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久保総長 年頭の挨拶(2020年1月1日)

総長式辞・挨拶等

年頭の挨拶(2020年1月1日)

九州大学総長   久 保 千 春

 新年明けましておめでとうございます。令和2年(2020年)が始まりました。
 皆様におかれましては、健やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 まず、昨年一年の政治、経済、社会の主な出来事を振り返って見たいと思います。
海外においては、
2月 米朝首脳会談(ベトナム)
4月 ノートルダム大聖堂で大火災、ロ朝首脳会談
6月 米大統領、初の北朝鮮入り
7月 ジョンソン英首相が就任、日韓関係の悪化
8月 香港で反政府抗議活動
10月 香港政府、逃亡犯条例改正案を正式撤回、イギリスのEU離脱延期へ
11月 アメリカで香港人権法が成立
12月 イギリス議会選挙保守党勝利、日中韓首脳会議(北京)

 国内では、
2月 はやぶさ2「りゅうぐう」着陸成功
3月 イチロー選手 引退
4月 新元号は「令和」
5月 「令和」に改元、新天皇陛下が即位
6月 G20大阪サミット開催
7月 「仁徳陵」世界遺産に、はやぶさ2「りゅうぐう」2回目着陸
8月 九州北部で大雨
9月 台風15号、首都圏直撃
10月 消費税10%スタート、台風19号襲来、千葉県、長野県などで記録的豪雨災害、首里城火災
11月 大学入学共通テスト 英語民間検定試験の導入延期
12月 改正道路交通法施行(ながら運転厳罰化)

 こういった国内外の状況にあって、九州大学における昨年の出来事について述べたいと思います。九州大学にとっては歴史に残る節目の年でした。
1月 九州大学エネルギーウィーク2019
2月 伊都診療所開所、ありがとう箱崎開催
3月 THE世界大学ランキング2019日本版で国内4位
4月 オンデマンド学内バス「aimo」出発式、桜植樹式、先進電気推進飛行体研究センター開所式
5月 開学記念式典、台北医科大学と大学間交流協定締結
6月 アンカラオフィス開所式、企業の人事担当者から見た大学のイメージ調査 総合ランキング(日経)で1位
7月 環境省地域ESD拠点登録式典・看板掲揚式、七大学総合体育大会開会式、アジア・オセアニア研究教育機構キックオフシンポジウム
8月 附属汎オミクス計測・計算科学センター開所式、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校と戦略的大学間交流協定締結、九大発ベンチャー2社が大学発ベンチャー表彰2019で表彰
9月 九州・沖縄アイランド女性研究者支援シンポジウム
10月 吉野彰グリーンテクノロジー研究教育センター訪問教授ノーベル化学賞受賞、アカデミックフェスティバル2019、キャッチコピー発表、農学部創立百周年記念式典
11月 ジュン・アシダ賞受賞、河口洋一郎氏「宇宙魚 Ficco2007」除幕式、QS-APPLE2019シンポジウム、文化勲章受章者 中野三敏九大名誉教授逝去
12月 中村哲高等研究院特別主幹教授 銃撃され死去、I2CNER10周年記念シンポジウム、笹月健彦高等研究院特別主幹教授 日本学士院会員に選定、日本学術振興会賞25名中5名受賞、ナイスステップな研究者(若手研究者)10名中2名選定

 本年令和2年(2020年)には次のような行事が予定されています。
1月 エネルギーウィーク2020 
3月 春季学位記授与式
4月 春季入学式
5月 開学記念式典、CEOクラブ総会(福岡)
6月 QREC設立10周年行事
7月  東京オリンピック開催
9月 秋季学位記授与式
10月 新執行部による運営開始、秋季入学式、アカデミックフェスティバル2020
11月 九大祭、CEOクラブ総会(東京)

 私が、2014年に総長に就任した際、躍進百大を実現するための手段として、「九州大学アクションプラン2015-2020」を掲げております。
1. 世界最高水準の研究とイノベーション創出
2. グローバル人材の育成
3. 先端医療による地域と国際社会への貢献
4. 学生・教職員の誇りに思う充実したキャンパスづくり
5. 組織改革
6. 社会と共に発展する大学

 これらの中のいくつかを紹介します。

 グローバル人材育成と組織改革に係る取組みについては、本学が掲げる躍進百大を実現し、世界に冠たる研究・人材育成の国際的拠点大学となるためには、教育力と研究力の更なる向上が必要不可欠で、鍵となるのは優秀な人材の獲得・育成であります。
 そのために、高大接続から、学部・大学院教育、研究者育成の段階まで一貫性のある取組みとして連動させる持続的人材育成戦略「九州大学ルネッサンスプロジェクト」を策定・実施しています。学部教育段階では、基幹教育において文理融合の教育、アクティブラーナーの養成や共創学部等で世界をリードするグローバル人材の育成に取組むとともに、大学院教育段階では、柔軟かつ機動性のあるオーダーメイド型学位プログラムのダ・ヴィンチプログラムを創設しています。
 ダ・ヴィンチプログラムは、複数学府の教員組織から成り、専門分野に加えて異分野を学び、新たな学問分野創出や複数の学問分野にまたがる社会的課題を解決する人材を輩出するための仕組みです。
 研究者育成段階では、次代の研究をリードする「若手・女性・外国人」研究者を200人雇用する活性化制度を整え、さらに優秀な女性、若手教員を活躍し昇任させるための仕組みであるSENTAN-Qを創設しています。

 九州大学アクションプランの6番目に「社会と共に発展する大学」を掲げ、大学と同窓会や一般市民との連携強化を図っております。
 平成28年から毎年アカデミックフェスティバルを開催しており、同窓生をはじめ、一般市民、高校生に本学の取組みを広く紹介しています。
 国内外の同窓会では、私たち執行部が大学の現状や取組みなどを説明し、九大に対するご理解をいただいています。台湾、中国、韓国、ベトナム、インドネシアなどには海外同窓会組織が作られました。
 この様な取組みにより、九州大学を支援していただける「九大会員」は増加してきており、令和元年12月時点で総数7,250名、そのうち継続的にご寄附いただける会員数は、平成26年度101人から1,256名まで増大しています。
 そのほか、九大卒業生で会社社長をされている方々のCEOクラブも2018年に創設しました。
 同窓生の皆様には、ぜひとも”九大ネットワーク”にご参加いただき、今後とも九州大学のよき理解者としてサポートいただければと願っております。

 昨年のアカデミックフェスティバルで、九州大学のキャッチコピーを決定しました。

世界へ飛躍する九大新世紀
Leap into the Next

 九州大学の4つのキャンパスである、伊都、病院、大橋、筑紫地区のそれぞれのキャンパスから世界をリードする人材と新しい科学を生み出し、未来社会を切り拓く研究成果を発信し、社会とそして世界平和への貢献を目指していきたいと思います。
 私の総長としての任期は今年の9月末までとなりますが、現執行部を中心に多くの方々と協力してアクションプランの取組みや課題をやりとげて、次期執行部に良いかたちで引き継ぎたいと思います
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。