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About 九州大学について
法の整備-学校教育法
まず、今回改正された学校教育法では、第53条の「大学には、学部を置くことを常例とする。ただし、当該大学の教育研究上の目的を達成するため有益かつ適切である場合においては、学部以外の教育研究上の基本となる組織を置くことができる。」の規定に加えて、新たに第66条に「大学院を置く大学には、研究科を置くことを常例とする。ただし、当該大学の教育研究上の目的を達成するため有益かつ適切である場合においては、文部大臣の定めるところにより、研究科以外の教育研究上の基本となる組織を置くことができる。」と規定されました。
これによって、「学部」とともに、「研究科」も教育研究上の基本となる組織として位置付けられるとともに、ただし書によって、「研究科」以外の基本組織の設置が可能となりました。
法の整備-国立学校設置法
学校教育法の改正を受けて改正された国立学校設置法では、第3条の4で「国立大学で政令で定めるものの大学院に、学校教育法第66条ただし書に定める組織として、教育部及び研究部を置く。」「2前項の教育部は、教育上の目的に応じて組織するものとし、その種類及び課程は、政令で定める。」「3第1項の研究部は、研究上の目的に応じ、かつ、教育上の必要性を考慮して組織するものとし、その種類その他必要な事項は、文部省令で定める。」と規定されました。
つまり、国立学校設置法では、学校教育法第66条に基づき研究科に代わる教育研究上の基本組織として、「教育部」と「研究部」を設置し、前者の種類及び課程は政令で、後者の種類その他必要な事項は文部省令で定めるものとされました。
ここで規定された「教育部」及び「研究部」の呼称は、大学院における教育組織及び研究組織の「一般名称」として使用し、個々の大学での呼称は文部省令に基づき、多様な使い方が可能となりました。
具体的には、「国立学校設置法施行令」の第2条の4(大学院に教育部及び研究部を置く国立大学の指定等)で、「法第3条の4第1項の政令で定める国立大学は、次の表の上欄に掲げる国立大学とし、当該国立大学の大学院に置く教育部の種類及び課程は、それぞれ同表の中欄及び下欄に定めるとおりとする。」として、東京大学の学際情報学教育部とともに一表にて規定されています。
また、国立学校設置法施行規則では、第8条の8(九州大学の学府)で「次の表の上欄に掲げる国立学校設置法施行令第2条の4に規定する九州大学の大学院の教育部は、それぞれ同表の下欄に定めるところにより学府と称する。」「2前項の学府に学府長を置き、教授をもつて充てる。」として、「一般名称」としての「教育部」は九州大学では「学府」と称することを明記し、表(1)のように規定されています。ちなみに、東京大学の学際情報学教育部を学際情報学府と称することも同規則第8条の7に明記されています。さらに、国立学校設置法施行規則の第8条の10(九州大学の研究院)で、「九州大学の大学院に置く国立学校設置法第3条の4第1項に規定する研究部は、次のとおりとする。」として、人文科学研究部以下15の研究部が規定されているとともに、「2前項の研究部は、それぞれ研究院と称する。」「3研究院に研究院長を置き、教授をもつて充てる。」と規定され、「一般名称」としての「研究部」は、九州大学では「研究院」と称することを明記し、表(2)のように規定されています。ちなみに、東京大学では、この「研究部」を「学環」と称することとされています。
なお、大学院重点化した大学における学部の教育研究の実施に当たって、関係する大学院組織及び所属教官の責任を明確にするため、国立学校設置法施行規則第8条の2(学部の教育研究の実施)で「次に表の上欄に掲げる国立大学の、中欄に掲げる学部の教育研究の実施に当たっては、それぞれ同表の下欄に掲げる当該大学の大学院の研究科(教育部及び研究部を含む。)が協力するものとする。」と規定され、九州大学については、表(3)のように規定されています。(本文の研究部をここでは研究院として表記しました。)
