Close Up 九大 有機素材の研究で世界へ羽ばたく

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新機能の開拓、
未知なる可能性を秘めた機能有機材料の世界

2014 年に九大伊都キャンパスにて発足した安田研究室。機能有機材料化学を専門とする安田琢麿教授を筆頭に、現在20 名の学生・研究院が在籍しています。IOT 社会の進展を見据え、さまざまな機能性をもつ新しい有機材料を数多く創出し、有機エレクトロニクスデバイスの開発へと研究を展開していきました。

新機能の開拓、
未知なる可能性を秘めた機能有機材料の世界

2014 年に九大伊都キャンパスにて発足した安田研究室。機能有機材料化学を専門とする安田琢麿教授を筆頭に、現在20 名の学生・研究院が在籍しています。IOT 社会の進展を見据え、さまざまな機能性をもつ新しい有機材料を数多く創出し、有機エレクトロニクスデバイスの開発へと研究を展開していきました。

まだ見ぬ新しい有機材料の創出を目指し、
やがては社会に役立つデバイスへ。

Close Up 九大_イラスト

有機材料の中でも特に光、電子機能に注目しているという安田研究室。光ったり、電気を流したり、刺激で色が変わったりする有機化合物が研究の主役です。現在、私たちの身の回りでは、シリコンベースの無機半導体を基盤としたエレクトロニクス技術が広く社会に浸透していますが、安田研究室では有機化合物でできた有機半導体を主な研究対象としています。有機半導体に関しては、1950 年頃に生まれた比較的新しい研究分野ですが、なぜ安田研究室は有機半導体に注目しているのでしょうか。

例えば、私たちがよく知っている太陽電池はシリコンでできており、黒っぽい色、どっしりとした形状で住宅の屋根などに設置されています。これを有機半導体で作れば、薄くて軽くて紙のようにフレキシブルで、色やデザイン性に富んだ太陽電池をつくることが可能となり魅力的です。しかし、耐久性が高い無機のものに比べ、有機だと強い太陽光を浴び続けると劣化してしまう問題も。無機には無機の良さがあり、有機には有機の魅力がある。適材適所で選択していくことが大切です。安田研究室では、化学の力を最大限に駆使し、秀逸な機能や面白い特性をもつ有機材料やデバイスの開拓を目指して、学生・研究員が協力して日々研究に取り組んでいます。

Close Up 九大_学生紹介

まだ見ぬ新しい有機材料の創出を目指し、やがては社会に役立つデバイスへ。

有機材料の中でも特に光、電子機能に注目しているという安田研究室。光ったり、電気を流したり、刺激で色が変わったりする有機化合物が研究の主役です。現在、私たちの身の回りでは、シリコンベースの無機半導体を基盤としたエレクトロニクス技術が広く社会に浸透していますが、安田研究室では有機化合物でできた有機半導体を主な研究対象としています。有機半導体に関しては、1950 年頃に生まれた比較的新しい研究分野ですが、なぜ安田研究室は有機半導体に注目しているのでしょうか。

例えば、私たちがよく知っている太陽電池はシリコンでできており、黒っぽい色、どっしりとした形状で住宅の屋根などに設置されています。これを有機半導体で作れば、薄くて軽くて紙のようにフレキシブルで、色やデザイン性に富んだ太陽電池をつくることが可能となり魅力的です。しかし、耐久性が高い無機のものに比べ、有機だと強い太陽光を浴び続けると劣化してしまう問題も。無機には無機の良さがあり、有機には有機の魅力がある。適材適所で選択していくことが大切です。安田研究室では、化学の力を最大限に駆使し、秀逸な機能や面白い特性をもつ有機材料やデバイスの開拓を目指して、学生・研究員が協力して日々研究に取り組んでいます。

Close Up 九大_学生紹介

幅広い研究ができるのが安田研究室の特徴。
厳しくも優しいチームメイトの絆。

Close Up 九大_イラスト

分子設計・合成から、物性解析、デバイス評価まで横断的に研究を展開しているのが、安田研究室の大きな特徴。学生・研究員の多くも、ひとつの工程だけに留まらない幅広い経験ができるところに魅力を感じて所属を決めたそうです。通常だと物理系の研究者がフラスコを使う合成実験を行うことはありませんが、安田研究室では全メンバーが九州大学のスーパーコンピュータ(ITO) を使っての量子化学計算や有機合成、半導体デバイス評価など、横断的に研究を行っています。「他の研究室では担当が分かれている工程も、ウチでは全部自分の手でやることができる。それはとてもやりがいがあって素晴らしいことです」と研究員の皆さん。安田研究室で研究したい!と、海外からやってくる人が多いのもうなずけます。

