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久保総長 年頭の挨拶(2019年1月1日)

総長式辞・挨拶等

年頭の挨拶(2019年1月1日)

九州大学総長   久 保 千 春

 新年明けましておめでとうございます。
 皆様におかれましては、健やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。 

 まず、昨年一年の政治、経済、社会の主な出来事を振り返ってみたいと思います。
 海外においては、
2月 平昌オリンピック開催
4月 南北首脳会談
6月 米朝首脳会談
7月 タイ少年ら洞窟閉じ込め(全員救出)、ギリシャ 山火事
9月 スラウェシ島(インドネシア)地震
11月 EU 英離脱協定正式決定
12月 フランス 大規模デモ

 国内では、
1月 仮想通貨流出
2月 2020年東京五輪マスコット決定
3月 森友学園や加計学園問題
4月 大分(中津市)山崩れ
5月 日大アメフト部危険タックル
6月 大阪地震、働き方改革関連法案成立
7月 西日本豪雨災害、カジノ法成立
8月 東京医大不正入試
9月 台風21号襲来、北海道地震
10月 ノーベル医学生理学賞に本庶佑氏
11月 日産・ゴーン会長逮捕
12月 4K8K放送スタート 
 また、天皇陛下の退位が平成31年4月30日と決まりました。 

 こういった国内外の状況にあって、九州大学における昨年の出来事について述べたいと思います。九州大学にとっては歴史に残る節目の年でした。
1月 台湾同窓会、九州大学エネルギーウィーク2018
2月 新スパコン“ITO”(いと)完成、日本橋サテライト開所、CEOクラブ開催
3月 九州・大学発ベンチャー振興会議
4月 共創学部第1期生入学、文系4学部副専攻プログラム開始
5月 中本博雄様の5.16億円寄附による 「中本博雄賞」創設、福岡・釜山 大学学長会議
6月 芸術工学部50周年記念式典、共創学部オープニングシンポジウム、ビッグオレンジアンテナショップ開店
7月 総合体育館屋内プール完成、日本ジョナサン・KS・チョイ文化館開館、センター4号館完成、比較法国際アカデミー国際会議
8月 関西同窓会10周年記念、九大フィル東京公演、福岡・釜山フォーラム
9月 世界社会科学フォーラム(WSSF)、伊都キャンパス完成記念式典、農学研究院開校式典、イーストゾーン完成記念式典 、アカデミックフェスティバル2018
10月 中央図書館グランドオープン、石ケ原古墳跡展望展示室公開
11月 新海征治特別主幹教授が文化功労者、会津若松市長一行来訪、七大戦開催に向けた強化講習会
12月 江蘇杯中国語コンテスト 

 本年平成31年には次のような行事が予定されています。
1月 エネルギーウィーク2019
2月 伊都診療所開所、 さよなら箱崎キャンパス式典
3月 春季学位記授与式
4月 春季入学式
5月 新天皇即位、開学記念式典
7月 全国七大学総合体育大会(本学主管)(~9月)
9月 秋季学位記授与式
10月 秋季入学式、九大祭、アカデミックフェスティバル2019、農学部創立百周年記念式典
11月 QS-APPLE 2019 シンポジウム 

 私が、2014年に総長に就任した際、躍進百大を実現するための手段として、具体的なアクションプランを6つ、掲げております。
      1. 世界最高水準の研究とイノベーション創出
      2. グローバル人材の育成
      3. 先端医療による地域と国際社会への貢献
      4. 学生・教職員の誇りに思う充実したキャンパスづくり
      5. 組織改革
      6. 社会と共に発展する大学

重点事項として 
  ・  研究教育機構創設によるイノベーションの創出
  ・  新学部(共創学部)の設置によるグローバルに活躍する人材の育成
  ・  人文社会科学分野等の再編成・機能強化による九州大学の更なる活性化 

 このアクションプランのロードマップに則り、完成に向けてやっていきたいと思います。 

 今年から始まる新たな「九州大学ルネッサンスプロジェクト」についてご紹介します。
 経営改革促進事業に採択いただいた取組です。躍進百大を実現し、世界に冠たる研究・人材育成の国際的拠点大学となるためには、教育力と研究力の更なる向上を図ることが必要不可欠です。
 その鍵となるのは何と言っても、優秀な人材の獲得・育成です。そのため、高大接続の取組を展開しつつ、学部教育、大学院教育、研究者育成を一貫性のある取組みとして連動させる持続的人材育成戦略「九州大学ルネッサンスプロジェクト」を実施することとしています。
 教育面では、イノベーション創出を担う人材や、世界をリードするグローバル人材の育成に取組むとともに、研究面においては、次代の研究をリードする「若手・女性・外国人」研究者を200人雇用するための学内の仕組みを整え、さらに若手研究者が自律的に研究に取り組める研究環境を整備することにより、真の研究力と研究生産性の強化を図ります。
 このような取組を基盤として、次期中期目標・計画期間における、指定国立大学への指定に向けて、経営改革を行ってまいります。
 平成24年度から始まりました大学改革活性化制度をこの4月から研究教育力の継続的な強化・向上を図るため「人事」をより重視し、ガバナンスを更に強化した制度に転換することになりました。 

 躍進百大の旗印の下、世界大学ランキングの向上に向けて取り組んでいるところです。
 研究力の向上に取り組み、研究の国際競争力とこれに基づくレピュテーションを向上させることです。
 THEは順位が下降気味ですが、QSは上昇しています。平成27年度は、142位でしたが、平成30年度は126位となっています。これをぜひ、100位以内にはもっていきたいと思っています。
 対応戦略として
   1. 研究戦略の策定
       2. 研究のための環境整備、時間確保
       3. 研究の国際ネットワークの拡大 などを挙げています。

 またレピュテーションのための国際広報体制も強化しております。その一環として、今年はQS社が主催する国際カンファレンスQS-APPLEを11月に本学が主催します。昨年、成功を収めた世界社会科学フォーラム同様、全学体制で臨みます。
 一昨年10月から各部局を訪問し、大学本部で出来る事、部局で出来る事について意見交換を行っております。最終的には個々の教員が頑張ってもらうことが、大学の発展につながります。各教職員が十分力を発揮して頂く事を願っています。

  大学人としての心構えについて3つ述べたいと思います。
  1. 地震・台風等の災害、事故等に対する安全・危機管理の徹底
      2. 情報共有:国、文科省や学内の様々な情報について各構成員との情報共有
      3. 技術・知識・専門性についてのプロ意識 

 九州大学は長年の念願でありました統合移転が昨年9月にようやく完成しました。
 本年は、5月から新元号になり、新たな歴史に向けて出発の年です。

  九州大学の伊都、病院、大橋、筑紫地区のそれぞれのキャンパスから世界をリードする人材と新しい科学を生み出し、未来社会を切り拓く研究成果を発信し、社会と、そして世界平和への貢献を目指していきたいと思います。
  以上を持ちまして新年の挨拶といたします。