教育公務員特例法との関係-部局長
以上のように、学校教育法、国立学校設置法、同施行令、同施行規則など一連の法体系の整備によって、「九州大学の改革の大綱案」で提起された「研究院制度」は、全学の大学院重点化のもとで従来の教育研究組織を教育組織としての「学府(教育部)」と研究上の目的に応じ、かつ教育上の必要性を考慮した研究組織としての「研究院(研究部)」とに分離し、これらが一体となって大学院の組織とするという形に、法的根拠を得たことになりました。
ここで、注目すべきことは、こうした新しい制度と教育公務員の「任免、分限、懲戒、服務及び研修」を定めた教育公務員特例法との関係です。教育公務員特例法の第2条第3項で「この法律で『部局長』とは、大学の副学長、学部長その他政令で指定する部局の長をいう。」と定めています。この「その他政令で指定する部局の長」について、教育公務員特例法施行令第1条では、「教育公務員特例法第2条第3項の部局の長とは、次に掲げる者をいう。」として附置研究所長、病院長、図書館長などとともに「大学院に置かれる研究科(国立大学の大学院に置かれる教育部及び研究部を含む。)の長で文部省令で定めるもの」と定めています。
これを受けて、「教育公務員特例法施行令第1条の規定に基づき大学院に置かれる研究科の長を定める省令」を改正し、その第30号で「九州大学の大学院の人文科学研究院長、比較社会文化研究院長、人間環境学研究院長、法学研究院長、経済学研究院長、言語文化研究院長、理学研究院長、数理学研究院長、医学研究院長、歯学研究院長、薬学研究院長、工学研究院長、システム情報科学研究院長、総合理工学研究院長及び農学研究院長」を列記しています。つまり、九州大学での教育公務員特例法上の部局長は、副学長、各学部長、附置研究所長、病院長、図書館長などに加え、大学院組織に関しては各研究院長となります。
評議会・教授会に関する規定
国立学校設置法-評議会の構成員、教授会を置く組織
国立学校設置法では、第7条の3(評議会)で「国立大学に、評議会を置く。」とし、従来「国立大学の評議会に関する暫定措置を定める規則」という省令に基づいて設置されていた評議会を法律において規定し、同条第2項でその構成について定めています。
また、第7条の4(教授会)で教授会を置く組織について規定しています。その上で評議会の構成員や教授会を置く組織について、教育部及び研究部を置く国立大学に関して第7条の7の読み替え規定を設けています。
その中から九州大学に直接関わるものをあげると、評議会の構成員として、学長、学部長、その他の文部省令で定める大学院の研究科(大学院の教育部及び大学院の研究部を含む。)の長、大学附置の研究所の長、副学長、医学部附属病院長、歯学部附属病院長、附属図書館長及び学部、文部省令で定める大学院の研究科(大学院の教育部及び大学院の研究部を含む。)、大学附置の研究所のうち評議会が定めるものごとに当該組織から選出される教授、並びに評議会の議に基づいて学長が指名する教員をあげています。
ここで「文部省令で定める大学院の研究科」とは、前述した「教育公務員特例法施行令第1条の規定に基づき大学院に置かれる研究科の長を定める省令」で定めるものであり、九州大学では研究院長及び研究院から選出された教授が該当します。また、教授会を置く組織として、学部、大学院の教育部、大学院の研究部及び大学附置の研究所をあげており、九州大学では、教授会を置く大学院の組織は、学府及び研究院ということになります。
評議会の組織
「九州大学評議会規則」では、第2条(組織)に、「評議会は、次に掲げる評議員をもって組織する。一 総 長 二 各研究院長、各附置研究所長及び教育学部長 三 副学長、医学部附属病院長、歯学部附属病院長及び附属図書館長 四 各研究院の教授2人及び各附置研究所の教授1人 五 健康科学センター長及び大学教育研究センター長」としており、研究院の「部局」としての位置を明示しています。
各教授会の審議事項