Close Up 九大_研究風景

一連の研究を行うことで知識や経験は増えていきますが、反面、その幅広さによる大変さも実感する毎日。ときには思うように化合物の合成ができないなど、研究に焦りを感じることもあるそうですが、安田教授をはじめ研究室のメンバーはチームメイトという絆があり、ときには厳しく、そして優しく支え合っている姿があります。「最近の学生、特に日本人はおとなしい学生が多いと感じます。私が学生の頃は、実験中もずっと話をしていました。

Close Up 九大_交流風景

大半は無駄話ですが、そこから有益な研究の議論に発展することも。その中から新しいアイデアが生まれることもあると思います」。そんな安田教授の想いから、毎週金曜日の午後には自由参加型の「Tea Party」を開催するように。参加したメンバーは、日本語や英語を使って研究について熱く語ったり、のんびりと世間話をしたりと、自由な時間を過ごしているそうです。現在、安田研究室に所属する約4割が、中国や韓国、インド、ドイツからの外国人。多彩なバックグラウンドやスキルを持つメンバーによって、研究だけでなく日常的な交流の活性化も狙った施策が、研究室にあたたかい光景を繰り広げています。

Close Up 九大_学生紹介

幅広い研究ができるのが安田研究室の特徴。厳しくも優しいチームメイトの絆。

分子設計・合成から、物性解析、デバイス評価まで横断的に研究を展開しているのが、安田研究室の大きな特徴。学生・研究員の多くも、ひとつの工程だけに留まらない幅広い経験ができるところに魅力を感じて所属を決めたそうです。通常だと物理系の研究者がフラスコを使う合成実験を行うことはありませんが、安田研究室では全メンバーが九州大学のスーパーコンピュータ(ITO) を使っての量子化学計算や有機合成、半導体デバイス評価など、横断的に研究を行っています。「他の研究室では担当が分かれている工程も、ウチでは全部自分の手でやることができる。それはとてもやりがいがあって素晴らしいことです」と研究員の皆さん。安田研究室で研究したい!と、海外からやってくる人が多いのもうなずけます。

Close Up 九大_研究風景

一連の研究を行うことで知識や経験は増えていきますが、反面、その幅広さによる大変さも実感する毎日。ときには思うように化合物の合成ができないなど、研究に焦りを感じることもあるそうですが、安田教授をはじめ研究室のメンバーはチームメイトという絆があり、ときには厳しく、そして優しく支え合っている姿があります。「最近の学生、特に日本人はおとなしい学生が多いと感じます。私が学生の頃は、実験中もずっと話をしていました。大半は無駄話ですが、そこから有益な研究の議論に発展することも。その中から新しいアイデアが生まれることもあると思います」。そんな安田教授の想いから、毎週金曜日の午後には自由参加型の「Tea Party」を開催するように。

Close Up 九大_交流風景

参加したメンバーは、日本語や英語を使って研究について熱く語ったり、のんびりと世間話をしたりと、自由な時間を過ごしているそうです。現在、安田研究室に所属する約4割が、中国や韓国、インド、ドイツからの外国人。多彩なバックグラウンドやスキルを持つメンバーによって、研究だけでなく日常的な交流の活性化も狙った施策が、研究室にあたたかい光景を繰り広げています。

Close Up 九大_学生紹介

材料化学の研究は、宝探し。
諦めずに努力を続ければきっと成功(宝)を掴めるはず。

Close Up 九大_イラスト

安田研究室に所属する学生・研究員は、皆目標とする物性や機能を担ったオリジナル分子をデザインします。論文では一見簡単そうに見えても、実はとても根気と努力が必要です。結果的に、合成に成功しないことや目指す機能が発現しないことも。「そういった意味では、材料化学の研究は宝探しと似ている気がします。宝がどこにあるかという鋭い嗅覚、それを掘り起こすための根気や忍耐、気合いなども必要になるでしょう。まずは、自分の研究を好きになって面白いと思うこと。その上で自分の信じたものを諦めずに、コツコツと努力を積み重ねられる人は材料研究には向いていると思います」。安田教授と学生・研究員の皆さんは、今日もまだ見ぬ新しい宝と出会うために、研究に目を輝かせています。

材料化学の研究は、宝探し。諦めずに努力を続ければきっと成功(宝)を掴めるはず。

安田研究室に所属する学生・研究員は、皆目標とする物性や機能を担ったオリジナル分子をデザインします。論文では一見簡単そうに見えても、実はとても根気と努力が必要です。結果的に、合成に成功しないことや目指す機能が発現しないことも。「そういった意味では、材料化学の研究は宝探しと似ている気がします。宝がどこにあるかという鋭い嗅覚、それを掘り起こすための根気や忍耐、気合いなども必要になるでしょう。まずは、自分の研究を好きになって面白いと思うこと。その上で自分の信じたものを諦めずに、コツコツと努力を積み重ねられる人は材料研究には向いていると思います」。安田教授と学生・研究員の皆さんは、今日もまだ見ぬ新しい宝と出会うために、研究に目を輝かせています。

