International 国際交流・留学

Menna Fateenさん

留学生体験記

付き合っていた彼の留学をきっかけに九州大学の大学院に留学し、子育てしながら研究に励んだエジプト人留学生に話を聞きました。

Menna Fateen(メンナ・ファティーン)さん

システム情報科学府 情報理工学専攻 博士課程修了
出身国:エジプト

ギザ出身。子どもの頃、米国で10年間暮らす。カイロ大学を卒業後、九州大学大学院に進学。エジプト出身で大学勤務の夫、5歳と2歳の息子の4人家族。アラビア語、英語、日本語を話す。

AIの研究で教育分野に貢献したい

日本への留学のきっかけは?

元々日本に興味があり、中学生のときに学校で日本の着物や富士山、焼きそばなどについて発表しました。カイロ大学に入学して今の夫と出会い、彼が日本に留学したことや、私が研究していたAIの分野は日本で研究が進んでいることで、私も日本に留学したいと思うようになりました。

なぜ九州大学を選びましたか?

彼の留学先が九州大学だったので、大学のことを調べました。すると、私が研究したい分野でいい先生がいたので留学を決めました。私は伊都、夫は筑紫キャンパスで学びました。

研究内容をご紹介ください。

カイロ大学では、AIが自然言語を分析する技術NLPについて研究していました。九州大学に来てからはAI×教育をテーマに、前から関心のあった教育分野にNLPの技術を応用し、主に3つの研究に取り組みました。研究室の先生が学習塾と共同研究していたこともあり、生徒の振り返り文や講師の報告文などのデータをもとに、学習状況や成績予測などを行いました。また、生徒のテストの自動採点、生徒に問題の解き方を教えるシステムについても研究しました。

お気に入りの場所は春日市の春日公園。休日に夫と息子たちがサッカーをしています

九州大学で研究することの魅力は?

まわりの環境と人にとても恵まれていました。先生方が多くの情報やアイデアを提供してくれて、手厚くサポートしてもらい心強かったです。研究室にはいろいろな国の留学生がいて、いつもポジティブな雰囲気でオープンにディスカッションをしていました。私は在学中に出産して子育てしながら研究を続けました。ちょうどコロナ禍でオンライン化が進み、パソコンさえあれば自宅でも研究を進められたので助かりました。

留学して感じる日本や福岡の印象は?

日本人は優しくてホスピタリティがあり、大学はもちろん、子どもを通して多くの人と出会い、ママ友もできました。日本は自然が美しくて、特に桜に心惹かれます。学会で東京と大阪に行きましたが、都会すぎず田舎すぎない福岡が一番好きです。

留学後のビジョンは?

大学院での研究を生かして、この4月から東京のRecursiveという会社でエンジニアとして働いています。インターナショナルな環境で、教育とAIに関わることができて、やりがいを感じています。福岡の自宅でリモートで仕事ができるので、とてもありがたいです。

研究室にはイギリスや中国、韓国などの留学生がいて、英語と日本語でディスカッションをしていました

在学中、「先導的人材育成フェローシップ事業」のフェローに採用されました

 

※このインタビューは九大広報vol.131(2025年7月発行)に掲載しています。