また、九州大学教授会通則では、第2条(構成員)で各学府の教授会、各研究院の教授会、各学部の教授会、各研究所の教授会、健康科学センターの教授会の構成について規定し、第3条でそれぞれの教授会の審議事項について明示しています。学部教授会と学府教授会は、それぞれの学部または学府の教育課程の編成、学生の入学、卒業又は課程の修了その他その在籍に関する事項及び学位授与に関する事項を中心とし、研究院教授会は、教官の教育・研究業務に係わる事項とともに、教育公務員特例法等に定める教官人事に関することを審議することにしています。さらに、研究所教授会は、教官の研究業務に係わる事項と教育公務員特例法等に定める教官人事に関することを審議します。つまり、学部教授会や学府教授会は学生の教育に関する事項を、研究院教授会と研究所教授会は教官人事と教官の業務に関する事項を審議することになり、大学自治の根幹をなす教官人事については、原則として研究院及び研究所教授会に属することが明示されました。なお、附属病院の教官に係わる教官人事については、関係する学部教授会の審議事項となっています。
教授会の構成員
ところで、九州大学教授会通則は、第2条(構成員)で各教授会の構成員について規定し、「2.各研究院の教授会の構成員は、当該研究院所属の教授とする」、「4.各附置研究所の教授会の構成員は、当該研究所所属の教授とする。」として、部局の長を選出する研究院教授会、研究所教授会に教授が所属するものとし、「5.健康科学センターの教授会の構成員は、健康科学センター所属の教授とする。」と同様の考え方のもとに定めています。これに対し、「各学府の教授会の構成員は、当該学府の講座を担当する教授とする。」、「3.各学部の教授会の構成員は、次の各号に掲げる者とする。一 研究院の所属で当該学部の学科目又は附属教育研究施設を担当する教授 二 学部附属病院所属の教授」と規定しており、学部教授会に「学部附属病院所属の教授」を構成員とする以外は、学府は「講座を担当する教授」、学部は「学科目又は附属教育研究施設を担当する教授」としており、「所属」ではなく、「担当」という概念で構成員を規定しています。また、同規則同条に「6.教授会には、助教授その他の職員を加えることができる。」として、教授会に助教授等を加えるか否かは、それぞれの教授会の判断に委ねています。
研究院長・学府長・学部長
さらに、「研究院制度における研究院長、学府長及び学部長の取扱に関する申し合わせ」が平成12年2月の評議会において承認されました。ここでは、
さらなる変革への期待
教育組織と研究組織との分離により、人材育成上の必要に応じた教育組織の再編と研究の発展に伴う研究組織の再編をそれぞれ独立に行うことが可能となりましたが、わが国で初めての「学府・研究院制度」の導入にともなう具体的な管理運営システムの確立とこれを裏付ける関連法令の整備は、過去に経験がないだけに、予想以上に難しいものでした。しかし、文部省の関係各課の協力とともに、昨年秋に九州大学の部局長や大学改革推進専門委員を中心に結成された「中・長期計画策定プロジェクトチームA」及び事務局職員による厳しい作業によって、平成11年度末までに必要な法規が整備されました。
「大綱案」では、こうした教育組織と研究組織との分離により組織の再編が柔軟に行われるようになることから、複数の関係研究院の協力による「生命科学府」の創設を構想しています。今後新しいシステムを活用して、新学府や新専攻、システムLSIなど学内共同教育研究施設、新センターができていくものと思われます。
また、学府内の専攻や学部内のコースは、人材育成上の必要から、研究院内の部門・講座は、研究分野の動向を考慮して、それぞれ独自に再編することが可能となり、「自律的に変革し、活力を維持し続ける」九州大学づくりの条件が整ったことになります。平成13年度以降、相当数の大学に、この新しいシステムを導入する動きがみられます。もちろん、九州大学の研究と教育が飛躍的に発展し、世界的な教育・学術研究拠点(センター・オブ・エクセレンス)となるのは、新しいシステムのもとでの教育・研究内容の「改革」如何であることは、言うまでもありません。(文責 副学長 矢田 俊文)