何事もまずは「好き」から。
それが次の新しい扉を開く鍵。

何事もまずは「好き」から。
それが次の新しい扉を開く鍵。

研究を好きになって、とことん楽しむ。
その想いから生まれたもので社会貢献を。

Close Up 九大_イラスト

現在、安田研究室では、複数の民間企業との共同開発も進行中です。2013 年からスタートした株式会社リコーとの共同研究では、室内環境で特に優れた発電性能を発揮するフレキシブル環境発電デバイスが開発され、すでに実用段階まできています。また、その他にも有機EL の共同研究なども活発に進められており、近い将来、安田研究室から生まれた有機材料が利用されたスマホなどを手にするときが来るかもしれません。「私たちの分子技術が社会に活用展開される。材料化学に関わる研究者にとって、これほど嬉しいことはありません。しかし、根底にあるのはあくまでも基礎研究を大切にしたもの。その結果として、社会貢献へとつながれば理想的です」。まずは心が動かないと研究に夢中になれない。安田研究室に所属する学生・研究員の目がキラキラと輝いているのは、安田教授の研究への熱い想いを受け継いでいるから。『好き』『楽しい』という純粋な気持ち、そしてチームワークを大切にしながら、新たな研究にチャレンジしています。

Close Up 九大_研究風景

研究を好きになって、とことん楽しむ。その想いから生まれたもので社会貢献を。

現在、安田研究室では、複数の民間企業との共同開発も進行中です。2013 年からスタートした株式会社リコーとの共同研究では、室内環境で特に優れた発電性能を発揮するフレキシブル環境発電デバイスが開発され、すでに実用段階まできています。また、その他にも有機EL の共同研究なども活発に進められており、近い将来、安田研究室から生まれた有機材料が利用されたスマホなどを手にするときが来るかもしれません。「私たちの分子技術が社会に活用展開される。材料化学に関わる研究者にとって、これほど嬉しいことはありません。しかし、根底にあるのはあくまでも基礎研究を大切にしたもの。その結果として、社会貢献へとつながれば理想的です」。まずは心が動かないと研究に夢中になれない。安田研究室に所属する学生・研究員の目がキラキラと輝いているのは、安田教授の研究への熱い想いを受け継いでいるから。『好き』『楽しい』という純粋な気持ち、そしてチームワークを大切にしながら、新たな研究にチャレンジしています。

Close Up 九大_研究風景

『 未来を変えるかもしれない分子との出会いがここにはあります 』

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「One molecule can change society( ひとつの分子が社会を変える)」大げさかもしれませんが、そんな想いで毎日研究を行っています。もしも自分たちの開発した発光材料が、毎日使うスマホのディスプレイに実装されたら・・・。想像するとワクワクしてきませんか?そのワクワク感が新しい有機材料を開発する第一歩です。「好き」「面白そう」という純粋な想いを大切に、一緒に研究を進めていきましょう!

やすだ たくま

安田 琢麿教授

2010 年九州大学大学院工学研究院応用化学部門准教授として着任。2014 年九州大学稲盛フロンティア研究センター教授、安田研究室発足。2022 年より九州大学高等研究院教授。専門は機能材料化学、物理有機化学、光化学、有機エレクトロニクス。

Close Up 九大_安田先生
 

『 未来を変えるかもしれない分子との出会いがここにはあります 』

「One molecule can change society( ひとつの分子が社会を変える)」大げさかもしれませんが、そんな想いで毎日研究を行っています。もしも自分たちの開発した発光材料が、毎日使うスマホのディスプレイに実装されたら・・・。想像するとワクワクしてきませんか?そのワクワク感が新しい有機材料を開発する第一歩です。「好き」「面白そう」という純粋な想いを大切に、一緒に研究を進めていきましょう!

Close Up 九大_安田先生

やすだ たくま

安田 琢麿教授

2010 年九州大学大学院工学研究院応用化学部門准教授として着任。2014 年九州大学稲盛フロンティア研究センター教授、安田研究室発足。2022 年より九州大学高等研究院教授。専門は機能材料化学、物理有機化学、光化学、有機エレクトロニクス。

 

※本内容は「九大広報126号(令和4年12月発行)」に掲載されています。

※本内容は「九大広報126号(令和4年12月発行)」に掲載されています。