About 九州大学について

Ⅲ九州大学の研究科及び系,研究院の再編

大学改革等への取り組み

改革の大綱案

III.九州大学の研究科及び系、研究院の再編

II章で検討した改革の主な内容の実現をベースにしながら、現在の九州大学の研究科や学部を新たにどう再編成するかが、最終的に問われてくる。ここでは、大学院改革専門委員会の平成6年1月25日の「九州大学大学院再編案」、大学改革専門委員会の平成6年6月21日の「九州大学における学士課程教育改革の基本方向について」という二つの答申、これらについての全学的な議論を整理する形でだされた平成6年11月10日の大学改革専門委員会による「大学院・学部再編についての検討メモ」、以上の三つの考え方を参考にし、この間の将来計画小委員会での議論及びその背景にある各部局の見解を重視しながら、「全学の大学院の重点的整備」が実現される方向で、研究科及び系、研究院の再編について、以下のようにするのが適当である。なお、当然のことながら、概算要求等を経て具体的に実現していく過程で部分的な変更もありうるとともに、今後の九州大学をめぐる情勢の変化、法令の整備の状況等から、実現過程がより複雑に推移することもありうるものとみなければならない。

研究科及び系、研究院を再編するに当たっての基本方針

1. 研究科

  1. 研究科は博士一貫課程、独立研究科の場合は修士・博士課程、医学・歯学の博士課程の教育の基礎組織である。
  2. 研究科は、学問体系と学問の学際性を考慮するとともに、次世代の研究者を養成するという視点から編成する。
  3. 研究科の中に教育のための単位組織としての専攻コースを置く。
  4. 各研究科は他大学卒業生、社会人、外国人留学生を積極的に受け入れる。
  5. 研究科や専攻コ─スを越えた教育研究を推進する目的で、教育研究プログラムを設ける。

2. 系

  1. 系は学士・修士課程、あるいは医学・歯学の学士課程の教育の基礎組織とする。系には専修修士課程を置くこともできる。
  2. 系のなかに教育の単位組織としての系列コースか、又は、主専攻・副専攻を選択するカリキュラム制を設ける。系を学士・修士課程とするときは、専修コースを置く。
  3. 系は伝統的な学問体系とその相互関係、養成する人材の専門性並びに学問の総合性を考慮して編成する。
  4. 専門的な教育を越えた広域的な学習機会を積極的に活用できる自由学際系を設ける。
  5. 医学・歯学・薬学を除いて、原則として系一括の入学を行う。
  6. 系の間の学生の転学を拡大する。系を学士・修士課程とするときは、他大学卒業生、社会人、外国人留学生の編入学を拡大する。
  7. 系で4年間以上在学し、所定の単位を修得した者で、希望する者に対しては、学士の学位を授与する。

■3. 研究院

  1. 研究院は、教官の研究の基礎組織であり、教官は、原則として研究院に所属する。
  2. 研究院は、学問の新しい進展の動向を含めて学問の歴史を通して確立・発展してきた学問体系と学問の学際性を考慮して編成する。
  3. 研究院の編成は、系の編成に配慮しつつ、研究上の密接な関連を重視して、研究科の編成と原則的に対応する。
  4. 研究院のなかに、学問のまとまりを考慮して、部門をおき、それらはいくつかの大講座によって構成される。
  5. 研究院は、研究組織としての責任を果たすとともに、研究科及び系の教育に責任をもつものとする。
  6. 研究院や部門を越えた研究を推進するため、研究拠点形成プロジェクトを設ける。

研究科及び系、研究院の編成

九州大学における研究科及び系、研究院は、以下の図に示すように編成する暫定案を軸として、検討を深めていくことが適当である。