよくしていました。大好きな芸術家の作品の数々を直接見ることができ、忘れられない経験となりました。
他にも、休日も大学に赴き、言語カフェでコーディネーターとして働いたり、スウェーデン語を教えてもらったりして実りのある時間を過ごすことができました。
また、スウェーデンには「フィカ」という文化があり、仕事や学業の間に人々とお茶しながら交流する時間を重要視します。私も友人や教授、ホストファミリーと毎日「フィカ」を経験し、仲を深めました。自分が育ってきたものとは異なる文化が自分のものになる感覚は本当に面白く、長期留学を選んでよかったと強く思っています。

留学経験をどのように活かしていきたいか?

多様な背景や異文化への共感を持ち意見を交わすことで、学問的かつ批判的な新しい視点を得て、留学先から最大限の学びを持ち帰ることができました。この学びを、ジェンダー差別の解決に向けた基盤と原動力にして進んでゆきます。

留学を考えている人へメッセージ!

勉強してみたいことや見てみたいものをとことん掘り下げ、留学したい国や地域、大学をぜひ時間をかけて選んでください。留学が終わった後に「やっぱりここにして良かった!」と胸を張って言えるかどうかは、準備期間のうちにどれだけ具体的に留学生活を考えられたかにかかっていると感じました。準備に全力で取り組み、留学先でも新たに設定した目標に向かって突き進んでください!

日本語を学ぶ学生と日本語話者の学生が異文化交流をする言語カフェ。私はコーディネーターとして、参加してくれる学生が楽しんで学べるように、会話の中に工夫を凝らしていました。

大学内でお花見を企画しました。場所は、日本から贈られた桜が満開のスウェーデン王立公園です。

スウェーデンの美しい風景です。シャッターを押す指が止まりませんでした。

世界で最もオーロラが美しく見られる場所として有名なスウェーデン・アビスコへ。北極圏の大地に先住民族サーミ人の伝統が息づいており、自然と人々が形作った伝統に感激するばかりでした…。

留学生のごはん事情

トーストスカーゲン

ランチは、ホストマザーが作ってくれた朝食や前日のディナーを詰めてお弁当にして持っていっていました。お気に入りは、スウェーデンの伝統的な朝食、トーストスカーゲンです。
香ばしいトーストに新鮮な甘エビとディル風味のマヨネーズを和えたものがのせられています。
※ディル:セリ科 ハーブの一種

留学先情報

ストックホルム大学
スウェーデンの首都ストックホルムに位置するストックホルム大学は、広大な敷地に複数のキャンパスを有する。メインキャンパスであるフレスカティは美しい自然、ユニークな建築物、モダンアートが特徴である。研究と密接に関わりながら幅広い教育を提供しており、他大学との提携や公共機関などとの連携を通じ、社会の発展に貢献。その他、質の高い研究・教育の必須条件である国際協力の拡大にも積極的に取り組んでいる。世界で最も権威ある国際賞「ノーベル賞」において、ストックホルム大学では過去に4名の研究者が受賞。授賞式は毎年ストックホルム大学のアウラ・マグナ講堂で開催される。その他、実業家や政治家も多数輩出しており、ヨーロッパで評判の良い大学の一つである。

 

※このインタビューは九大広報vol.128(2023年12月発行)に掲載したものを一部編集しています。

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